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ACC NY滞在記 #19

11月も終わり、12月。師走、ですね。NYではお坊さんじゃなくて司祭や牧師が走り回るのでしょうか。なんとなくですが、キリスト教は教会にみんなで集まる感じですよね。


November 30th, 2024

BlackFridayとCyberMondayに挟まれた、土日。年末年始に向けて財布の紐を緩めようとしてくるのはどの国でも一緒ですね。
今日は初めましての場所へ。電車を乗り継いで行きます。

フツーに犬が一緒に電車に乗っています。小型犬ならまだしも、大型犬。さすがにNYでも大型犬と一緒に乗ってくるのは珍しいのか、乗ってくる人が若干リアクションをしていました。

若干不安げな表情

NewYork Center for Creativity and Dance

今日からの2日間、more fishカンパニーのパートナリングのインテンシブを受けます。日々drop-inのクラスを組み合わせて受け続けるのもいいのですが、インテンシブがあるのなら受けてみよう、と。少し長めに時間を共にすることで深まる話もありそうなので。

場所はNewYork Center for Creativity and Dance、GibneyやPeriDanceのようなダンススタジオではなく、いわゆるリハーサルスタジオ。Joyce Theaterが所有している貸スタジオらしく、5つのスタジオを併設。どうやらダンス特化のスタジオのようです。

元々はボーイズクラブ、という聞き慣れないもの。調べてみました。

男子限定放課後クラブ活動、みたいなものでしょうか。非行防止とかの観点もありそう。スタジオ自体はほぼ居抜き、バスケットゴールもそのままにリノ貼りのスプリングフロアが設置してあるだけの簡素さ。でも稽古場ってその程度でも十分ですよね。

高い天井 ここまで天高のある稽古場も稀

クラスの内容自体はいつものDrop-inより丁寧なウォームアップをしながら即興、パートナリングの振付、それも利用した即興と4時間フルの内容。

クラスが終わるとちょうど夕方。
NYの夕暮れは日本とは少し違う色味。濃い青とオレンジ、紫がグラデーションというよりはそれぞれに染め上げるような。
街を少しウロウロするも、本格化してきたNYの寒さにカフェへ逃げ込み、そのあとはあまり寄り道せずに帰宅。

December 1st, 2024

12月。朝家を出ると、寒い。調べてみると、1℃。来ましたね、NYの冬。
こんだけ寒いのに半袖で歩いている人もいたりするからよくわからなくなる。慣れ、なのでしょうか。

パートナリングのインテンシブ2日目。パートナリングというとガッシガシな組合のイメージが個人的には強かったのですが、more fishのパートナリングはGagaベースだからでしょうか、緩めた身体をベースにしながらテンションかける時はかける、みたいな感じで新鮮でした。

4時間あっという間。

Holiday Market

クラス終わり、また散歩しながらの帰り道。
地図的にもPeriDanceが近いことは知っていたので、勘でUnion Squareに出る。
日曜日だから何かイベントやってないかな、と思ったらHoliday Marketが開催中。

Thanksgiveingのあたりから年始くらいまで開催されるらしいHolidayMarket。
NY内の様々な広場で催されている模様。活気があって楽しいです。
すれ違う人々もどこか楽しげ。お土産買うのにもいいかもですね。

December 2nd, 2024

BlackFriday明けの月曜日はCyberMonday、なんでもありですね、もはや笑
今日は朝9時からGagaを受けにMarkMorrisへ。3回チケットを買ったのですが、Cunningham Techniqueにはボッコボコに凹まされたのでもう受けたくないなぁ、ということでチケットの残りはGagaで消費します笑

意外とGagaって受けたことないんですよね。日本で2回くらいかな?
NYではGagaは人気みたいです、色々なスタジオで週に何本もあるし、ティーチャーもたくさんいる模様。でも昨今のイスラエルのこともあり、ちょっと白い目で見られることもあるらしいです。

