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【旅日記】ハードスケジュール長崎観光!グラバー園から軍艦島まで
<長崎ひとり旅#4>
「長崎 観光スポット」で検索すると、1日では到底回り切れないほどの膨大な数の場所がヒットする。観光地というものが大好きなわたしは考えた。せっかく行くのだから、可能な限り行ける場所には行きたい。
ということで、ひとり旅なのをいいことに、限界まで予定を詰め詰めにして歩き回ってきた。今回はその記録である。
グラバー園
えっ!?17時半からでも入れる観光名所があるんですか!?
……あるんです。長崎旅行初日、崇福寺→興福寺→大浦天主堂と回った時にはすっかり日が傾いていたのだが、まだまだ観光したい!という意欲に燃えていたわたしは、大浦天主堂から歩いてすぐの場所にある、言わずと知れた観光名所、グラバー園の存在に気づいた。
「洋風の庭園なんだろうな」というふわっとしたイメージしかなかったが、せっかく夜まで開いてるらしいので入園してみた。
入ると分かるのだが、広大な園内は高低差がものすごい。歩いて移動しようとしたら大変である。そのため基本的に上りは「動く坂」としか呼びようのない変な通路で移動する。屋根がついていて、中は愉快な音楽が流れている。RPGの町にいる楽団みたいな曲。(?)
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園内にはぽつりぽつりと、古い洋風建築物が移築してある。
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美しい洋館を眺めたり、キッチンカーの並ぶ広場で談笑している楽しそうな人たちを見たりしていると、ここってひとりで来るような場所ではないんじゃないかという気がしてくる。なんだか寂しい感じの気持ちになりながら歩いていると、展望台があったので登ってみた。
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展望台から見えた景色は、はっとするほど広島県の尾道に見ていた。向こうに陸地の見える細い海、造船所のクレーン、山の傾斜を埋めるように建てられた家々。どこに行ってもわたしは水のある風景が好きだ。水辺で人々が暮らしている風景が大好きだ。
グラバー園の出口には、「長崎伝統芸能館」という建物があった。冷房が効いていて、昭和の匂いのする資料館って感じで、とても楽しかった。展示の内容は「長崎くんち」というお祭りの山車や映像などである。グラバー園の本編(?)よりこっちのほうが個人的には好きだった。
出島
江戸時代、鎖国体制下で唯一西洋へと開港していたのがこの出島である。横の細道から入れると思ったのだが、きちんと橋を渡って入口で入場料を払う必要があった。令和の時代、出島はテーマパークなのである。ちなみにここも夜まで開いていた。二日目の夕方、滑り込むように入場する。
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出島も、かつて使われていた建物が復元されている点はグラバー園と似ているが、ほとんど日本家屋なのと、歴史を学べる博物館的な役割が大きいことが違っていた。全てを丁寧に見ようとすると半日は要するだろう。
出島は海に浮かぶ島なのかと思っていたのだが、江戸時代に岬の突端に作られた人工島であったのが、周りがどんどん埋め立てられ、現在では完全に内陸化したのだという。びっくり。色々な展示があったが、特に食器などの出土品の展示が面白かった。
長崎ロープウェイ
長崎は夜景の名所としても知られている。2021年には上海、モナコとともに世界新三大夜景に選出されている。
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直前まで行くか悩んだ。家族やカップルでにぎわう中ひとりで夜景見て楽しいのか…?日中馬鹿みたいに歩き回ったからくたくただ。このままホテルで休みたい……。
でも結局、馬鹿をやるなら夜までやろう!と思ってバスに乗った。二日目の夜のことである。
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バスでロープウェイの駅まで向かい、稲佐山山頂まで登る。山頂駅で降り、展望台まで歩く。円柱型の大きな建物だ。
上から見えた夕焼け空は、まるで燃えてるみたいだった。ああ、綺麗だ。
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夜景が美しいといわれる理由もよく分かった。山肌に星屑がちりばめられたような、奥行きのある光たち。坂ばかりの長崎の町ならではの、魅力的な夜景だった。行くか悩んだけど、やっぱり来てよかった。
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軍艦島クルーズ
旅の最終日の朝。いよいよこの時がやって来た!
