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うそをはく(106)
ワッフルが刷新されたので、サウンドロゴを作ることになった。泥団子に塗れたマシーンに乗って南に向かうと、降り立ったそこは、スツールの工場だった。
放課後の公園で元気よく跳ねるスツールの蹄の音は、テカテカしていて光をよく反射する。大根役者が声を張り上げると観客は驚きスツールを飛ばして公園から逃げ出してしまう。捕まえようにも観客の嘴は鋭く金網すらも即座に引き裂いてしまうほどだ。
瓶で個包装されたスツールの座り心地は良く、小柄な女性でも上がりやすく大柄な男性でも足が詰まらないちょうどよい高さだ。柔道家を目指していた大根役者は、蟹の爪を貪りながらターンテーブルを止めるタイミングをうかがっている。
現在のレコード保持者は9.21秒でワッフルを焼き上げる。臙脂色のタスキがトレードマークで、サウンドロゴと一緒に申請中だ。
乗ってきたマシーンはスツールに座り込んで考え込んでしまった。泥団子が肌に合わなかったのだろう。マシーンの前には門が立ちはだかっている。
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