夫婦愛

テレビで津川雅彦さんと朝丘雪路さんご夫婦が取り上げられていました。
朝丘雪路さんは、晩年アルツハイマー型認知症を患っていました。
番組を見ていると、端々にその様子が見受けられましたが、津川雅彦さんが雪路さんに『何がしたい？』と聞くと、『歌いたい』を仰ったそうです。
2015年、ステージに上がった雪路さん。
しっかりと力強く歌い切った雪路さんの姿がありました。

認知症になった妻を表舞台に出すと言うことは、勇気も必要だったろうと思う。ちゃんと最後まで歌いきれるか。何を話すか分からなくならないだろうか…。不安も大きかったろう。
津川さんは夫婦の絆…雪路さんを信じ、ステージに立たせたのだろう。
テレビでは、『それが奇しくも最後の花道になった…』と語っていた。

写真は遺作となったが公開されていない『プラシーボ』より。

ステージの後から亡くなるまでの3年間。
雪路さんの様子については一切話さなかった。夫として…雪路さんのイメージや女優としての立場なのかな？を守るために、津川さんの美意識から話さなかったのだろう…との事。
別居生活の長かったご夫婦でしたが、お互いに想い合い素敵なご夫婦だったのだな…と思いました。

私がデイサービスの生活相談員として勤務して、最初のご利用者様夫婦を思い出しました。
いつも認知症の奥様の事を『あの婆さんは…』とか言いつつも心配されていて、ご主人が亡くなるとき『先に向こうで待ってるからな…』と亡くなったそうです。
葬儀にも参列させて頂き、最期のお別れをして来た時に聞きましたが、一緒に参列した方と号泣してしまいました。
やはり、夫婦って良いものだな…と思いました。