EMS生、QWSチャレンジに挑戦!
みなさん、はじめまして! 失敗談買取サービス「MESS UP」リーダーで、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部3年生の丸山智則です!
今回は、私たちのプロジェクト「MESS UP」がQWSチャレンジでどのように活動してきたのか。そして、そこから何を学んだのかについて、拙い文章ですが執筆させていただきます!
そもそも、失敗談買取サービス「MESS UP」がなぜ生まれて、どうしてQWSチャレンジにエントリーしているのかは、下記の記事をご覧ください!
ちなみに、正直に言うと、この3ヶ月間私たちは失敗しました!
具体的に何を失敗したのかは詳しく記載していきますので、ぜひご覧ください(笑)
1. 失敗談買取サービス『MESS UP』ってなに?
そもそも、失敗談買取サービス『MESS UP』というものに疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか?
当初のサービス内容としては以下のような形を考えていました。
この図を説明すると、専用の投稿サイト『mess up』に自分の失敗談を投稿すると、報酬として小銭がもらえる。投稿者は自分の失敗を告白することで、共感や励ましのコメントがもらえて、一人で抱えていた失敗が供養されたような感覚になる。
一方、閲覧者側も人の失敗談を見ることによって学びを得ることができる。
これまではネガティブなものとして見られていた「失敗」に新たな価値を築くプロダクトです。
なぜこれを考えたのかと言うと、とある知人が、「できることなら人生に波風を立てずに生きたい。」また、「今は親が生きているから生きているが、その条件がなくなったら、また、今は死ぬ苦痛が生きる苦痛よりも上回っているから生きているが、それがなかったら死にたい」ということを僕に話してくれました。
加えて、いわゆるZ世代と呼ばれる人々はとにかく挑戦を避け、波風を立てない環境を求めているように感じています。
しかし、考えてみてください。昔は誰もが大きな夢を持っていたのではないでしょうか?
野球選手になりたい、歌手になりたい、社長になりたい、などなど。しかし、中学、高校、大学、そして社会人になるにつれ、そういったことを口に出すことも目指すことも、後ろ指を刺され、バカにされ、潰される。
そんな環境の中で、いつしか失敗を避けるとともに、そこからまた這い上がることを諦める傾向が生まれてしまったのではないかと思います。つまり、人の未来を邪魔するのは、失敗や挫折を過剰に恐れるように洗脳させる環境にこそ原因があると考え、これを少しでも改善したいという思いから、このプロダクトを思いつきました。
2. QWSチャレンジって何?
続いてSHIBUYA QWS・QWSチャレンジとはどういったものなのかを簡単に説明させていただきます。
SHIBUYA QWSとは渋谷スクランブルスクエアの15階に位置し、「渋谷から世界へ問いかける可能性の交差点」をコンセプトとして、年齢・専門領域に関わらず新たな価値を生み出すことを目的としたインキュベーション施設です。
そして、ここでは3ヶ月に1回、「QWSチャレンジ」という形で、未知の価値に挑戦するプロジェクトを採択し、QWSの施設を活用しながら活動ができるというプログラムを行っています。
↓ QWSチャレンジについて ↓
3. 3ヶ月間の活動について
1. 『それ、趣味じゃん。ビジネスにならなくない?』
QWSチャレンジが始まった当初は、SNS型の共有アプリケーションの実現に向け、チームでビジネスモデルを模索したり、そもそもSNS型のテキストでの共有が、失敗を「おいしく」できる最適な方法なのかを模索したりと全体的な方向性を模索していました。
そのため、採択者の近藤さんはじめ色々な人にお話を聞く中で、QWS内のコモンズと呼ばれるQWSに関わるさまざまな分野のプロフェッショナルの方々に壁打ちをしていただく「スクランブルミーティング」という機会がありました。
全体的には、面白い着眼点ではあるという意見をいただきましたが、ただ実際にマネタイズをする、ビジネスに落とし込むという段階になるとサービス内容もそうですし、他の路線に変更したとしても厳しい部分があるのではないかというご意見をいただきました。
そして、最後のコモンズの方に自分たちの思いとサービス内容を告げた時、衝撃の一言をいただきました。
「それって、趣味じゃん。そもそも、ビジネスにならなくない?」
「あと、そもそも失敗の定義ってなんなの?」
この言葉をいただいた時、自分の中に落雷のような衝撃が走ったのを覚えています。
正直一瞬、ムッとしましたが、冷静に考えると仰っていることは全く間違っていないし、むしろ避けては通れない現実に向き合わせてくださり、もう一度腰を据えて自分たちの取り組みと向き合わなければいけないと感じました。
そして、チームで再度話し合いを重ねた中で、当初のサービスを一旦ストップすることを決めました。
2. とにかく「楽しくする」&たくさん「集めよう」
当初のサービスの実現を一旦止め、今後の取り組みについて話し合いをする中で、今の我々に何が足りないのかを話し合いました。
そのなかで、
そもそも集めた失敗データに活用する価値があるのか
失敗と向き合わせることを楽しくおいしくするだけでいいのか
失敗から次の一歩まで促す方がいいのではないか
失敗に固執しすぎなくてもいいのではないか …などなど
たくさんの課題や疑問点が生まれ、何を実現したいのか、何から手をつければいいのか非常に悩みました。
しかし、そこはEMC生というところで、ただ考えているよりもとにかく行動に移そうという結論になり、
とにかく失敗が楽しく、面白くなる最適なアウトプット法の模索
数をとにかく集め、ビックデータとして活用できないかを探る
という2つの焦点を絞り、再始動しました。
3. 失敗には〇〇な力があった!!
