Tableau DATA Saber認定までに何をどれくらいやったか


まえがき

Tableau DATA Saber認定までに私がどういう取り組みをどれくらいの時間やったか等、記憶が鮮明なうちに残しておきます。後でも触れますが90日という期間設定があるため、時間の使い方についてある程度のイメージを事前につけておくことが大事に感じています。
そうしたイメージをつける面で、DATA Saberを目指す方の一助となれば幸いです。
……という感じで書き始めたのですが、割と記事が長いです。そして書いていると割と特殊ケースだなと感じる要素も多いのですが、何らかの参考になればと。とりあえず何時間くらいトータルでかかったかだけでも見ていってください。

DATA Saberとは

本題に入る前に、簡単に整理しておきます。
Tableau DATA SaberはTableauの公式認定資格というものではなく、Tableauコミュニティによって作られている認定・トレーニングプログラムです。

DATA Saberを目指す者は
【データのその先の世界を見通す技術力】と【データドリブン文化を伝え、人々を導く力】
を有していることを試練を通して証明する。
試練に許された時間は3か月間。厳しい時間となる。心して挑むことを薦める。

公式サイト:https://datasaber.world/より

認定に向けて必要な要素として、上記のように
・Tableauに関する技術力や知識
・データドリブン文化の貢献する力(コミュニティ活動)
が共に求められます。要するに、Tableauを使いこなせているだけでもダメ。熱いパッションだけあってもダメ。ということですね。

そのため、認定に向けても大きく分けて2つの課題が存在します(2つをクリアした後、最終試験(技術試験&口頭試問)が別に存在)。

I. 技術力を備えた証として、技術力に関する問を全て満点でクリアせよ
II. 導く力を備えた証として、コミュニティ活動で50pt以上を獲得せよ

公式サイト:https://datasaber.world/より

それぞれ色合いが全く異なることをやることになります。また、開始から最終試験完了までのタイムリミットが90日間なのでペース配分も重要になってきます(試験を考えると上記1,2の課題を90日ギリギリクリアではいけない)。
このようなそもそもの前提を踏まえつつ、実際にどういうペース配分で課題に取り組んだか、どれくらいの時間をかけたか、どういう内容をやったか、について書いていきます。

筆者の事前スキル(Tableau歴)、環境など

もう一つだけ本題前に前提を……DATA Saberに挑戦するまでのTableau歴や、身近な環境がどのようなものかを説明しておきます。

まず、TableauのCreator歴としては2021年ごろから所属する会社で触り始めて、社内で作成されていた学習コンテンツ(社内のDATA Saberで活躍されている方々が作ったもの)での学習や、所属部署でViewerの人たちが閲覧できるようなVizの作成をしていました。また、社内のDATA Saberの方も多く参加しているTableauコミュニティでの活動にも参加していました。

そうした経験を約3年経た上でのDATA Saber挑戦だったので、おそらく挑戦時点での経験値は平均より多めだろうな……と個人的に思っています。
今年の6月に、会社にてDATA Saberを目指す人たちの合同挑戦企画があり、勉強時間もある程度確保できそうな状況だったため、遂にえいや!と挑戦をしました。
合同挑戦企画だったため、その取り組みとしての特別カリキュラム(特定のOrdについて合同ワークを行うなど)も、ここから触れる勉強時間に含まれています。

どれくらい時間がかかったかサマリ

ということでお待たせしました。本題に入ります。
最終試験までにかけた、DATA Saber挑戦に直接関連する時間はおよそ140時間ほどでした。
ただ、それ以外に社内のViz共有としてVizを作成した時間が別途15時間ほどあります。ここは業務で使うVizを作って部署内で共有した結果達成したものなので、業務時間なんだかDATA Saber挑戦時間なんだかって感じで別計上してます。

内訳は以下の表になるのですが、そのうち青色で※マークを付けている行については先述の社内合同挑戦企画に伴う特別カリキュラムに関連するものです。
そのため、この30時間は引いて考えても大丈夫ではあるんですが、この中には技術課題に関連するものも混ざっているため、110時間で収まる!と確実に言えるものではないです。また、挑戦時点でのスキルレベルにも当然左右されることにもご留意ください。

