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【小説】胡蝶の夢(Ⅳ)
霜川駅に着いた。小さなターミナル駅の前のさびれた商店街はもう真っ暗だ。眠りこけた街にしんしんと雪が降る。明日の朝はかなり積もりそうだ。長く厳しい冬が始まる。
聞き慣れたクラクションの音に振り返ると、カンジのバカでかい四駆がとまっていた。
「どうだった?」
カオリが助手席に乗り込むや、カンジは土産話をせがむ子どものように聞いてきた。
「いろんなことがあって、今はうまく言えない。いつか話すわ」
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1,054字
【創作小説】胡蝶の夢
250円
青春の光と影、愛と孤独、そして死――北海道の札幌郊外や空知地方の美しい自然を背景に、ティーンエイジャーである2人のカオルと1人のカオリが織…
公開中の「林檎の味」を含む「カオルとカオリ」という連作小説をセルフ出版(ペーパーバック、電子書籍)しました。心に適うようでしたら、購入をご検討いただけますと幸いです。