「終わり良ければ全てよし」?

大叔母様がなくなられた。82歳だった。

大きなお庭付きの豪邸に犬と猫と暮らしていて、幼少の頃から親戚が集まるのは、大叔母様の家だった。
遊びに行くと、いつも、美味しいお菓子がたんまり出てきて、お寿司や高級鍋等が準備されていた。
よく笑う人で、今思い出しても、満面の笑みしか出てこない。

ずっと独身だったが、70歳過ぎで結婚した。
相手は再婚だったよう。幼なじみで同窓会で再会し、意気投合したのだという。
周りが見えなくなる程、惹かれていた。

3~4年前に圧迫骨折をし、入院してから、一気に衰弱していった。
体が思うように動かなくなって、生きる気力も失っていったようだった。

大豪邸も売り払い(その後戸建て分譲が4戸も建ったそう)、平安神宮の近くの高級マンションに夫婦で移り住んだ。
私の前では一切口に出さなかったが、高齢結婚だった為、相手のお子さんとの関係とか、気を使うことも多かったのだろうと想像する。

結局亡くなる1年前に、義子が住む高石市の老人施設に預けられ、そこで体調を崩し、病院で入院中に亡くなった。
コロナ禍で面会もできず、誰にも看取られず、だった。
あんなに人懐っこくて、実は寂しがり屋の大叔母様の最期が不憫に思えた。
こんなことを思うなんて、失礼とは承知の上で。

月並みな言葉しか出てこないのがもどかしいけれど、命の儚さを感じた。

そして自分自身の人生を重ねてしまわずにはいられない。
どんな人生を生きたいのか。
家族がほしいのか、子供を産みたいのか、パートナーがほしいのか、。
会社員として働くのか、何を生き甲斐とするのか。

毎日生きるのに必死で、目の前の生活に気をとられているけれど、
色んな巡り合わせがあるし、自分の意思だけではどうしようもないこともたくさんあるけれど、
自分で決めた道を歩みたいし、誰のせいにもしたくない。






そういえば、大叔母様は熱心に宗教活動にも勤しんでいた。
彼女の魂が救われていることを祈るばかりである。

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