再始動から、最終的に4つの取り組みを行いました。
1つ目「ミスカルラジオ」
ミスカルラジオでは、集めた失敗の中から、一つを取り上げ、様々な視点からその失敗について考える、向き合ってみるという取り組みを行いました。
この活動では、あえて違う視点から向き合ってみる。視点をあえて飛躍させてみることを通して、失敗を面白く向き合うことができたと思います。
また、テキストではなく音声を通じて失敗をアウトプットすると何が起きるのかというところの検証も兼ねて行いました。
2つ目 CROSSTAGE『失敗七夕』
CROSSTAGEというのはQWSで3ヶ月に一度行われる実証実験の場であり、渋谷スクランブルスクエアの7階で、主にQWSチャレンジのプロジェクトたちが、2日間に渡って取り組みの説明をしたり、アンケートを取ったり、実際に体験してもらったりと普段なかなか会えない方々からのフィードバックをいただける。そんな機会となっています。
そこで私たちは、不特定多数の人から匿名でリアルに失敗をアウトプットするという検証のために、七夕のタイミングを生かして、失敗を短冊に書き、共有していただく「失敗七夕」という取り組みを行いました。
ここでは、多種多様な失敗が集まるとともに、他人の失敗談から自分の生活を振り返ったり、話が弾んだりと色々な側面をみることができましたし、2日間で計200を超える失敗を集めることができました。
3つ目 失敗ランチ会
失敗ランチ会では、同じくQWSチャレンジ15期生で、フードデリバリーを通して孤食の解消を目指す「ぼくデリ」さんと共催でイベントを開催し、「失敗」をトークテーマにみんなでランチを食べました。
ここでは、人と人との対話の際に「失敗」を掛け合わせるとどんな効果があるのかを検証することを目的にブログラムを作りました。トークテーマのカードを作成し、これを用いながら過去の失敗を赤裸々に話しつつ楽しくランチを食べる、そんな会になりました。
4つ目 失敗AWARD 2023夏
失敗AWARDでは、大勢の前で失敗談を話すというアウトプットの検証として、まず、失敗というものの定義や向き合い方について話し合ったのちに、みなさんのとっておきの失敗談を話し、優れた失敗を表彰するという発表会を行いました。
ここでは、失敗を面白さにフォーカスして話していただいたことで、嘲笑ではなく会場全体が心が温まる笑いと笑顔に溢れました。
以上4つ、様々な形式で「失敗」をアウトプットするという取り組みを行ってきました。
そのなかで、私たちは、一つの気づきを得ました。
それは、失敗には「人」と「人」の距離を急速に縮める力があるということです。
これは、特に3つ目の取り組みである失敗ランチ会で得た気づきなのですが、初対面の人が関係性を構築していく中で、自らのマイナスな部分や、弱い部分を共有することで、相手の人となりをより短期間で理解することができます。
当初の目標とは変わったものの、手を動かし、動き続けた結果、失敗の新たな価値を発見することができました。
4. 緊張の最終ピッチ
そして、3ヶ月の活動の集大成として、7月27日にQWSステージにてQWSチャレンジでの活動を踏まえ、ピッチを行いました。
このピッチでは、いくつか賞がありQWSでの活動延長や賞金などプロジェクトを拡大するためにも、自分たちの取り組みを多くの人に知ってもらうためにも貴重な機会となります。
正直、リハーサル含めて本番まで一度も納得のいくピッチが出来ず、不安もありましたが、本番は意外と落ち着き、自分の思いをしっかりと伝え切れる納得のいくものができました。
よろしければ、下記からぜひご覧ください(笑)
4. 3ヶ月間の学びと今後の取り組み
この3ヶ月間の学びは数えきれないほどありますが、特に大切な学びが2つあると感じています。
ひとつは、改めて現実は甘くないということを知ったことです。自分の中の夢物語を現実社会に落とし込もうとすると、改めて思い通りにいかないことを痛感しましたし、EMCの外に出ていろんな起業家の方々とお話をする中で、自分の非力さをまじまじと見せつけられました。
ただ、これはいつもの安心できるEMCという環境から一歩踏み出したからこそ理解できたことであり、今の自分に必要な経験だったと感じますし、それに気づかせていただけたことに、心から感謝しています。
そして、もうひとつは、とにかく行動すること。これが、全てを切り拓くために必要な大切な要素だということです。悩む時間がかなり多かった3ヶ月間でしたが、とにかく足を動かし手を動かし、とにかく行動を重ねました。
その結果、当初の目的とは異なる形ではありますが、それなりに成果を上げることができたのではないかとも思っています。
EMCで学んだ、とにかくやってみる。これは今後も意識して生きていこうと思います。
私たち「失敗談買取サービス『MESS UP』」は一旦チームとしての活動はお休みとなりますが、このQWSチャレンジの期間でお声がけいただき、北海道で子供たち向けの取り組みのお話をいただいたり、セブンイレブンジャパン様から興味を持っていただいたりと、今後も失敗の価値観をもっとポジティブにするための取り組みは続いていきます。
「失敗談買取サービス『MESS UP』」は、正直、私のエゴで趣味だとも言えると思います。しかし、この取り組みは今の日本に、そしてこれからの時代を生きていく人々にとって必要な物だと私は思います。
どれだけ遠回りをしても、どれだけ時間がかかっても、人生のひとつのテーマとして続けていきたいと思います。