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「なんでライブを主催するんですか?」

最近大学の関係で就活セミナーを受けた中でこういうやりとりがありました。

事の次第は「学生時代打ち込んだことのプレゼン」で自分がパーティを企画・主催していることや経緯をややボカして語った際、「それを自分の中で抑えられずに実行するに至ったのはすごいけれど、何があなたをそこまでさせたんですか?」と聞かれたという具合です。実際はもっと優しいやり取りでした。すいません。

で、ツイートに書いた通りその時は「いや~~~自分でも何故なのかよくわからないんですけれども」とか濁しつつ、同志を見つけたかったとか何かしら答えた記憶があります。でもその時は自分の中では釈然としない回答しか出ず、結局その言葉が脳内を巡ったまま帰宅したわけです。

今現在のイベントをやる理由を聞かれたら、それは胸を張って「広島でも好きなジャンルの音楽と体験を布教したいからです!」と答えることができるんだけれど、パーティをやり始めたそもそもの動機やきっかけをいざ訊かれると咄嗟には回答できない。共感したい?既存のパーティが不満?自己表現の一種?経験を得たい?いやどれも何か腑に落ちない。それなりに長考しつつ手札をシバくことになる。

というわけで長考フェーズを進めつつ、過去を振り返りつつ、考えを整理しつつ、来る面接の質問に備えるためにこの記事を書いております。とりあえずターン貰います。

広島にはハードコアテクノのパーティがなかった

私が主催しているパーティMegadecibelはハードコアテクノやハードサウンドを軸に据えて2016年7月にスタートしました。当時の広島近辺を取り巻くハードコアテクノ事情ですが、まず広島にはハードコアテクノを掲げたパーティが存在しませんでした。過去にはあったらしいけど、とにかくその当時はなかった。一方で両隣の山口・岡山には1~2件ほど定期開催されているパーティがありました。ちなみにハードコアタノシーのツアーがあったのが2014年。

私自身も山口・岡山のイベントに何度か遊びに行ってDJもさせていただいたのですが、その中で「なんで真ん中の広島にはハードコアのパーティがないんだろう」という疑問が深まりつつありました。

ハードコアタノシーのツアーも再来する気配がない。アニクラはそもそも興味がないので行く予定がない。普通のクラブはなんか怖い。結局片道3時間かけて山口・岡山に遠征するしかない。いや行くけど。でもやっぱり近場でもハードコアが聴きたい。ていうか私が知らないだけで広島にもハードコア好きな人絶対いるでしょ。いてくれ。いなかったら好きになってくれ。こんなに楽しいんだし。そして友達になろう。

というわけで当時練習会でお世話になっていた銅鑼基地さん、イベントでお世話になっていたKenryuさんDΣlpArdさんをはじめ、数少ないハードサウンドやベース系のDJの知り合いの方々に協力をお願いをしつつ、Megadecibelが始まることになるわけです。皆様その節は大変お世話になりました。

ここまで書いた限りだと冒頭の問いに対する答えは「広島で好きな音楽ジャンルを聴く機会がなかったから(聴ける機会をつくりだした)」「同志の発掘あるいは布教」あたりになりそう。でもそれだけだとちょっと不十分かもしれない。なぜならパーティの主催は結構大変であり、私の場合それを乗り越えるにはもう一押し必要だったから。

ライブやパーティには労力がかかる

あまり裏の事情を表立って書くのはどうかなあと思う派なのでやや濁しつつ書きますが、よく考えてみればパーティやるのって色々大変です。ざっと挙げるだけでも「会場の確保」「出演者のブッキング」「フライヤー作成or手配」「各種費用の調達」「SNSでの告知」などがあります。そしてだいたいの手順にゴリゴリにコミュニケーション能力が求められます。進捗管理とかもやります。場合によってはDIYもします。瀕死。

まあでも遊びに来る分には全く考えなくて大丈夫です。むしろパーティの際はそんなこと考えず存分に楽しんでください。それが本望です。考えるのは主催の仕事なので。大丈夫です。

じゃあ音楽の布教と場所作りためだけにそこまでやってるのかと言われるとその通りだなと思うのですが、でもちょっと待ってほしい。もう少しスマートに考えましょう。それはパーティでなければなりませんか?

音楽を布教する手段はパーティだけではない

今やテクノロジーはAIだか第五世代に移行しつつあるんだかなんだったか忘れましたが、ともかく我々はインターネットとSNSで気軽に情報を送受信できるようになりました。

音楽に関してはSpotifyやApple Music、LINE Musicといった定額聴き放題サービスもある。YouTubeを開けば公式無許可問わず様々な音源がアップロードされている。SoundCloudには作者自ら音源を公開している。MixcloudにはDJが日々DJmixをアップロードしている。

いや音楽めっちゃ聴けますやん。

そして何か気に入ったものがあれば、そのリンクを友達に送るなりツイートするなりして「この曲めっちゃいいから聴いて!」と言える。指先ひとつで曲布教。メイク万札、モストハーコー。

