PLANTS WITH 5 ELEMENTS というゲーム、実は
はじめに
新作の "PLANTS WITH 5 ELEMENTS"(以下PLANTS)というゲームについてのお話です。
この記事は https://note.com/mtsuruta/n/na70ce21016dc の続きでもあります。
「物事は順番が肝心」と分かって三十数年経ったら、どんな風に作るようになったか、というゲーム構造のお話です。
PLANTSはリリースされており、iOS、Androidでプレイできます。
未プレイの方の体験を阻害しないように、内容をぼかして記載している箇所があります。よろしければプレイしてお読み頂けると、読みやすいと思います。
めざしたモノ
どんなゲームにするか、の前に
実は「どんなゲームにするか」の前に決める事がありました。
それは「プレイヤーにどんな体験を提供するか」です。
言い換えると「プレイヤーにこういう体験をさせたい!」というものです。
どういう体験?
目指したのは、解法が閃いた時の感覚です。
「あ!こうしたら良いんだ!」「私、分かりました!」という感覚。
これをプレイヤーに提供したい、と。
パズルゲーム
元々パズルゲームを作ろうと思っていましたが、解法を見つけた時のあの感覚を味わえるものにしたいと。
その為には、適切に難しいパズルゲームでないといけません。すぐに解法が見つかると閃きの感覚は弱くなりますから。
幸なのか、ソロモンの鍵はとても難しいゲームでしたので、それを好きなタイプのプレイヤーをターゲットとしてゲームを提供する、と考えました。
当然ながら万人向けのゲームではありません。
実現手段
ステージクリアの条件はシンプル
妖精を操って、ゲートに導く。これだけです。
ステージクリアの条件をシンプルにしたのは、プレイヤーの思考リソースを「どうやったらゲートに妖精を連れて行けるか」に割かせるためです。条件が複雑だと、思考リソースが分散され、「閃き」が起こりにくくなりますから。
ゲーム内のヒントや物語には極力言語は使わない
このルールを設けました。これは言葉の解釈で思わぬ解法に囚われてしまう可能性がありますから。
物語のオープニングも、ロッドが主人公の妖精を導くのもキャラ劇で行っています。
登場する敵キャラ、ブロック、妖精の操作方法もテキストでの説明はありません。
どうやったら良いか、を見つけてもらう事、その事に気がついた閃きを重視しました。
例外的なものは、ステージ名に解法のヒントが記載されている場合があります。
妖精のできる事は多彩
スマホのタップ操作を基本とするため、アイコンをタップすると妖精に指示が出せる、というようにしています。タップが煩雑にならないよう、移動のタップは移動を指示するとある程度自動で移動します。
妖精の状況に応じてアイコンが変化するので、その時妖精のできる事が示されます。
これに妖精が扱うブロックが加わる事で、妖精は色々な事ができるようになります。
この妖精ができる事を見つけるのも「閃き」です。
途中から仲間の妖精が出てきます。妖精ですからこの妖精もゲートに連れていく必要があります。
妖精をタップすると操作対象の妖精になります。
仲間の妖精を使う方法もあり、これもプレイヤーの「閃き」につながっています。
チュートリアル
そうは言っても、いきなり砂漠の真ん中にプレイヤーを放り出して、自力でなんとかしよう、というものではありません。
移動方法、その他ブロックの操作など、順を追って体験できるようにチュートリアルを設計しています。
移動先を光のキャラクターが示したりしています。
妖精は植物を操る
ソロモンの鍵では石を出したり消したり。
ソロモンの鍵2では氷を出したり消したり。
PLANTSの妖精は植物を成長させたり、枯らしたりします。
もうお分かりですね。PLANTSでは植物が移動の足場になったりします。その他色々な働きをします。
ステージの作成
パズルゲームのステージは作った人は楽しめない
というのがほとんどだと思います。解法を考えてステージを構成するからです。
小説の帰納法のような作成方法です。
もちろん、この方法で作成したステージもあります。
ところが今回、ステージエディタでステージを作ったら即プレイできる環境を@masahikonitanda さんが作ってくださいましたので、
こんな感じのステージを思い付いた
解けるかどうか分からないけど作ってみる!
↓
プレイする!
↓
解けるかこんなステージ!
↓
解けた!!
っていう作り方をしましたから、作った本人も楽しんでいた訳です。
こうやって作ったステージが結構あります。
まあ、中にはクリアできなくてボツにしたものもそれなりにあります。
おわりに
ある意味、アクションパズルゲームの集大成として作成しました。
プレイした方からのツイートで敵が出ないステージを5歳のお嬢さんがプレイしたがる、というお話も頂きました。
頑張ってドットを打った甲斐もあったというものです。
さて、未プレイの皆さんは是非プレイして頂いて「閃き」を体験してみてください。
激ムズ激辛パズルゲームがお好きな方限定で。
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