Gagaってティーチャーによって結構内容が違うんだな、と改めて。そもそも自分のペースでやるメソッドなのですが、かけられる言葉が結構違うので面白い。

福祉とダンス

Gagaのクラスは1時間で終わるので、次のGibneyでのクラスまで少々時間がありスタジオ内をウロウロ。ラウンジにあったキャプションを読んでいると、このMark Morris Dance CenterはMark Morris Dance Companyのリハーサルスペースとして建てられたのですが、設立当初からパーキンソン病患者との関わりをダンサーのトレーニングの一環として取り入れていた模様。

 パーキンソン病患者とダンスといえばイタリアのDance wellが日本では耳馴染みあるかもしれませんが、やはり身体という接点で福祉とダンスは近しいところにあり、似たような考え方は時期は違えど世界的に出てくるのですね。

MarkMorrisとパーキンソン病患者の関わり
MarkMorrisDanceCenter設立のあらまし
冷静に考えて、いちカンパニーのリハーサルスタジオとしての規模としてはすごい

そして感動したのが、パンフレットの文言がダンスの良さについて言い切っている点。多くのコミュニティがあるNYにおいて、言い切らないとone of them ではなく「あなた(=you)」には届かないのかもしれないね、と冠ちゃんと話したり。そして投資してもらうためにも価値をしっかり提示していかないとお金が集まらない、という部分もありそう。

意外と抽象的な物言いなのだけど、その前提としての文化の価値が社会的に共有されている感じが文章から感じ取れる。その点は羨ましいな、と思います。

多分毎日やっている閉店セール

昼からGibneyで2クラス。何気に1週間ぶりのGibneyでした。重さをシフトしながらの振りも床ゴリゴリの振りも親しみのある動きながらちょっと違う神経を使う振付で良い刺激。

夜のJudson ChurchでのMovement Researchショウケースまで暇なのでとりあえずGibneyからSOHOまで歩く。もはや歩きとしては慣れた距離ですが、寒さがキツくなってきました。Black Fridayてどんなものかしら?と気になったお店をひやかしたりしながら北上。

Judson Church近くのカフェへ。19時まで開いているカフェも少ないので探すのも一手間です。閉店近くまでまったりしていると、突如閉店セールというか、もう閉めるから余ってるパン食べていいよ!と配り始める店員。お客さんも遠慮なく食べる。いいね、廃棄になるよりよっぽど良い。

自分のための、癒しのためのダンス

時間になったのでJudson Churchへ。今日のプログラムはArtists of Color Councilのキュレーションによるもの。あえて有色人種のアーティストのコミュニティがあるということは、やはり相応の状況がある、あったということなのだと思わされる。普段クラスを受けていると、人種など関係なく受け入れられているように感じるが、まだまだ継続的に取り組むべき問題はあるということ。

プログラムの内容は、1つ目はBabou Sanneh振付のデュオ。バリバリに踊るデュオなのだけど、表情が良い。身体のエネルギーと表情の明るさが揃っている良さ。よくダンスにおいて表情大事、と言われますが顔ばかり頑張って顔サーと揶揄されることもよくあります。が、この作品の表情と身体の揃い具合は腑に落ちる良さでした。

2つ目はSunhi Willa Keller振付のグループ作品。ジェスチャーやアイコン的な振付とストーリーテラーの語り、寸劇を交えたダンスシアター風味の作品。アイコン的な振付ってアジアのコンテンポラリー・ダンスの振付の特徴なのかな、とNYでいくつか観た作品と比べながら観たり。

3つ目はRoxanne Youngのソロ。作品説明に幼少期の性的虐待によるトラウマを解放する癒しのプロセスのために作られた、とあるようになかなかにハードな作品。いわゆる振付のダンスではない、高い身体能力による生々しい踊りはこちらの入り込む余地のない、ただ自己表現としての、自身のためのダンスでした。でも素晴らしかった。人によっては感情移入しすぎて辛い作品、トリガーアラート必要なんじゃないか?ていうレベル。でも自分のためだけに、自分を癒すために作品を作っても良いんだよ、そしてそれは自分のためであっても誰かに届くこともある、そんなことを感じました。とくに日本ではあまり観ることの出来ない類の作品が観れたのは良かったです。

帰りに寒すぎたので近くにあった中華屋でお粥を食べる。小籠包もちゃんと油断すると火傷するアツアツ感で良き。中華料理食べれれば帰国までは和食は余裕で我慢できそうです。

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