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神さまのことづて


ある日私の両手の甲にはたくさんのひっかき傷がありました。


その傷は、ある男の子がつけてしまった傷でした。
男の子には自閉症スペクトラムという重い障がいがあり、高度行動障がいという
自分でも抑えることのできない突拍子もない行動をとってしまう症状もありました。


男の子は悲しみや苦痛を感じ、心がいっぱいになると、その突拍子もない行動が出てしまいます。


パニックになった男の子の突拍子もない行動を止めるために、
私は手を握っていて、手の傷は男の子の爪がくい込んでできた傷だったのです。


手の傷を見て、いろいろな人がいろいろな事を思いました。
『何なんだあの傷は?』と思っても聞かなかった人も居ました。

『何か悪い病気かなぁ』と思った人も居ました。


『どうしたの?』と聞いてきた女の子が居ました。

私が事情を話すと、女の子は少し涙を溜めて
しばらく黙ったあと


『自分のやらなきゃいけない事に文句ばかり言ってないで、一生懸命取り組みます。』


と、言いました。


神さまからのことづてが届いた人に出会えて、
私はとても幸せでした。


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