Nana Kazumi Live Report(4.21 at SUNSET BLUE)
この日のライブレポートに敢えてサブタイトルを付けるとすれば、
~カズミナナ、アーティストとしての" 優しさ " と " 狂気 "の2面性~
深夜2時のテンションで書いています。大尊敬するアーティスト様に対して相応しくない表現…。明日になったら書き換えるかもしれません。読者さん(&もしかしたらご本人)に最後まで読んでもらえて「ああ、そういうことが言いたいのね」って思ってもらえることに期待して…続けます。
ライブ前日にアクシデント(お怪我)に見舞われたというBadニュースが飛び込んできました。リスナーは気が気ではありません。早めに会場に着いた方から「いつもより元気はなさそうだが、何とか大丈夫そう」との情報もらって、少し安心したり。
この日はトリとはいえ…リスナーさんと顔を合わせるタイミングからして、普段イベントスケジュールを完璧にこなすカズミナナさんにしては、かなり遅めの会場入りだったのか?と心配になりましたが…
後日談によって、いつも通りのオンタイムで完璧に準備をされていたことが分かりました。ライブハウスでリハーサルを終えた後、近くのスタジオに移動してさらに練習をしていたとのことです。(お怪我を負ったこの状況で!)
開場時には準備等は終わっており、リスナーさんの会場入りの際に顔を合わせた、ということでした。真のプロフェッショナルであるカズミナナさんにとって、これが当たり前のことなのでしょう。何という…言葉が続きません…。(2023/4/23 3:50 追記)
シロウトである僕には、本当に演奏できる状態だったのか、分かりません。分かりようもありません。ただ…個人的な都合でライブに穴を空けることなど決して無いアーティスト様ということだけは知っています。リスナー歴の浅い僕ですら、そんな場面などいくらでも観てきています。
全身を酷使した、まさに命がけといっても過言ではないライブ、セットリストを辿ります。
M1-Numbers
YouTubeにアップされているナンバーですが、ギター伴奏のテンポに微妙な変化がつけられ、ライブテイクとして とても楽しめました。これはライブでしか味わえない醍醐味です。
また、恐らくYouTube動画には無い表現、メロディーとメロディーの間を繋ぐ、2拍くらいの休符がとても印象的でした。
ベストコンデションではない中で、息を整えるための休符だったのか、楽曲のニュアンスとして必要な休符だったのか、僕には分かりません。(恐らくは後者だと思いますが)
その絶妙な " 間 " にハッとさせられたと同時に、かすかに漏れる呼吸に、この日のライブへの並々ならぬ意気込みを感じました。
後半にかけてのロングトーンのパートは、この曲の魅せ場といってはなんですが…ひそかに号泣してるお客さんもいた様です。
M2-もしこの胸が無かったら
たたみ掛けるように力強い曲が続きます。お怪我というハンデはもはや感じません。いつもにも増して声がしっかり出ていて、楽曲の輪郭をより際立たせている様です。会場全体がカズミナナワールドに包まれました。
M3-まる
歌詞の中の
線 と まる の対比がとても印象に残ります。
曲作りにおいては、一つの言葉を使うにも 言葉の持つ意味だけでなく、母音と子音の組み合わせによって得られる音の響きを考え、納得がいくまで色んな言葉を探求して、制作していると
以前 某ラジオ番組で仰っていました。
この まる に限らず、カズミナナさんの全ての楽曲は、ご本人は永く歌い続け、音楽作品としても後世に残るでしょう。
言葉のチョイスひとつを取っても 大切な大切な…分身のような作品を世の中に送り出す、音楽家としての責任感、使命感のようなものを感じます。
まる は、比較的新しい作品の中で、僕のお気に入りの一曲です。
アーティスト活動や日々の暮らしの中でのもどかしさを曲にされたのかなぁと想像しますが、歌詞の一節に 僕にとって とても嬉しい 共感するフレーズがあります。
例えば…大切な人が近くに居ない夜…今頃何をしているかなぁ と気になるし、不安にもなるし 出来ることなら連絡を取りたい、声を聴きたいけど、
それをせずに、相手のことを信頼して、想いを馳せながら一人で過ごすのも悪くないですよね。ようやく最近、そんな時間を過ごすのも好き と思えるようになりました。
(歌詞はYouTubeにあげてくれています。是非ご覧ください)
ここまでの3曲、最近の3部作といってもよいのでしょうか。やっぱりリンクしている様に思えます。アーティストとして進化し続けているカズミナナさんの "今" を知ることができる、入口ともいえる3曲なのでは。
入口にしては いきなり奥深いですが…ぜひ扉を開けてみてください!すぐそこにカズミナナさんが手招きして待っていますよ!
