霜月祭り

九時にひなみ文庫での出張喫茶を仕舞いにして、夕飯にコンビニの坦々麺を食べてたのに家で優子さんがうどんを茹でてくれていたので少し食べようと思ったら、全部食べちゃって、食べすぎたなぁ、この後眠くなっちゃたらどうしようかなと思いながら、コートを持ってストールも持って、水筒にお茶を淹れて、南信濃に行った。木沢の八幡神社で今晩開かれる霜月祭りを見に行った。
荘厳で静かな祭りでもなく、屋台が並んで花火がバンバン上がる祭りでもなく、というか大体はどっちもセットなのだろうけど、氏子でもない限り神社の社の中で執り行われる祭事を間近にすることはないから、祭りといえば花火と屋台のそれ、その僕が触れてきたどれとも違って、祭り自体が賑やかで、面をつけて踊る地元の衆は、神様に見えるかというとそんなことはあんまりないけど、神様と人がごっちゃになって繰り広げられる様が新鮮で、何より笑いが頻繁にそこここから沸き立つ、
10時半頃に着いて社に入って見始めて、終わったのは2時を回った頃だったから3時間以上そこにいたのだけど、ずっと面白かった。上段から神様が降りてきて、三つ並んだ竈門の周りを踊るのだけど、
ヨォセぇ ヨォセ!ヨォセぇ ヨォセ!
人間が煽る、
足を大きく開いて腰を落として、両手を前にして行くぞ行くぞと構え、人間たちの壁に向かって神様が突っ込んで背中からダイブする、
何回もそれを繰り返して最後には、ここが一番驚いたところ、脇で控えてた神主が「よいそれ!」がっしり神様を捕まえると周りにいた人間がよってたかって神様を担いで上段に押し戻していく。
天狗や天伯やなんとか大神に混じって、赤子を抱いたじいさやばあさの面があり、人間も出てきて、恵比寿なんかも、何しろ三千の神様が小さな社に集まって賑やかに遊んでたら朝になってた、というのだ。
赤石山脈の、山深い谷の小さな集落で、きっとずっと八百万の神様が集まってくる祭りをしてきたのだろう。都や大きな街にある社からこんな人里離れた山奥にみんながやってくる、都の人間が知ったらそんなことを許したか、そんなの関係なくここが神様の集うところだとやってきた、

そこがいい。
昼間の暇なときに立つ稽古をしてたおかげで、3時間以上じっと立っていても全然苦にならなかった。

3時頃に寝て、9時過ぎまで寝てたら、隣の優子さんが起きて
アタマイタイ

というので、背中をさすり始めたら手が仙骨に伸びて、ちょっと出っ張りが気になったのでそこに触れてたら、骨が僅かに動いたのでいいんじゃないかと思ったら、少し楽になった


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