ACC NY滞在記 #15
Thanksgivingが年末年始くらい重要な行事と聞いて驚き。アメリカ、立て続けに大きいイベント多いですね。ハロウィン、Thanksgiving、クリスマス…今年はさらに大統領選、と。2ヶ月の滞在中に全部盛り込まれてます。
November 21st, 2024
今日は珍しく朝から雨。こちらの雨はほとんど霧雨みたいな感じですが、ちょうどサイクロンが接近しているのもあって風も強く、少し強めの雨。
THE 日本
冠ちゃんのツテでJapan Societyにご挨拶に行く。
ダンス、演劇、音楽、伝統芸能問わず様々な団体が招聘されていて、私がお世話になった方々も多く公演していて、よく名前は耳にしています。
日本の古今の上演芸術のみならず、映画やポップカルチャーを含むアートを幅広く日本文化として紹介する団体という認識ですが、やはり「和」なイメージは強い。
それは欧米において相対化されている日本のイメージだからしょうがない部分はあるのかしら。
芸術監督の塩谷さんにお話を伺う。ちょうど芸術監督として20周年ということで特設ページが立ち上がっているタイミングのお忙しい中、ありがたいです。
色々お話を伺うと知識の幅の広さと、小劇場、むしろギャラリー公演から大劇場、ダンスから伝統芸能まで網羅する興味のアンテナの張り方の凄まじさを感じさせられました。だから色んなところに引っ張りダコなのだろうし、頼られるのも納得。
招聘する作品を選定する眼の裏側を垣間見たような気がしました。
THE KITCHEN
雨の中移動して、次へ。
ACC NY本部にご紹介いただいたACC alumni(ACC過去のグランティの通称)のMollissa Fenleyとの待ち合わせ。待ち合わせ場所はThe Kitchen。
事前にNY行くならここ行きなよリストで名前は聞いていたのですが、想像以上に面白い場所でした。ちょうどThe Kitchen自体の回顧展の初日でMollissaと一緒に展示を紹介してもらいながら見て回る。きちんとアーカイブがしっかり残っているのって大事、改めて思います。
あらゆる実験的な表現の発表の場として50年以上ある歴史ある場所。
David Byrne、Laurie Anderson、Steve Reich、John Cage、Philip Glass、Bill T.Jones…並んでいる名前がすごい。
キュレーションの大事さ
先ほど挙げた錚々たるメンツ、公募ではなく選考されてパフォーマンスをしていたそうです。音楽に限らず、映像、ダンス、パフォーマンスと様々なジャンルのアーティストをフックアップし、世に送り出してきた場所。そこにはキュレーターの確かな先見の明があり。
塩谷さんのお話を伺っていた時も感じたことですが、キュレーションの大事さを改めて。もちろんアーティスト自身もコンペティションやショウケースなどへ売り出していくことも大事ですが、それを受け取り拾い上げ広げる存在が重要。作品を掘り当て、世に投げ出してくれる存在がいないことには表現も伝わっていかない。これは日本に足りない部分な気がしました。
例えば、舞台芸術に関しては日本だとキュレーターも制作もプロデューサーも似たような業種に捉えられがちというか、扱われがち。劇場が企画を立てるにも劇場の企画者側が日々の業務や運営に追われて、なかなか多くの作品に出会えていない気がします。劇場の運営と企画を考える人を分けることで、より広く多様な表現の中に触れて、より優れた芽を探してくることができるのでは?
職能が違うのだからそれぞれを尊重した仕事ができたら良いですね。人手が不足しているのか、お金が不足しているのか。
小腹を満たす難しさ in NY
Mollissaが次の予定あるというのであまり話せなかったが、またねーと。しばし展示を見た後、舞台を観に行く冠ちゃんと別れて、しばし周辺を散歩。
昼から立て続けに人に会っていたので朝から昼食を取らないまま夕方になってしまい、夕食まで絶食は少々辛い腹具合。小腹を満たそうと見つけたデリでNY初のパンケーキ。
デカい。小腹を満たすつもりが結構な満足感。
腹ごなしに雨の降るなか街をブラブラ。御用達のWFMまで歩いて行こうかと思うも、さすがに雨がキツいので地下鉄で移動。生活用品を買い足し、夕食をテイクアウトして帰宅。まだ残っているスープと共に晩餐。
November 22nd, 2024
さらに珍しい2日連続の雨。気温もグッと下がり、かなり冬。
でももっと冷える、のでしょう?
