脳死書き流し

 転んだ先の小さな溝から覗いた先の小さな庭には花が飾られていて、誰かが世話をしているようである。摘まれゆく花の下には摘まれた花が散らばっていて、束ねられる宛もないままにひらひらと舞い、向かいの軒先の格子の中の摘まれぬ花のその種に身から溢れでて糞と混じってぶち撒けられた花弁を見せつけている。

 花よ糞よと呼ぶ声に反りて見れば忘れじの
 人の声とはあらねども思い出だすは土塊に
 還るときこそ苦しけれ
 明日の花瓣の行先は風を辿りて見えぬもの
 帰ることすら無かりせば別れた畦をいざ来ぬと
 返す言葉の虚しけれ
 行くだけ無駄だよこの道は
 卵が孵ることはなく
 光が差し込むこともない
 ジメった糞の洞窟さ

 洞をひっくり返した南の方に見える大陸を目指して旅に出た一行は花の街に辿り着いたが、話しかけても花粉でできた住人は返事をしながら風に乗って消えていくので何を言っているのか全く分からず宿を見つけることもできない。なんとか入った建物は見渡すばかりの糞まみれ。怒った勇者はすぐさま灯台を建てて糞で固めたランプを灯し、それ以来、誰もこの街には近づかなくなったという。
 糞の灯台守が言うことには、あるとき風に乗って飛んでいった花瓣が灯台の前を横切ったときちょうど光を遮って大きな影を縮れた雲の隙間に映し出し花の街の全景を象ったのを見たそうだ。しかし、花粉でできた花の町を見たことがある人間は誰もいないし、花の町には花瓣などない。

 今日は花と糞が交わりそうにない。
 鼻くそから2ワードが出てきてるとしたら最悪

 散らばった花瓣の端の滲みは、広がるままに海すら飲み込んでみたものの出来上がった景色は前と大して変わらず、ただ、ところどころ凝って白いような黄色いような新しい彩りを足した。その部分を砕いてみると、それは風に乗って飛んでいき遠くの山の頂に咲く花の花瓣の端の方にくっついてなかなかとれないようだ。

 くるくると繰ることなしに来るままに
 ママまた正に勝る股のマラの禍々し
 
 飽きた

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