論文抄読のまとめ方
研究をする前に必ずしなければならない情報収集として論文抄読があります。では、論文抄読の目的とはなんでしょう。せっかく読んだ論文でも自分で消化できない、目的を持って読まないとただ読んでいるだけ。発表がある場合、人に伝わらなければ良いディスカッションはできなくなります。
今日は論文抄読の目的を考えます。
まず、よく聞いてもわからないなー、興味がそそられない内容だなー、とゼミなどで思うことはあるのではないでしょうか。まず、読んだ論文のプレゼンの方法が上手でないとそうなります。
抄読をするサイドは、論文抄読の目的は人に伝えるトレーニングにもなります。まず、抄読した論文内容を人にしっかりと伝えること、これが一つ目の目的ではないでしょうか。
そのためには要点を抑える必要があります。この要点を抑えることが2つ目の目的となり、研究デザイン構築のトレーニングとなります。
具体的には、仮説、目的、結果、結論を抑えることです
仮説:これはイントロの最後から2番目のパラグラフ、または最後のパラグラフに書いています。仮説は背景のまとめであり、この人がこれまでの背景からどのように思っているのか、何を考えているのかを読み取る重要なポイントです。まずはこれを見つけることが重要な1歩と考えます。
目的:キーワードはAim, objective, Purpose でしょう。必ず最後のパラグラフに書いているはずです。ここで、仮説と目的が一致しているか確認していきます。
結果:目的にそった結果であるかを精査していきます。図を中心にその図が何を示しているのかを確認します。図の中には、目的となるメインデータと目的を達成するための条件を決定するサブデータが存在します。図が何を示しているのか、結果を解釈していきます。
結論:結果のメインデータから結論が言えるのかをチェックします。
この4つの柱を伝えるだけで、この論文が何を言いたいのかがわかるはずです。図の量によりますが、10分でまとめ、伝えられるトレーニングが重要です。考察や背景を長々しく読んでも、聞いている方は何を言いたいかわかりません。メリハリをつけた論文抄読と伝えるトレーニングが重要です
他の目的は論文を書くためのロジック形成などが3つ目の目的でしょうか。これも上述した要点を抑えることができれば自然にできてきます。
ただ読めばいいという論文抄読はやめていきましょう!聞いている方が時間の無駄になってしまいます