見出し画像

ソウルイーター原画展レポ

ソウルイーターという漫画をご存じだろうか。
あの大人気作品「炎炎ノ消防隊」を描かれた大久保篤先生の作品で、2004年6月号〜2013年9月号まで月刊少年ガンガンで連載されていた少年漫画である。

主人公はツインテールのキュートな女の子なのに、自分の身長よりも巨大な鎌を振り回し、命をかけて戦うその格好よさに、当時の私はそれはもう夢中になった。少ないお小遣いをどうにかやりくりしながら漫画を集め、兄弟とチャンネル争いをしながらアニメを毎週追いかけたのもいい思い出だ。当時の漢字練習帳には作中で出てくる厨二感満載の漢字が書きとられている。多分先生は首をかしげながら宿題チェックをしていたと思う。ごめんね先生。

少し脱線してしまったが、とにかくそのソウルイーターが生誕20周年を記念して、原画展を開催することとなった。
正直、少し迷った。
私は普段全く絵を描くことはなく、漫画の技巧にも全く明るくない。すでに全て漫画で見ている原稿を見て、何かわかるものだろうか?そもそもこういった原画展は、絵を描かないただのファンが行って楽しめるものだろうか?
原画展よりも交通費や宿泊費の方が何倍もかかる。わざわざ遠くから行って、もしも万が一期待はずれだった、なんて感じてしまったら……
けれどやっぱり、十数年ぶりに新しい動きのあった大好きな作品だから、ほんの少しの不安を抱きつつ参加を決めたのだった。

そして当日。興奮でホテルではあまり眠れず、眠たい目をこすりながら大阪は日本橋へ。
整理券の順番が回ってくるのをそわそわと待つこと約15分で入場できた。

結論から言おう。楽しめるかな……なんて心配は、全くの杞憂だった!
まず一番最初の待合の段階からキーヴィジュアル(以下KV)展示でテンションが上がる。まだ中に入ってもないのに、すでにもうテンションが高い。
原画展を自分の目で見るまではなるべく情報を入れたくなかったのでKVはポスター形式のものしか見てなかったのだけど、待合のKV展示はポスターのものとキャラの配置が違う!おかげでキャラ同士が重なって見えてなかったところとか衣装の詳細とかがよく見えて、それぞれの個性がよく現れたフォーマルスタイルだなと思った。もうこれだけで入場料分の価値があるといっても過言じゃない。
リズのドレスかわいい!あと入場待ちの間に見てて思ったんだけど、リズとパティの体型の違いがデコルテにも現れてるの良いよね……(噛み締め)



待合のKV展示



そして入場!入場直後にソウル(魔鎌の姿)の原寸大模型!!!!

原画展は一部を除いて撮影自由

でっっっっっか!
マカちゃんこんなの振り回してたんだ……そりゃ100m8秒92で走れますわ
造形もしっかりしてて、目もプリントとかじゃなくてちゃんと立体だったのうれしかった。

そしてメインの原画展示!
ストーリーの大まかな区分ごとに原画の展示がされていて、絵柄の変遷を改めて実感できた(私は鬼神復活後〜アラクノフォビア制圧までのあたりが一番絵柄が好き!)
コミックでは単なる黒ベタに見えていたところ、一つ一つ手で塗られてたんだ!というのが見てとれたこととか、魂のエフェクト(白く飛んでる光みたいなやつ)って修正液なんだ!?とか、普段全く絵を描かない私には全部新鮮で、「漫画って、本当にこんなたくさんの労力があって生み出されてるものなんだなあ」ってなんか感慨深かった。
原画展にいた人たちそれぞれ釘付けになっている原画が違って、ここにいる人たちみんなソウルイーターのファンなんだな、みんなそれぞれ好きなシーンがあるんだな、と勝手に連帯感を覚えて幸せだった。
ソウルイーターは完結してからもう何年もたつ物語だけど、間違いなく今、ここに存在しているというのを改めて実感できた感じ。子どもの頃にはじめて出会ってから、自分を形作る作品としてずっと心の中の本棚にある作品がこうやって今この世にあること、そしてそれを愛している他のファンがこんなにいるんだということがすごくうれしかった。

原画の展示の仕方も色々と工夫を凝らしてあって、原作ファンはもうずっといい空気吸ってる空間だったと思う。これなんて、床にあった仕掛けなのだけど見てほしい。

幼マカと幼クロナが魂の中で友達になったシーンの再現!足元にも仕掛けあったのすごい芸細かくてよかった。

クロナとメデューサの最後のやり取りのところ、展示の仕方がテクニカルで、入り口から見た時と振り返って見た時とで展示ブースの雰囲気がぜんっぜん違うのも素敵な展示の仕方だった。
本で読んでた時に感じた、予想を裏切られた!って展開を展示でこういうふうに表すのか〜!っていうのがすごくよかった!ここはぜひ現地で見てほしいので、写真は控えておこうと思う。

あと最後の方に特別新録動画があったんだけど、これは本当にファン全員に聞いてほしい!令和のこの世にマカ達の新しいセリフが聞けることも感動だし、アニメからもう15年以上もたつのに声が変わってないのもさすが声優さん!って感じ。
あとわかりやすくするためにだと思うんだけど、途中でとあるシーンが挿入されるような構成になってて、このアレンジすごくよかったですね…………
マカの「鬼神狩り!」のがなり声本当に好きなので、また新しいのが聞けるなんてってにやけてしまうのが抑えられなかった。
アニメ二期、絶対無理だってもちろんわかっているんだけど夢見る気持ちが止められない本当に。一生焦がれ続けておきます。

原画展というものに行ったことがなかったので、原稿を見るだけで本当に楽しめるのか?そもそも絵を描かない&絵の技巧に対して全く知識がない人間がいくところなのか……?って正直不安もありながら参加した原画展だったんだけど、行ってよかった!遠方からの参加だったけど、距離を理由に見送らなくて本当によかった!!もしまたこういった企画があったらまたぜひ参加したいな

原画展、おすすめです本当に!


お迎えした小さき命たち

いいなと思ったら応援しよう!