更に「場所づくり」という観点ですが、これを「誰かと一緒に共通の音楽を楽しむ体験ができる場所」と定義するとこれも別にパーティに限ったことではないと思います。友達と集まって音楽聴いても、スピーカー持ち出してオフ会開いても、ダンス練習会開いても達成されそうです。

また「良い環境で音楽を聴ける場所」が欲しいなら自宅にサウンドシステム構えても良いと思います。自前機材で倉庫や野外レイヴやる程になってくると完全にパーティの域に突入しちゃうけど。

つまり音楽の布教と場所作りに際して、パーティをやるにあたっての労力は必要不可欠というわけでもないかもしれません。むしろ曲を布教するだけなら好きな時に聴けるほうが好都合だと思うし、見知った相手しか集まらない方が楽です。それにイレギュラー因子は少ないほうが安心できる。

参加する側からしても、何日分かの食費なり飲み代なり生活費なりと同額を費やすことになるし。でも私たちはパーティをやるしパーティへ遊びに行く。全く不可解。非論理的。なぜ?

ではなぜライブという形態にこだわるのか

結論から申し上げますと、ひとえに体験だと思うんですよ。スピーカーが2台あり、それなりに大きな音が鳴っており、低音が響き、ステージがあり、フロアがあり、バーカウンターがあり、ドリンクがあり、出演者がおり、客がおり、照明がだいぶ落ちており、低音が響き、なんかいい感じの曲が流れている。これはライブハウスやクラブ特有だと思います。DJが出るデカいフェスでもいい。

そしてそれは何人かにとっては思い出や憧れという形で強烈に作用するのではないでしょうか。私の場合は2014年4月13日、広島は薬研堀のBoRDERで見た光景をもう一度体験したいというのと、あの日聴きに行って流れた大好きな曲を流していたDJの人みたいになりたいという2つの憧れが最もプリミティブな動機だと思います。超個人的な想いなんですけどね。

そしてそれから2年経過して色々な思いが混ざって、「広島でもハードコアが聴きたい!!!!!!!!」という動機になり、それを分解した結果「広島でも聴ける場所が欲しい」「広島でも同じような趣味の人が増えてほしい」「広島でも現場で聴く曲のすごさを体感してほしい」などの動機が芽生えたのだと思います。色々混ざりすぎ。

それでも僕らはパーティをやっている

ともかく最終的に思い出や憧れなんていうとても感情論の強い場所に着地してしまいましたが、ひとまず現時点で冒頭の問いに対する答えとしては

「当時は身近に環境が無く、目的のジャンルを聴くためには遠方まで出向かなければならなかった。またその後の目標(過去への憧れ)達成のためには、県内でライブを開催する必要があった。」

あたりで回答して、目標やら細部をつつかれたら適時補足していくことになりそうです。でも結局憧れっていう非論理的すぎる要素入ってるし、っていうかまあ確かに捻り出せば個人的な気持ちはなんぼでも出てくるけど私あんまりイベント私物化する感じの言動したくないし、パーティはみんなのものだし、結論爆音で好きな曲が鳴って綺麗に繋がってると最高ーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!だしそれにオーディエンスの盛り上がりとか爆踊りとかホイッスルレイヴホーンまで加わると完全に最高すぎて世界が終わっちゃうんですよね。まあでもひとまずの結論は出たということでいいでしょうか。


というわけでメインフェイズ終了です。ここまでお読みいただきましてありがとうございました。最後に宣伝します。

~宣伝~

というわけで本記事で述べた通り2016年7月に始まったMegadecibel、なんだかんだありましたが県内外の方々に支えられましてお陰様で4年目突入・第七回目開催となります。

2019年10月12日(土)昼、場所は広島市音楽食堂ONDO、料金は2500円+要1ドリンクオーダーです。

今回SP Guest DJにSKETCH UP! Rec.HARDCORE TANO*CでおなじみDJ Norikenさん、そしてGuest DJには広島最大級のナイトクラブでゴリゴリのBass MusicとHardcoreを流すから私がドハマりしたDJ IDENさんをお招きしております。遠征に行けない県内勢、そしてナイトクラブに行けない方、この機会にぜひぜひ聞きに来てください。マジで。私は最高だと思います。

そしてローカルDJ陣もPokkunさん/銅鑼基地さん/どくぺくん/タク・ナガサキさんという国内外のUK HardcoreやHappy Hardcore、テクノや低音に強いメンバーが揃い踏み!VJ陣もナイアリーチェさん/dorakichiさん/iwanashiさんと音合わせやセンス抜群だったり新進気鋭だったり!

初めての方は聞いたことない/見たことない方も多いかもしれませんが、私はとても良いと思って今回お声がけさせていただいてます。

あっあと私も出ます(それはそう)。

そしてもし今回のパーティが良いなと思ったら、また次のパーティにも来てほしい・・・のはそうなんですが、これを機に遠征やナイトクラブにも挑戦してみてほしいなと思います。新しい楽しみ方を見つけるお手伝いができれば本望です。沼へようこそ。

というわけで長文になりましたが、改めてここまでお読みいただきありがとうございました。本当に終わり!


追記: 万が一セミナーで同席していた方はこの記事を見つけてもそっとしておいてください。何卒よろしくお願い申し上げます。

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