アイドル地獄
事故なのか病気なのか、どうやら私は突然倒れてしまったようである。何もない暗闇にいると、どこかからか女がやって来た。
「あなたはもうじき死にます」
女は言った。
「何を言うんですか!大体あなたは誰なんだ!そしてここはどこなんだ!」
死ぬだなんて冗談じゃない。私にはまだやりたい事が山ほどあるのに。
「ここはもうじき死ぬ人が訪れるこの世とあの世の狭間の空間です。あなたは今までたくさん悪いことをしてきました。地獄に落ちるでしょう」
「地獄だって!?人を殺したわけでもないのに?冗談じゃない。そんな所に落ちてたまるか」
そして段々と私は意識を失っていった。
気が付くと、私はライブ会場にいた。
会場内にはオタク達がひしめき合っており、暑苦しくて仕方が無かった。
突然ステージ上にスポットライトがあたると、オタク達は一斉に熱狂した。
「タイガー!ファイバー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー!」
イントロが流れ、コールが飛び交う。
そして登場したのは、バニーガール姿の私の祖父であった。
地獄だった。