Welcome to the Nana Kazumi Live Show !!
M4-レモネード
1stアルバムより。ご自身の音楽に磨きをかけ、世に出る作品の傾向も変化、進化しているカズミナナさんですが、一方では ずっと持ち続けている変わらない思い、音楽で表現し続けるうえでの原動力があるように思います。ライブで過去のナンバーを聴くたびそれを感じることができます。
でもそこはカズミナナさんのライブ!スキャットを取り入れたり原曲とはまた違う雰囲気を味わうことができました。
M5-Reality
スミマセン、、ご存じの方ご指摘ください。
個人的にはこの日のハイライトです!なのに曲を知らないなんて!
(後日のライブでも演奏され、曲名が分かりました。
2023.4.30 追記)
ある新規の音楽リスナーさんが、カズミナナさんは歌声が素晴らしく魅力的で、英語の歌詞がとっても似合う!と仰っていましたが、僕も全く同感です。一音一音確かめるようなイントロに始まり、洋楽っぽい雰囲気が掛け値なしにカッコイイ!たぶん転調もあったはず!この辺からもう記憶があやしい!またライブで聴けることを切に願います!
M6-(タイトル不明/keyword:Smile)
アンコール-(タイトル不明/keyword:Love)
後半にかけてより大きなテーマの曲を唄ってくださいました。
この日のセットリストは、アーティストの内面のフォーカスに始まり、そこから俯瞰して、争いごとや差別など、社会に横たわり依然として無くならないトピック、そして普遍的なテーマを表現するストーリーであった様に思います。(あくまでいちリスナーの感想です)
ライブMCは、その日の会場や配信で観たお客さんとの貴重な交流なので、ここで公開するのは善くないと思われ、内容のほんのさわりだけ…
人ってあまりの痛みや精神的にも辛いことがあると、辛さを通り越して、逆に笑えてきたりしませんか?今回カズミナナさんは、ライブ前日のアクシデント、その後のリカバリーの大変さから、まさにそんな極限状態を経てこの場に立っておられました。(お怪我をされた経緯など、お話ししてくださいましたが、ここでは控えます。)
ただ…もの凄く冷たい言い方になりますが、ブッキングライブで色んな音楽を聴くのを楽しみにして来たお客さんにとっては、関係のないことだったりしますよね。
リスナー側の勝手な想像ですが、それはアーティスト様にも当てはまり…
冒頭のサブタイトルに掛かる、読者さんに伝えたかった部分ですが…
耐えられないほどの痛み、リカバリーの時間もない、思い通りに行かないもどかしさ、それら全部を受け入れて、そして笑顔で!
ひとたびステージに立てば、 最高のパフォーマンスを届けることだけに集中して神経を研ぎ澄まし、やすやすと自身をかばうリミッターを外してしまう。心身の限界を超えてしまう。
この日、僕の目の前に居るのはそんなアーティストである様な気がしていました。
アドレナリンが出て、とかドーパミンとか脳内ホルモンがどうとか…僕は分かりません。
ただ、この日のカズミナナさんは、無茶だと分かっていて、お客さん、SUNSET BLUEのスタッフさん、共演者さん、そして最愛の音楽に対して、痛みを切り離して(あるいは自発的にコントロールして)、その身を捧げてくれていた様に思えてなりません。
…
…
終演後は、いつもなら大切な機材をいち早く片付けるカズミナナさんですが、さすがにこの日ばかりは、しばらくステージからも降りられず、椅子に腰かけ、へたり込んでいる時間がありました。
でもその表情にはSmileが浮かんでいました。パフォーマンス中は抑え込んでいた、笑えるほどの激しい痛みが再び襲ってきたのかもしれませんし
逆境の中で、全てを出し切った満足感のスマイルたったのかもしれません…
リスナーである僕も はじめはコンディションがどうなのか気が気でなかったのですが、
そんなことなど微塵も感じさせない、凄まじいパフォーマンスを目の当たりにして、いつしか純粋に音楽にのめり込んでいました。
不安な気持ちから一気にピークに、気持ちが大きく揺さぶられ、終わってからも暫くその場を動けませんでした。僕の周りにはそんなカズミナナさんの音楽にノックアウトされた、シカバネがゴロゴロしていた様に思えます(笑)
最後にライブ後のカズミナナさんのTwitterコメントを抜粋させていただきます。
皆さんが本当に 優しくて 温かくて
とても救われました…大感謝
これが身を賭して音楽を届け、言ってみれば僕らを救ってくれた音楽家のコメントです…
そんなカズミナナさんの Next Live Showは4.28 鑪ら場です。