ずっと一緒だと思ってたのに【オリジナルSS】

ずっと一緒だと思ってたのに

 

 ザラザラザラ。器に適当な量のコーンフレークを入れ、適当な量の牛乳をかける。食事が面倒で最近はこんなもので腹を満たしている。油断すると涙が流れてくるようになった。コーンフレークと牛乳に喪失感を混ぜ込んで、スプーンで撹拌する。

 

 

「このチョコパフェ、ビジュ良すぎな。」

 

「可愛くて食べれないよ〜。」

 

「うさぎのクッキーちょうだい。てかこのパフェうちっぽくない?」

 

「わかりみ。私は?なにっぽい?」

 

「コーンフレークじゃない?」

 

「可愛くないからやだなぁ。」

 

「いいじゃん。コーンフレーク美味いし。」

 

 

 そんな会話もしたっけ。部屋の中、街のあちこちにあるあの子との記憶を忘れないように、何度も何度も反芻している自分が嫌で仕方ない。コーンフレークを食べるたびにあの子を思い出す。あれってどういう意味だったの?牛乳が染み込んでふやけたコーンフレークを口に運ぶ。美味しくないよ、一人で食べるのなんて、なんにも美味しくない。

 

 

End.

 

 

 

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