この内訳からは業務で使うVizの時間抜いてます

日々の勉強時間配分とペース

週末にまとめてというよりは平日の業務開始前や就業後、こまめにコツコツと毎日1,2時間とっていた感じでした。コミュニティ活動としてパブリックのViz作成をするものだけは週末にガッツリ時間を取って一気に取り組んだりはしていました。
そのペースで、技術課題はスタートから60日くらいまでの間に毎週1つか2つくらい進んでいってクリア。
コミュニティ活動(社内)は技術課題と並行という感じで、技術課題で学んだことを活かしつつ業務で使うVizを作ったり、学んだ中から情報共有のネタになりそうなものを拾ったりという流れでじわじわと進んで70日くらいまでの間でクリア。
コミュニティ活動(パブリック)は、まず自分のスキルに自信が付いてからの方がやりやすそうだなと思い、技術課題が概ね片付いてから動き始めました。期間としてはスタートから50日あたり経ってから動き始めて、70日くらいまでにクリアした感じです。

各内訳の詳細

それぞれの内訳がどういうものか順に説明します。

課題挑戦&KT動画視聴:40時間
技術課題として設定されているOrd1~Ord10の初見挑戦と、トレーニング教材(KT動画)を見つつ復習をした時間です。
とにかく課題は「答えがわかればいい」というようなものではなく、「どのようなTableau操作によって答えを導いているか。その導き方がビジュアライズとしても優れているか」を問うことになるので、いきなり答えを見るのではなく試行錯誤することが大事になってきます。
また、仮に何も調べず解けた問題も、解説動画を見るとより優れた方法だったり、重要な気付きを貰える言葉があったりするのでKT動画をすっ飛ばして観ることも難しく、なかなか時間がかかります。
とはいえ、Tableau操作に関連しない講義の動画などはそこまで画面にかじりつかずでも大丈夫なので、ジムで運動しながら観るなども結構やってました。

社内ワーク関連(※):20時間
ワークブックの見た目改善や、非常に重たいワークブックのパフォーマンスを改善するにはどうするかを実際のファイルで行うという特別カリキュラムが社内でありました。流れとして、まずは自分で色々と試す→それを合同ワークの時間に持ち寄り、更にチーム内で議論して完成させる。というものだったため、その事前準備と実議論である程度時間がかかっています。
そのため、ここは他の方はカット可能な時間ではありますが、他の方がどう考えたかなどの議論はかなり有意義だったので、これに類する時間は取っても良いかなという感想です。

復習:30時間
いや、改めて見ると復習しまくってるな…w
という感じもありますが、技術課題は一度解いて解説を見て理解したつもりになっていても、再度挑むとなかなか解けないことも多かったです。私は覚えが悪かったので何度も繰り返して解きましたし、「いかに早くVizを作成できるか」も反復の中で強く意識していました。
カリキュラムの中でもTableauを"手足のごとく"使えるようになることの重要性が語られていたので、それができるようになるためにもスピード意識を持っていました。
そうした早解き練習もしつつ繰り返していたらそれなりの時間かけていた、という具合です。

コミュニティ活動(社内):25時間
社内コミュニティ活動としては、主に情報共有に関連することを行いました。社内で技術記事を共有できるポータルがあり、そこにTableauに関するTipsをいくつか書きました。そのネタ探しでTableauをいじっていた時間と、実際に記事を書く時間が混ざっています。
また、それらのTipsを利用して作成したシートを実際に見せつつ紹介する社内共有会に登壇もしたため、その準備時間なども含まれています。
ここに関しては、社内の共有環境がかなり整っていることに助けられたな……と感じる面が多いです。

コミュニティ活動(パブリック):15時間
Viz作成&共有をガッツリです。何かを分析したものを共有ではなく、Viz作成課題に挑んだ結果を共有の形です。

今回、主に挑ませてもらったのがこちらの『カジュアルVizつくりまShow!』です。

お題のViz見た目と同じものを素早く作成する、というイベントです。先述の通りで「いかに早くVizを作成できるか」を個人的なテーマにしていたので、その点でもドンピシャなルールでした。
8分以内に作成というルールなんですが、実際に時間を見つつやるとかなり難しいです。
また、シートの見た目を整えることや書式設定など、DATA Saberの課題ではあまり出てこないけど実業務で使うときには役に立つ要素も多く登場するので、その面でもかなり勉強になります。

