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なんでもない日だけど、特別に感じた日

特別な日。
それは結婚記念日、子供やパートナー、大切な人の誕生日。
人生の中で、大切にしている日。

私の特別な日のイメージは、こんな感じだ。
そんな日が私はちょっと苦手だ。

そんな日を、忘れる人なんていはず。
そんな常識に当てはまれない自分が、ちょっと残念だからだ。

寝る寸前までは覚えてる。
そう。
覚えているのだ。
しかし、朝日と共に、その記憶は溶けるようで起きたら忘れているのだ。
自分の子供たちの誕生日であっても。
この事実に驚愕し、自分に呆れた。

そんなことなので、結婚記念日、
夫の誕生日など、記憶の片隅にも存在しない。
共に生きる時間が長くなるほど、そうなっていった。

正直、そんな自分が残念だった。

『ごめんね。いっつもなんでだか、起きると忘れてるねん。』
そう、うつむきながらボソボソと言い訳をする私に夫はこう言った。
『誕生日、結婚記念日?そんなんが特別やと思ってたん?
そんな日だけが、特別とちゃうんやん。
朝起きたらゆうのが居る。そんな毎日が記念日やから。』

『…。』
怖っ。
内心、何言ってんねやと思った。
いちいちカッコつけて、言い終わった後のドヤ顔が無性に気色悪く、持っている熱々のコーヒーをぶっかけたくなった。笑

でも、こんな気色の悪い歯の浮くような小言をつぶやく夫がいる。
そんななんでもないこの日常が、なんだか特別に感じてしまったのだ。

悔しいような、同じように気色悪いような気もする。
でも、そう思えてよかった。

『いつもありがとう、夫よ。』
こんな会話のやり取りが、お決まりになった結婚記念日9年目。

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