この旅でいちばん楽しみにしていた、軍艦島への船旅である。長崎港ターミナルの、予約していたクルーズの会社の窓口へ行き、旅客名簿と誓約書(!)を書いて、料金を支払う。現在は波が高いから上陸できるか分からないと書いてある。上陸できますように!
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船に乗り込み、右の窓側の席に座る。船内ガイドで右側に映る景色の解説をしてくれるため、右に座るといいと聞いていたのだ。
この船内ガイドが、なんだか血の通ったガイドという感じですごく良かった。セリフを読んでる感もガイドしてる機械感もなく、聞いていて心地が良い。軍艦島の上陸に伴う定められた基準のことも丁寧に教えてくれる。
そう、軍艦島クルーズに乗ったからといって、上陸して軍艦島を見学できるとは限らないのである。この辺は予約する際も乗船する際もきちんとした説明があるので、行かれる際はよく確認しよう!
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この時期(9月)、たとえ遠くであっても海上に台風があると波は高くなる、ということも船内ガイドで教えてくれる。
途中で右側に見えた島の沿岸部に、白い立派な教会やマリア様の像が見えるのが素敵だった。硫黄島も見えた。硫黄島は有名なのでなんとなく知ってはいたが、なんと、本島と橋で繋がっているのだった。
その時くらいまでは美しい海と島の景色にうっとりしていた。
が……外海に出た途端、にわかに波が高くなってきた。うねるように船は上下し、お腹の中が掻き回されるようになる。まるでアトラクションのごとくである。必死に下腹部に力を入れて抵抗(?)したものの、軍艦島周辺に着いた頃には、完全に船酔いしていた。最悪だ。朝に酔い止めは飲んでいたので完全に油断していた。急いで「追い酔い止め」を流し込む。
軍艦島へ上陸する基準は、波高の基準が本来50センチ以下。ただし現在は見直しへの議論が行われており、一時的に80センチに緩和されていた。果たしてこの日の波高はというと、波高計の数値は84センチだった。船内に落胆の声が漏れる。上陸は不可能、船は周遊コースに変更になった。
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気分が悪すぎて、空咳をして震えていたわたしに、隣に座っていたおじいさんが声をかけてくれた。「船酔いしました」と答えるやいなや、すぐに黒いビニール袋をもらってきてくれて、「2階に出たら気分が良くなりますよ」と言ってくれた。おじいさんありがとう😭
ふらふらしながら2階へ向かい、手すりに捕まって、吐き気から気を逸らすように必死に深呼吸した。上陸不可となったため、船は左側を島に近づける形で軍艦島の周りを回る。わたしは右端でただの海を見ながらおもいっきり息を吐く。何故か両手が痺れていて恐ろしい。
結局、わたしは耐え抜いた。黒いビニール袋は精神安定効果だけにとどめ、本当の使い方をせずに済んだ。帰りの外海がそれほど揺れなかったのも幸いだった。気分の悪さは残像のように残るものの、絶望的な吐き気はおさまった。帰りの海の輝きも楽しんだ。軍艦島クルーズというより漁船体験みたいだった。(軍艦島ほぼ見れてないからな)
席に戻って、隣の席のおじいさんにお礼を言った。ひとり旅だと息巻いていたけれど、人はひとりでは生きていけないことを知ったのである!
ずっと変な感じに身体に力を入れて揺れる船の上に立っていたので、へとへとになって下船した。上陸できなかったので700円くらいの返金があった。
とにかく一度休みたくて、港の近くのゆめタウン(山口にもあるお馴染みのショッピングモールだ)に入ると、実家のような安心感だった。海の見えるカフェでレモンスカッシュを飲んだらだいぶ元気になった。
今回の教訓。9月に軍艦島には行かないほうがいい!!
いつか台風シーズンじゃない時に絶対またリベンジします。
ということで、4回に渡ってお送りした長崎旅シリーズはこの辺で終了にしたいと思います。本当は紹介できてない場所がまだあるのですが…来週には次の旅行に出てしまうので。
読んでくださり本当にありがとうございました!
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