ソーシャルビジネスとは 〜インド研修を経て〜
こんにちは!武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)です。
今回は3年生の鈴木瑠花がお届けします!
はじめに
こんにちは!3年生の鈴木瑠花です。
私は現在、「わんこが愛されている家族の元で一生を終える世界」を創るために、Otetoteという団体を立ち上げ、まずはペットサプライチェーンを変えたいと考えています。
HP:https://s2240018.wixsite.com/otetote
その活動と社会起業家への目標から、経済産業省・JETRO主催の学生社会起業家創出プログラム「ゼロイチ」に採択していただき、約7ヶ月間のプログラムに参加しております!(https://www.jetro.go.jp/events/ivd/fe8f6f6973b006de.html)
そのプログラムの1つとしてインドのデリー&バンガロールへの海外研修が9/14〜9/22に行われました。ここでは、
① 経済成長が著しいインドの社会課題と自身のビジネスプランのアップデート
②社会起業とインパクト創出の最先端を学ぶ
③インドの社会起業家とのネットワーク構築
の3つが研修目的として置かれています。実際に1日に3人以上の社会起業家の元を訪れ、お話を聞いたり、見学をさせていただいたのに加え、私が考えている事業についてもご相談をさせていただきました。
今回のnoteでは、インドでの学びを共有できたらと思います。
人々のアタリマエが社会を良くするものに
今回の研修で特に感じたのは、
ソーシャルビジネスは「社会的価値を高めるために、人々のアタリマエを次のステージへと変えていく必要がある」ということでした。
そもそもビジネスは、ユーザーが使いたいと思うサービスを生み出さなければいけません。それはユーザーの「不」を解決するものであったり、「あったらいいな」を叶えるものだったり。
そのためには代替手段として存在している今のアタリマエを変えなければいけない、つまり消費者行動を変える必要があります。
消費者が行動を変えるのはどんな時か。彼らが行動を変えざるを得ない状況を作り出すために、どのようなアプローチが必要か。協力者は本当に必要なのか。
今まではその消費者行動を変える部分を想像することができませんでしたが、インドでサプライチェーンを変えた企業さんや、今までインドになかったものを導入した企業さんのお話を聞くことで、日本人の国民性を考えながらしっかりと消費者行動の変化のカギを握ることが大事だと強く感じました。
その中でも特に、ソーシャルビジネスはユーザーが使いたいサービスを生み出しながら、それが社会的価値のあるものに、社会課題を解決するものにしなければなりません。特にインドに行って感じたことは目先の社会課題を解決するようでは本当のソーシャルビジネスとは言えないということ。
目先の雇用形態が社会的価値のある、社会貢献をしているようなものでも、その奥にいる人々の労働環境が整っていなかったり、環境を汚染していたりするようでは本当のソーシャルビジネスにはならないと、お会いした起業家さんのお話を聞いて実感しました。特に発展が急激に進んだインドでは自国内での貧富の差が大きく、奥にいる人々の存在や環境が見えるからこそ気づけたことだと思います。
一方で、日本ではその商品の生産者や、流通過程を想像することは難しく、常に意識するのが難しい部分は正直あると思います。私が解決したいペットのサプライチェーンも同じで、ユーザーである飼い主さんから見えないところで奪われている命があります。だからこそ、人々のアタリマエを変えることを私はしたいのだと改めて気づくきっかけになりました。
なぜ続けられるのか
今回の研修を通して、マインド面で一番変化があったと思うことは「楽しくなくても続けられる」ということです。今まで自分が続けられていたことを振り返ると、それは「楽しい」や「ワクワク」の感情があったからでした。「儲かるから」「いいと思ったことを広められるから」などという理由もあると思います。ただそれらが自分の中ではしっくりきておらず、実際に活動を進めていくと楽しいと思えなくなっていることが続いていました。
なんでこの活動を続けているのか。
これからも続けていきたいと思えているのか。
そんなもやもやがインド渡航前にあり、私はインド渡航での目標を「自分のやっているコトを心から楽しいと思えている状態になること」と掲げていました。
しかしDay1、Day2と時間が過ぎていく中でなかなかその目標は達成できず、合宿参加前からペット業界の先輩方に言われてきた
一生をかけてその課題に向き合えるのか?
ましてや一生をかけても解決しないかもしれないその課題にずっと向き合えるのか?
やり切る覚悟があるのか?
という言葉だけが心に残り、苦しい時間が多かったです。
そんな時に1人の社会起業家の方に、
別に自分も楽しいとは思わない。憂鬱で葛藤している時間の方が圧倒的に長い。それでも、憂鬱で葛藤してる分、事業は進んでいるってことだと思う。
というお言葉をいただき、必ずしも「楽しい・ワクワクしているから続けられる」わけではないと実感しました。
ソーシャルビジネスは経済的利益でインパクトを測らないからこそ、事業が進んでいるのか、Visionに近づいているのかがインパクトの大小になり、それを正確に測ることは今の自分でさえ難しいと痛感しています。また、大きな企業であればあるほどその葛藤は強く感じていると思います。
だからこそやり切る覚悟が必要であり、経済的利益が大きくてもVisionに近づいていなければピボットする。それが日本よりも外部環境が整っていないインドだからこそ、肌で感じることのできた社会起業家のリアルだったと思います。
もう一度自分が今まで続けられた理由、関わっていたいと思えている理由を見つめ直し、自分なりに活動を続ける理由を見つけること、社会起業家のゼロイチを肌で感じることができたのは大きな収穫でした。
これから
他にも足を運んでみて気付く、インドという国自体の市場の大きさ、地域ごとの文化の違いを体感し、経済格差や貧富の差から起こる社会課題も学生の間に目にすることができてよかったです。必ずしもグローバルに生きることが正義ではなく、自国の社会課題を解決しようとするその姿勢を褒めてくれる方もいらっしゃいました。
外部環境的に刺激を受け続け、内省のための1人の時間がありながらも、仲間と学びをすぐに共有できるインドでの海外研修だったからこそ得ることができた3つの学びだったと思います。この経験をどう活かすかは自分次第ですが、社会起業とは何かを深く考え、自分自身と事業に向き合えたことは大きな成果です。これからのOtetoteの事業に活かしていきたいと思います!
Otetoteの活動は、各種SNSからご確認いただけます。
応援のほど、よろしくお願いいたします!
Instagram:https://www.instagram.com/otetote.jp/
note:https://note.com/otetote_ruka