その他:10時間
これも社内特有のカリキュラムによる時間ですので除いて考えても大丈夫です。現役のSaberの方がどのようなVizを作っているかや心構え、コミュニティ活動でこういうものが役立つなどの情報共有などをいただいた時間などです。

何が大変だったか・何に気をつけるか

とにかく時間を確保して着実に勉強と課題を進めること、これに尽きるかなと感じました。
始める前のTableauスキルに不安を感じていても、そこは技術課題をやることで何とでもなります。私自身はTableau歴が既に3年程度ある状態で挑んだので説得力がやや薄い気もしますが、合同で始めた中にはTableauほぼ触りたてから挑んで見事に達成している方もいらっしゃるので、何はなくとも時間の確保です。

3ヶ月の試練は厳しいものになるだろうが、必ず突破することを前提に挑むこと。
これまでに試練を超えたすべての人がこの試練を日々の生活の合間を縫って超えている。時間は作るものであり、時間がないは言い訳にならない。

DATA Saberを目指す君たちへ〜Apprenticeの心得|KT:https://note.com/datasaber/n/nc57b186629f5

心得として緊張感のある言葉もありますが、最終的に時間を取るのは自分次第ではあります。ただ、「明らかに時間取るのが難しいだろ」という状況がわかっているタイミングで挑むのは一旦落ち着いたほうが良いと思います。
私は、30日過ぎたあたりで感染症で丸々一週間ダウンして何も進められない期間ができてしまいました。それでもリカバリできたのは、それ以外に時間が多く取られる事情がSaber挑戦期間になかったことが大きいです。

DATA Saberのサイトには現在挑戦中の方一覧が表示されていますが、ここの技術課題クリア状況を見ると決して全員がクリアできているわけではないことがわかると思います(日付が緑色で正答クリア、グレーは不正解、日付なしは未挑戦)。

https://datasaber.world/

このことからも、とにかく時間を確保しやすい状況で始めることは大事だなと思います。特に、モチベーションが高いであろう開始直後にスタートダッシュをしやすい余裕があると理想かなと。

それでも時間以外に技術面で不安な方もいるかと思います。そういう場合、何らかTableauの本一冊の理解があれば十分、十分どこかむしろ余裕があるくらいだと思って自信を持ってください。
私の手元には以下の本があるのでこれを例に出しますが、ここに載っていることを把握しているくらいに操作方法が理解できていれば、挑戦時点で困ることは無いかなと感じました。

まとめ

軽く書くつもりが、書いていくとついつい長くなってしまいました。
長々と書いてしまいましたが、一番大事なのはとにかく「DATA Saberになるぞ!」という強い気持ちです。そして、そうした気持ちを支える上で、一緒にSaberを目指す仲間が身近にいると非常に心強いので、そうした繋がりも大切にしてください。

私は元々の性格的に「そういう繋がりとかちょっと大変なので、いい感じに一人で進められる情報誰かインターネットに書いておいてくれよ」サイドだったんですが、DATA Saber挑戦を通じて見事に考えが変わってしまってますね…w
何時間くらいかかるかとか、どういう勉強したかとかが記事にまとまっていると過去の自分が助かるのでこうして記事を書いています。
……書いていますが、ぶっちゃけSaber目指す上で良いのは知らない人が書いてるこういう記事よりも、身近で既にDATA Saberになっている方に直接質問して聞いたほうが良いです。そういう動きができた方がきっと今後も楽です。

とはいえ、そういうの大変だもんね。という人もいるし私自身もそうなので、この記事が役立つ人が1人でも居たら私は嬉しいです。
記事についての質問や、もっと色々聞きたいなどありましたら記事へのコメントだったり、私のTwitter(現X)アカウントに連絡いただければと思います。

これからTableau DATA Saberを目指す方、頑張ってください。

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