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【政治系小説第5話】ニッポ党の陰謀
この作品はフィクションです
【前回のあらすじ】
ライブ配信後、ヒカリとコウヨウは突如として迫る危機の予兆に気づく。イマダの名が呼ばれ、かつての仲間や敵対勢力、そしてネットを駆使する謎の存在たちが動き出す中、二人は予期せぬ運命の渦に巻き込まれていく。カオスなベアーの奔放な言葉と、桃田や梨元といったかつての因縁、そしてイマダがもたらす変革の兆しが、ヒカリたちを未知の戦いへと導く――
果たして、ヒカリは己の信念と声で混沌を打ち砕けるのか?新たな仲間と裏切り者が交錯する中、真実を求める激動のドラマが今、幕を上げる。
一方その頃
桃田と梨元は、薄暗い会議室の一角で互いに顔を見合わせながら、重い空気の中で命令の内容を再確認していた。部屋に漂う緊張感は、国家を揺るがすほどの事態に発展することを予感させる。彼らの目の前には、キタチュウロ人民社会主義共和国大統領側近からの指示書が置かれている。そこには、鮮明な文字で「そのまま我が国を非難しながら日本政府を撹乱せよ!我が国に有利になる様に」と命じる一文と、「邪魔な裏切り者を抹殺せよ」という苛烈な命令が記されていた。
桃田は硬い表情で頷くと、梨元とともに静かに覚悟を決めた。彼らにとって、裏切り者として名高いヒカリは、もはや排除すべき存在となっていた。そして次の命令は、かつて共に戦った同志でありながら、今や敵視すべき人物への痛烈な合図であった。「イマダに『ヒカリを抹殺せよ』と命じろ」という命令文を前に、二人は息を合わせるかのように作戦の手順を確認した。
その頃、国会議事堂や政治の最前線では、別の動きが静かに火種を散らしていた。ニッポ党の超有名インフルエンサー、通称「怒りのアネキ」と「激辛ヤキソバ」のコンビは、ネット上で大衆を煽動するための煽り文句を準備中であった。彼女たちは、ニッポ党のボニー&クライドと呼ばれ、既にその発信力は国内で評判となっていた。二人は、ライブ配信やSNSを駆使し、「日本がキタチュウロに媚を売っている!国を売り渡している!」と叫び、政府に対する厳しい批判とともに、現政権打倒を叫ぶキャッチフレーズを投げかけた。国民の怒りを糧に、現体制への疑念を煽るその言葉は、瞬く間に拡散され、混乱の種をまき散らしていった。
しかし、この陰謀の全貌を知っていたのは、桃田 梨元 ヒカリだけだった。二人は、秘められた情報により、桃田と梨元が某国の裏工作に利用されている事実に気づいていたのだ。ヒカリは、かつての純粋な信念と声で民衆を鼓舞していたが、今やその力が裏切り者たちを排除するための脅威と化していた。一方、イマダはニッポ党内部での権力闘争に目を光らせ、党首の座を手中に収めるため、あえてこの混乱を利用しようとしていた。
イマダは、桃田からの連絡を受けたものの、驚くべき決断を下す。ヒカリの動向を追っていた彼は、彼女が何とか逃れた事実を、桃田や梨元には一切報告しなかった。イマダにとって、ヒカリの存在は複雑な意味を持っていた。彼女を排除する命令にもかかわらず、内心では彼女の説得力と民衆を奮い立たせる力に利用価値を見出していた。
自らの権力野心を隠しつつ、イマダは次なる策を練り、「ヒカリ発見!」の報告にも「わかった そのままヒカリを監視して下さい」と伝えるだけで 特に大きな動きは見せなかった。
「ヒカリを利用して私がニッポ党のトップになる」と固く決意した。
政府内部では、ニッポ党の支持者たちに向けたデマ情報が、桃田と梨元によって巧妙に拡散され始めた。「日本政府は裏でキタチュウロに操られている!裏切り者がすでに実権を握ろうとしている!」という扇動的なメッセージは、ネット上の炎上を呼び、瞬く間に拡散していった。群衆の中で、怒りのアネキと激辛ヤキソバの熱狂的なパフォーマンスが、まるで鼓動のように人々の心に響き、国家の根底に潜む不信感をさらに煽る結果となった。
一方で、難を逃れたヒカリは コウヨウと途中で別れ 何とか帰宅する事ができた。
ポストの中には罵詈雑言が書き殴られた紙がいくつもねじ込まれており‥‥
「もう家も安全とは言えないな‥‥」
「ニッポ党がキタチュウロの手先なんて話 誰も信じてくれないだろうな‥‥」 と呟き
不安を胸にヒカリは眠りについた
そして、その夜、街角に漂う不穏な空気の中、命運は交錯し始める。桃田・梨元、イマダ、怒りのアネキ 激辛ヤキソバ そしてヒカリ コウヨウ カオスなベアー 彼らの思惑が絡み合い、国の未来を左右する大きな転換点が、静かに幕を開けようとしていた。裏で操る者たちの陰謀と、真実を国民に伝えようとする者 権力を握ろうとする者 それぞれの思いが、この国を駆け巡る
その頃、カオスなベアーはある人物と連絡を取っていた。
「大坪さーん そろそろ動いた方がいいっすよ!」
「ベアーさん イマダさんは来ましたか?」
「いや、来ないですね!来たら再生回数稼げたのに‥‥」
「なるほど‥‥ベアーさん イマダさんは来ないでしょう。」
「ベアーさん、私の考えですが イマダさんは‥‥」
「大坪さん‥‥それが本当ならマジ面白いっす!明日会社のボイラー室で、情報まとめてみます!あ、コーヒー飲みます!」と息巻いた。
すると後ろから、「てめーカオスなベアーだな?」
「アンタそんな目立つ格好で何してんの?バカじゃないの?」
そこにはニッポ党のボニー&クライドと異名をとる「怒りのアネキ」と「激辛ヤキソバ」が立っていた。
続く はず。