感謝を伝えさせてください。そしてみんなでJ1へ行きたい
2024年も気がつけば12月につま先がかかっていた。どんな上着を着ればよいのか迷うほど暖かな日もまだある冬の東京。
今日は五反田にある南米の食材を扱うマーケットに南米の肉厚ソーセージを買いに行く。
モンテディオ山形のスタジアムグルメ、ブルーキッチンにも4度出店させていただいたアルゼンチンのホットドッグ「チョリバン」を週末に店で出すためだ。その道中今山手線の車内にいる。
普段、店に必要な物を買いに行くとダウンタウンに来てくれている沢山のお客様の顔が浮かぶ
昨日遊びに来てくれた人、
今日来そうな人、
しばらく会えていない人、
それは酒屋に買い物に行ってもそうだったりして
チンザノというイタリアの薬草から作られたリキュールが目につくと、あの人は最近来ていないからそろそろ来る頃だろうか…とか、
指定の麦焼酎を呑むお客さんは今日も来るだろうか…などと酒瓶自体が顔に見えてきたりする。
瓶ビールの棚に大量に並ぶ瓶が目に入れば、私が応援しているサッカークラブ『モンテディオ山形』のサポーター仲間の顔が瓶の王冠の上に浮かび上がりチャントを歌いはじめる。
渋谷駅から徒歩10分以内道玄坂を少し上がると小さな酒場ダウンタウンがあり、この店を母から譲り受け3、4年が経った。
継いで間もない頃はコロナ禍ということもあり、誰も来ない日も珍しくはなく明日は想像できても明後日この店があるかすら不安だった。
どうしたらこの店を存続できるか…そんな事を考えるようになっていた自分。
若い頃に店は絶対に継がないと宣言していた自分が恥ずかしそうにこちらを見つめているような気がする。
母親の年齢と共に常連のお客様も高齢になり、30代、40代の時に駆けずり回って働いたお客様は郊外に引越しマイペースな生活を始めていたり、そのためいつしか常連さんは減り、また1から…いや0からこの店を立て直さなければならなかった。そんな時自分が青春時代を費やした大切な宝物をどこかにほったらかしにしている気がして取りに行かなければならないと思い出した。
サッカー…モンテディオ山形…
あの日置きっぱなしにしたままのサッカーボールはまだどこかに転がってるはずだと。
どうせやるなら好きな物に囲まれて店を続けたい。そう思いインターネットの検索サイトに
【モンテディオ山形 東京 飲食店】と検索してみてもほとんどヒットがなく『モンテディオ山形サポーターが集まる店』これはいけるかもしれないと思った。
そこから先ずSNSで発信する事をはじめ、週末はパブリックビューイングとは聞こえが良いが店で試合を流す事にした。
初めのうちは4人、5人のお客が顔出してくれるようになりアドバイスをいただいたり、自分の知らないモンテディオ山形の今や歴史を教えてくれる。自分が在籍した頃とは全くちがう活気と集客力がクラブにはあり、より今のモンテディオ山形に魅力を感じだした。
今でも自分がサポーターなどと名乗っていいのか分からないが、自分がクラブに何かできる事はないかと日々考えているほどになった。
それは時に直接的な事ではなくとも、渋谷のこの店からできる事が必ずあると思っている。
石の上にも三年とはよく言ったもので今では毎週20人以上のサポーターが試合の度にダウンタウンの扉を開けてくれる。
毎回カラになる冷蔵庫の中のビール、試合後のたくさんの空瓶もまたサポーターの顔に見えてくる。
石丸監督時代からクラモフスキーさんを経て今の渡邉晋監督と選手だけでなくスタッフも入れ替わるプロの厳しい世界。
サポーターにも様々な人生があり、この短い数年の中でも東京での仕事を切り替え山形に帰ると報告に来てくれた仲間、また山形から東京に就職すると遊びに来てくれる新たなサポーターがいる。それぞれの場所からそれぞれの楽しみ方でモンテディオ山形を応援している事が素晴らしい。
山形だけが山形ではないと思える。
今では店で出会った者同志が一緒にゴール裏で飛び跳ね、サポーターの皆様にダウンタウンが存在することを感謝までされる。
感謝を言いたいのは自分の方だ
思いのほか長い文章になってしまったが
この場をかりて皆様に感謝を伝えたかった
「いつも本当にありがとうございます」
心の中で呟くと多くのサポーターの顔が浮かびます。それが幸せです。本当にありがとう。
今のモンテディオ山形の状況、戦力、このサポーターの熱量なら必ずJ1昇格を成し遂げられると思ってます。
私もサッカーを長年やってきた過去があるので勝ち上がるチームの雰囲気、それを取り巻く人たちの作る力を経験してます。
これは上へJ1へ行く状態だと声を大にして言いたい。
シナリオのない世界で、どんな状況でも前向きに、今出会った仲間と、まだお会いできていないサポーターの皆様と共に山形一丸で勝ち上がりたい。
先ずプレーオフ準決勝勝ち上がりましょう、
私は関東から、渋谷ダウンタウンからクラブに追い風を吹かせて後押しします。
