作者の死のはなし(連作関係まとめ)

5/31に新曲「花の色」を公開します。
今回は「この夏をなぞる」というコンセプトで連作1作目として公開準備を進めています。
mtrikaではよく「連作」という言葉を使っていますが、14曲目となってだいぶ作品関係が複雑になってきたので一度整理しておきます。

現在進行中の連作は、下のものになります。

【連作(大括り)】
そもそもmtrikaという名義での創作行為自体がひとつの連作だと考えています。

【連作(並括り)】
ここの次元のことを普通の人は「連作」と呼びがちだと思います。mtrikaは以下3つの連作を進めています。
第1期「白」(完結):「書斎の幸福論」「春、あけぼの」「花束、カンタービレ」「海の月」「乗合軌道」「補遺、ラブソングについて」「真綿のようでありました」「雲と砂時計」「五番目の季節」「白」の10作品。制作がなかなか遅れていますが、いい加減アルバムを作ります。なんの話だったのか、具体的にはアルバムに掌編小説をつけます。一言で言えば「引きこもって創作だけやって思い出だけを食べてひとりでただ忘れていく話」です。
第2期「花の章」(連載中):連載という表現が適切かわかりませんが、そんな意識でやっています。「十五夜」「群雨と時鳥」「花見月」の3作を公開中です。どんな話かは公開が進むにつれてあれこれ考えていただけたら嬉しいです。
第3期「歌会わせ」(連載開始):新曲「花の色」は第3期の初出し曲です。第2期と第3期は対になっていて、第2期と逆の視点からの曲が第3期となります。ちなみに7月に公開するボカデュオの曲も第3期です。

【連作(特殊)】
そしてこの夏、第3期の「花の色」をはじめとして5曲程度の連作を考えています。これらは第2期、第3期の曲が混じっています。いわば連作内連作です。第2期と第3期はお互い関連し合っているので、その中の曲を季節に沿って公開していこうというのがこの連作になります。本来の連作に加え、実時間とリンクした季節的経過とともに味わってもらえれば嬉しいです。

書き出すとなかなか複雑で長くなりますが、こういう感じでも楽しめますよということで、よろしくお願いします。
ちなみに、連作にこだわる理由ですが、だいたい次の2つが理由です。
1. 完全に文脈から独立できる作品は存在しないので、せめてその文脈を創造して創造の層を多重にすることで少しでも人工的な密閉空間を作ろうという悪あがき
2. 数分の、しかもある程度耳馴染み良くまとめられた音楽ジャンルのなかで、1曲だけで語れることはそう多くないから
限られた情報量上限のなかでより語るために、自己言及やら引用やらをよく使っています。

まあ、そんなことも忘れて曲を聴いて、何か綺麗だなと感じてもらって。
ごちゃごちゃ言っておきながら、全然それでいいと思っています。
音や詞の一節が作者を忘れて、曲すら忘れて、聴いてくれた人のどこかで消化されていくのがきっと一番幸せじゃないですか。

mtrika

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