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ACC NY滞在記 #07



November 6th, 2024

大統領選から一夜明け。街はいつも通り、ネット上は大騒ぎという印象。
せっかくなので記念に新聞を数紙購入。

ACC本部訪問

朝イチで今回助成していただいているACCのNY本部を訪問。
いつもメールでやり取りしていたスタッフたちと直接会い、色々と滞在の計画などを話す。メールでのやり取りはテキストだし英語だし、基本事務的なやり取りだったので直接会って血の通った人として話せるのはやはり良いし、右も左も分からないNYで後ろ盾としていてくれるだけでとてもありがたいなぁ、と改めて思いました。滞在に関して何かまとめるの?と聞かれてnoteにまとめるよ、と伝えてしまったので頑張って書きます笑

その後はGibneyでクラスを1本受ける。先週も受けた、フロアワークのAdvanceクラス。ただし今日は急遽代行になったとお知らせが。
当日でも代行を立てられるっていうのも層が厚くてすごいことだなと思いつつ、その分競争も激しいのかも知れないとも感じました。
代行の講師はアンニュイな喋り方ながら動きはハード系。ゴリッゴリにマッシブなフロアワークを難なくこなす女性ダンサーが普通にいてカッコいい。

Sleep No More

夜はNYに来たのなら絶対見逃せない作品、Punchdrunkの「Sleep No More」を体験しに。

滞在中にもう1回くらい観たくなるかも知れないから早めに一度観ておこうと、このタイミングで。大学の卒業制作も公演の休憩時間にロビーでやるゲリラ的な作品だったし、演者としての初舞台もGRINDER-MANのMUSTANGシリーズということもあり、絶対個人的にハズレるはずがない作品。

噂に違わぬ出来で、最高でした。

まず演者がすごい。身体はバリッバリに利くし、リアリズム演劇の佇まいや非言語表現の巧みさもすごい。これはきちんと俳優・ダンサー教育のシステムが備わっているからこそ出来るクオリティだと思いました。
そしてスタッフ、すごい。無駄のないシンプルさと的確さで場を乱さずに作品を遂行させていくExecution力。
演出も空間と併せてすごい。演者が突然ダッシュして移動したりするわけですが、追いかけようとしても狭い通路や曲がり角の多さに見失ったり迷子になったりするのが良い。物語への近さだけでなく、物語の登場人物たちと同様に振り回され迷わされる体験を誘発する作りが没入体験と呼べるもの。

演者の巧みさと作品の(いい意味での)不親切さは日本じゃ無理だなぁと感じました。両方が揃ってこそ生まれる作品のクオリティと没入感だと思います。

演者に絡まれてヨゴシの入った観客用の仮面、記念に持ち帰るも
一晩経ったら別に要らないなぁとなるのがmagic if

後から知ったのですが、昼に受けたクラスの代行講師も実は「Sleep No More」の元・出演者(しかもLady Macbethというメイン役)だったみたいだし、前日のJAMの主催者も初演のメンバーで上海版のリハーサルディレクターだったみたいだし、NYですごい感じの人たちはなにかしら「Sleep No More」

November 7th, 2024

NYは寒いイメージがあったのですが、昼間は半袖で過ごせるくらいの日々が続く。でも急に寒さが牙を向く時があるし、連日風が強いので油断は大敵。

同じテクニックでも講師変われば

昼からGinbeyでCounterTechniqueのクラス。講師はMaggie Costales
やはり同じテクニックでも講師が変われば教え方が違うので面白い。同じエクササイズでも伝え方の違いで腑に落ちかたが変わってくる。クラスが多いということはそれだけ選択肢も多いわけで、その中から自分に合ったものを選ぶ、選べるかっていうのは大事。

NYで日本人のパフォーマンスを見る不思議さ

夜はちょうどタイミングよくNYにパフォーマンスしに来ていた武本拓也さんのパフォーマンスを見にニューヨーク大学のTisch School of the Artsへ。日本で見たことのない、初めましての武本さんのパフォーマンスをタイミングが重なってNYで見るというのは数奇なものです。

歩く、観察するというシンプルな動きだけで人前にあろうとするパフォーマンスを観客がいなくても日々やっているというもはや「行」に感じました。

続けるとか、量がすごいとか、最近たまに改めて考えたりします。
タイパコスパが叫ばれ尊ばれる現代において無駄を考えない圧倒的な物量や時間の積み重ねでしか到達し得ない価値は間違いなくあって、舞台芸術はそのどちらにも当てはまるだけに時代と照らし合わせながら考え続けていくのもアーティストとして大事な気がします。

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