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絶対学ぶべき経済学基礎

はじめに

この記事の目的は、読者の皆さんに「経済学の4つ基本理論」を理解していただくことです。

高校の教科書で「○○学派」とか聞いたことはあるけど、結局何が言いたいのか分からない、そもそも学派って何個あるの?と思っている方にぜひおすすめの内容になっています。

僕自身、会社について調べるのが好きだっだり、マーケティングに興味はありつつも、その根本となる「経済」について全く理解していないという焦燥感があり、経済理論について勉強しました。その学んだ内容を皆さんに分かりやすく説明できればと思います。

経済学の4つの学派

僕は勝手なイメージから、経済理論の学派はほぼ無限にあると思っていたのですが、実は基本となる理論は以下の4つしかありません。

・古典派経済学
・新古典派経済学
・マルクス経済学
・ケインズ経済学

しかも、後述しますが、古典派経済学と新古典派経済学は殆ど同じ考え方ですので、覚えるべき理論はたった3つになります。

経済学派を学ぶ時の基本

経済学派を学習する上で、以下の2つのポイントを抑えておくと、その理解がスムーズになります。

1.経済学派はただ「市場経済をどこまで自由に任せるか」の話しかしていない

学派と聞くと、色々と小難しい話をしているように思えますが、実はこの話しかしていません。

経済市場に政府がどのくらい介入するべきなのか、このアプローチ方法を議論し合っているにすぎないのです。

2.各理論にはその時代の背景と社会構造が影響を与える

これから紹介する4つの学派はその時代の社会情勢の影響をモロに受けています。

例えば、政府が市場を放任していたことで、世界恐慌が発生すると、「政府が市場に介入すべきだ!!」という理論が盛り上がって、一大派閥になります。

まあ考えてみると当たり前で、その時代に起きていることを経済学者がそれっぽく説明すれば、「絶対それじゃん!!」と賛同して持ち上げられる、という現代と変わらない仕組みで経済理論ができあがっているのにすぎません。

それではそれぞれの学派について、分かりやすく説明していきます。

古典派経済学

基本情報

一言で:「市場の自由を重視し、過度な政府介入を否定」
支持者:アダム・スミス、リカード
背景:重商主義への反発
スタンス:市場に任せるべき

市場の自動調整機能を信頼すべき

市場経済を自由に任せれば、需要と供給はあるポイントで均衡になるため、経済は上手くいく、という考え方です。

政府の不介入を主張

この時代は、国が主体となって、とにかく外国にものを輸出して外貨を獲得することを目指す重商主義が強い力を持っていました。

しかし、全ての国が「ものを売りたい」と考えると、供給だけが異常に増え、あるものはめちゃくちゃ高い、あるものはめちゃくちゃ安い、という状態を生み出します。

古典派経済学派は、国がこのような政策を打つのではなく、市場経済に任せれば、それぞれの国の国民が得意なものをつくり、苦手なものを輸入するという関係になることで、みんなが幸せな状態になると主張しました。

新古典派経済学

一言で:「数理的手法で経済を精密に分析」
支持者:マーシャル、ワルラス
スタンス:市場に任せるべき

合理的な経済主体を前提

基本的な考え方は古典派経済学と変わりません。政府は市場に介入せず、自由に任せるべきだと主張します。

古典派経済学と異なる点は、そのアプローチ方法です。

新古典派経済学は、経済主体(家計、企業、政府)の行動が合理的であることを前提に、それらを数値化して、各々の次なる活動を決定するところにあります。

需要や供給、雇用を数学的に計算すると、政府の介入は必要ないことが証明できる、と主張するわけです。

マルクス経済学

一言で:「資本主義の構造的問題を指摘する学派」
支持者:マルクス
背景:産業革命期の労働問題
スタンス:市場に任せず、政府が経済管理すべき

資本主義は崩壊する

労働者は資本家に酷い労働環境で搾取されることで、とてつもない経済格差が生じる、すると労働者は生活ができなくなり、結果的に革命を引き起こす、という運命を資本主義は背負っているという主張です。

そのようなトラブルを起こす原因である、社会格差をなくすため、経済平等を追求する社会主義を掲げました。

ケインズ経済学

一言で:「政府による積極的な経済安定化」
支持者:ケインズ
背景:世界恐慌
スタンス:政府は積極的に市場に介入するべき

政府の積極的介入を支持

これまでの歴史が証明したように、古典派経済学が主張する自動調整機能は不十分であり、その背景には必ずしも合理的ではない人間の存在があるとしました。

そこで、雇用や投資を高く保つための政府の介入は不可欠であり、莫大な資金を使って経済をまわす必要があると主張します。

この理論は、先程も少し触れましたが、世界恐慌の発生後に盛り上がりを見せました。

世界恐慌は、政府がアダム・スミスの理論を採用したことによって引き起こされたとして、ケインズはこの理論を打ち出したのです。

結果として、アメリカでは政府が公共政策によって雇用を生み出す「ニューディール」を展開し、成功といえる成果を生み出しました。

さいごに

いかがだったでしょうか?!

難しく考えていた経済学が、その大枠は意外とシンプルだと感じることができたのではないでしょうか。

これを頭に入れるだけで、今後の政府の経済政策をまた違った目線で見れると思います。

僕は、新古典派経済学に少し興味が湧いたので、もう少し深堀して勉強してみたいと思います。

皆さんも気になった理論の学習を深めてみてはいかがでしょうか?

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