朝、最寄りの地下鉄の駅に着くと、階段のところでおじいさんに助けを求められ歩行器を階段の下まで下ろす。の後、改札の非常口兼車椅子扉のところでも「開けてよー」と求められる。ん?確かに改札のバーは通れないけど、これで開けちゃうと無賃乗車幇助にならない?と迷いが生じ、しれっとスルー。
その後、プラットフォームにまで降りてきていたので多分誰かが開けてくれたのでしょう。
NYは日本とは福祉の感覚が違うように感じていて、まだそこが測りきれていない。地下鉄も公営のはずだから福祉の一環でお年寄りや障害者は乗り放題、とかありそうだけど把握できておらず、ニューヨーカーには簡単になれそうに無いです。
今日は個人的に新しい場所へ。
Mark Morris Dance Center
せっかくNYにいるのだから本場のクラスを受けよう、ということでCunningham Techniqueのクラスを受けに。日本語読みはカニングハムなのかカニンガムなのか、Cunningham Technique。
そして来ました、Mark Morris Dance Center
GibneyやPeriDanceの比較的ひっそりとした外観に対して、わかりやすくあります。なんか、今までNYで出会ったダンス関連の場所では一番わかりやすくあるかも笑
ベイビーシアター的な催しをやっていたのか、ベビーカー、赤ちゃん連れの方を多く見かける。Gibneyではあまり見かけない子どもたちをPeriDanceではお稽古事として通っているであろう感じで見かけていたが、MarkMorrisではさらに年下の赤ちゃんも。赤ちゃんからのクラスもあるみたいです。
ホント老若男女問わずダンスに触れられる環境がNYにはあります。
スタジオの雰囲気は東京で言うならARCHITANZみたいな肌感覚。個人的にはちょっとしたアウェー感がある笑
それで言うとGibneyはSESSION HOUSEっぽい。
不案内な館内をウロチョロして着替え、なんとかスタジオにたどり着く。
で、Cunningham Techniqueのオープンクラス。
…ボロッボロでした笑
オープンレベルなのに笑っちゃうくらいボロッボロでした。バレエの素養がない人間には難しいですね。良さはわかる、空間への身体のベクトルと描画されるフォルムの美しさ。勝手にシャドウイングしていた女性ダンサーとかめっちゃキレイだったもん。だが、私には無理だなぁ…
ACC Almuni訪問 John & Fiona
雨の中移動して、次へ。
ACC NY本部にご紹介いただいたACC alumniのJohn Jesurunと待ち合わせ。
待ち合わせ場所に着くと、Johnがもう一人ACC alumniのFiona Templetonも呼んでおり。FionaはThe Relationshipというカンパニーの芸術監督。
Chelsea周辺のギャラリー巡りとカフェでお茶をしました。
色々雑談とおすすめスポットを教えてもらったり。
2人のキャリアやこちらのリサーチしたい内容を伝えたりしながら話を広げたり。ダンスの人たちはフィジカルのことだから余すことなく教えてくれる(≒結局本人ができないと意味がないから)けど、演劇の人たちは言葉や精神性を扱うからテクニックを秘伝にしがち、というJohnの言葉はなるほど頷ける。
あまり深いインタビューはできなかったけど、良い時間でした。Johnは今リーディングの創作中らしいので、その発表会に呼んでくれるとのこと。なので、また会うことでしょう。Fionaとも多分また会うことでしょう。
アートの街 NewYork
John、Fionaと別れた後、冠ちゃんはクラスに行くというので別行動。HighLine周辺をぶらぶらと。
まずはChelsea Market。
お洒落な商店街。お土産に最適なお店が多く、観光客が多いので日本の方もチラホラ。アーティストの蚤の市みたいなものもあって、ウィンドウショッピングしているだけでも楽しいです。
そのままHigh Lineをブラブラ。
High Lineは5月にずっと付いていた仕事の関係で知っていたのですが、面白いプロジェクト。NYは場所のリノベーション活用が上手いし、そこにきちんとアートが絡んでくるのが素晴らしいと思います。
まちづくりを担当する人の視点にアート的な思考があるか、これは今後日本のまちづくりが面白くなるかに関わってくる気がしています。
雨に打たれながら、通りがけに気になったギャラリーに入ったりぶらぶら。
さすがはアートの街ニューヨーク、ということをまざまざと思い知らされました。ギャラリーの数がすごいし、大きさもなにもかもスケールが違う。
ちょっとしたギャラリーに巨匠の作品が普通に置いてあったり。すごい。
晴れてる時にまた来よう。