乾杯日本の衆
最近ずっと緑酒を聴いてはうるうるしている。
椎名林檎(東京事変)は、もう「乾杯日本の衆」の域に達したのだ。ここでキスしてと可愛く甘えていたり、約束はいらないわと拗らせてみたり、歌舞伎町、丸ノ内を歌っていた林檎ちゃんは、もはや日本の衆に乾杯を煽る存在になったのだ。
林檎ちゃんは私の心をずっとくすぐり続けてくれる、処方薬みたいなミューズだ。不惑を超えてなおいろんな新しいスタイルを取り入れながら、年々アップデートされ洗練されゆく「センス」に、癒されたり興奮したり。もうほんとに同じ時代に生まれてよかった。
そしてそのセンスを多角的に引き伸ばして、彩りを加えたり角度をつけたりしてくれる先鋭たち(事変のメンバー)。この時代の天才たちが生み出す新譜を、聴けるこの贅沢。
「東京事変の新しいアルバムを聴く」
数年前まで夢見ていたことが叶う日がくるなんて!!!
最高でしかないアルバムですが、中でも緑酒が好きすぎて堪りません。
仕事は疲れる。日々は虚しい。
やっててよかったと思うことなんかほぼないに等しいし、理不尽なことばっかりだし、傷つくことも多いし。でも林檎ちゃんが「各種生業おつかれさん」って言ってくれたから、また来週も頑張れそうな気がする。
わけわかんないまま心身消耗して、いいことなんてそんなにないし、何のために生きてるのかわかんなくなるけど、みんな多かれ少なかれそんなもんだし、楽して幸せになれるなんて甘いことないし、辛酸舐めながらも真っ当に生きてかなきゃいけないんだって。
そう思いました。そして、その積み重ねの先に報われたいよね。報われて欲しいよねみんな。青々と自由たる香が味わえたらいいよね。
林檎ちゃんは分かってくれてる。寄り添いすぎるのではなく、かといって無責任に奮い立たせようとするわけではない。真摯に生きていくこと。その尊さを歌ってくれてる。
なんか、私は間違ってなかったんだって思えて、泣けてくるよ。ありがとうございますほんとに(?)
「余興」でも歌われてましたが、どんなにおいしく高価な酒でも、怠惰に生きてたら味もわからないと。
つまらない日常も、思うようにいかない人生も、コツコツ向き合ってこそお酒が美味しくなるもの。
また大事に生きていこうと思いました。
話は変わりますが。東京事変で何の曲が1番好きかって言われると、私はぶっちぎりで娯楽に収録されてる「メトロ」です。
形容し難い浮遊感。お伽話の中にいるような感覚。
夫と手を繋いで眠るとき、この曲の主人公になった気がする。
世界で2人できりになって、それだけで満たされる感じ。
「階段を降りたはずなのにふたりは今街を見下ろして」
きっとあまり深い意味はない曲なんだと思いますが(失礼)、私の人生に欠かすことのできない1曲です。
去年、幸運にもチケットが取れたのにツアーがコロナで中止に。いつかきっと事変を生で味わえる日がきますように。
メトロは聴けないと思うけど笑