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「〇〇さん、診察室へどうぞ」が言えなかった話

医者になってあっという間に1年が経ちました。
去年の今ごろよりかは診療できるようになっていると思います。

2年目にやった今、改めて1年目の最初の頃を振り返ってみます。

1年目研修医のみなさんもぼくの経験を参考にしていただければ幸いです!

国試が終わってから就職まで

2020年2月9日、ついに長い長い勉強生活が終わりを告げました!そう、医師国家試験。

そして待ちに待った春休み!
国試が終わってから就職までのこの期間、医学生界隈では「人生最後の長期休暇」とか呼ばれてます。

この2ヶ月間はもちろん就職後のために猛勉強!
…は、しません。笑

大抵の医学生は旅行であちこち行き、酒を飲みまくり、はしゃぎまくる。
ぼくもその1人。

国試が終わってすぐアメリカに飛び立ち、1ヶ月かけてキャンピングカーでアメリカを横断しました🇺🇸
楽しかったなぁ(遠い目)

そして国試のために長期間かけてパンパンに詰め込んだ医学知識を2ヶ月かけて一旦全部忘れます。笑
あんだけ苦労して覚えたのに。笑

研修医生活の始まり

そして来たる4月。頭真っさらの状態で研修医生活をスタートさせるんです。

ただ、これは1年経って分かったことなんですが、国試の知識は一部を除いて本当に臨床現場で使いません💦

ぼくがこの1年間で「Charcot-Marie-Tooth病」なんて言ったでしょうか?
ぼくがこの1年間で「発作性夜間ヘモグロビン尿症」なんて言ったでしょうか?

いや研修医なってからいまnoteで書いて初めて目にしたわ!笑
そしてたぶんこれからも一生目にすることないと思います。

最後やしもう一回書いとこ。

Charcot-Marie-Tooth病
発作性夜間ヘモグロビン尿症

※ちなみに医者になって腐るほど目にするのはこういうのです。

誤嚥性肺炎
大腿骨頸部骨折

研修医になってから必要な知識って国試で必要とされる知識と全く違います!
また一から学び直さないといけません。

なので国試後の旅行で知識全部飛んでいっても別に大丈夫です。笑

臨床に必要な知識は「内科レジデントの鉄則」とかで勉強するのが間違いないと思うんですけど(内科レジデントの鉄則は初期研修医に必須です)
正直教科書読んでるだけだと全然ピンときません…。結局体を動かして覚えるのが1番早いんですよね。

体を動かして覚えていくしかないんですが、もどかしい点があってそれは練習がなくて常に本番っていうところです。
患者の人形があるわけではなくて常に生身の人間との戦いなんですよね…!

でも紙の上でしか診察していなかった医学生時代。
研修医1年目、特に4月のぼくは本当に何もできませんでした。
それは技術的な問題以前のこと。

「〇〇さん、診察室にどうぞ」が言えなかった

医者のセリフで定番のこれ。本当に緊張して言えなかった…
別にぼくはコミュ障ではないと自分で思っているんですが、

なんも分かってないぼくみたいなもんが診察して大丈夫なんかな…

とか

もし想定外のこと質問されたりしたらどうしよ…

とか、いろいろ頭をよぎって全然患者さんを呼びこめませんでした。結局上の先生がついてくれるんですけどね。

そのほかにも電話恐怖症で院内の電話ができずに優しい上の先生に代わりにかけてもらったりしていました。まあひどい有様ですよね。笑

動脈血採血とか点滴つなぐ手技も絶望的にできないし…
まず専門用語がわからん!

2年目の先輩はこんなに当たり前のようにテキパキ仕事こなしてるのに。
自分は特にできない医者なんやなぁって思ってました。絶対来年なってもこんなんできないやんって。

2年目になって分かったこと

研修医1年目は何もできなくて当たり前

これに尽きます。
いやこんなもんいきなりできるわけなかったやん!って今になって思います。

1年目は本当に右も左もわからないので、任された全てのことは最初から完璧にやって当たり前なのかなって思ってしまいますが、そんなことはありません。

どれだけ教科書読んで頭に入れていても、実践するとなるとわからんもんはわからんしできないもんはできないし。別にそれが普通です。1発でできるわけないんです。やっぱり回数重ねるしかないんです。

だって国試の勉強だって病見え読んだだけで受かる奴なんていないでしょ?過去問を繰り返し解いて初めて点が取れるようになりますよね。

なので失敗しても

失敗してもうたわ〜。また次頑張ろ。

これでいいんです😊
もちろん患者さんに申し訳ない感情は必要ですが、それで萎縮してしまうくらいなら堂々としてた方が遥かにマシです。

あと、2年目になるとなんだかんだできるようになってます。笑
ぼくはいま1ミリも緊張せずに患者さんを診察室に呼び込めるし、なんの躊躇もなしに電話を掛けられます。

1年目研修医に1番必要なこと

それは

引きずらないメンタル

だとぼくは思っています。

失敗の反省はするだけしてあとは堂々としているというのが、自分のメンタル的にも周りの見え方的にも1番いいです。

仮に上級医に怒られても

お前も1年目のときできてなかったやろ

って思っとけばいいんです。(もちろん口にしたらダメです笑)

研修医1年目の皆さんは、まずは萎縮してモジモジしない、堂々とすることを目標に頑張りましょう!

口で言うのは簡単やけどそんなふうに思えるかい!

って言う人も多いと思います。
そんなあなたにはこの本がオススメです。これマジでいいですよ。

このnoteでは初期研修医のぼくが仕事で感じた医療のこと、生活のこと、医療情報、研修医お役立ち情報などを発信していきます。

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