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TomoHaiku友野雅志の俳句

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日頃書きためた俳句です。noteスタートからの最近のものだけのっています。それ以前は、下をご覧下さい。 …
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2021年4月の記事一覧

Tomo俳句、朧月。

何待つか忘れるほどの朧月 朧月モノクロの頬思いだし 朧月数万年を睡りけり 朧月盃をゆらし…

Tomo俳句、春驟雨。

ヒールの汗も冷えている春驟雨 春驟雨セレナーデから泡の夢 一日すべて星に沁む春驟雨 ポツ…

Tomo俳句、勿忘草。

名忘れし勿忘草に空があり 勿忘草ブルードレスとすれ違い 勿忘草花弁濡らして声聞こえ 唇に…

Tomo俳句、四月尽。

影ノワールのあざやかさ四月尽 パステルが都市に染みこみ四月尽 四月尽青が星を満たしけり …

Tomo俳句、花時。

花時やピンクの風が足染めて 花時やいのちあつめ一気に果てぬ 花時を駈けぬけていく娘かな …

TomoPoetry、春光。

春光や天のひらよりあふれけり 春光を子午線はまっすぐ青し 春光の大路にいでし赤ヒール 春…

Tomo俳句、啄木忌(四月十三日)

啄木忌洗う骨ペンのほそさなり 啄木忌厠と海で裾濡らし 捨て忘れたし郷と父啄木忌 邦もキムチの国もかなし啄木忌 恋の染み干せど乾かず啄木忌 あわれあわれなれもあわれ啄木忌

Tomo俳句、さくらもち。

あたたかさゆるりとまるくさくらもち さくらもち噛みてまた来る季節知る ショールの香のかす…

Tomo俳句、藤。

藤の花身まかせたまま散りにけり 頬に藤昨夜の髪のやわらかさ 水面の藤乱れおり夜雨過ぐや …

Tomo俳句、躑躅。

陰は濡れ色乱れたり白躑躅 躑躅水面よりゆらゆら消える 目閉ず躑躅降りつづけて万華鏡 どこ…

Tomo俳句、放哉忌(四月七日)

ひらに光のみ残れり放哉忌 あたたかき石のやさしき放哉忌 ひとなき道を引かれ行き放哉忌 放…

Tomo俳句、春昼。

春昼の陽のたかさで揺れる夢 ひかり降る万華鏡の春昼や 額に空の粒春昼のキス 青い絹人みな…

Tomo俳句、霞草。

雲のなか鳥まるくなる霞草 霞草俯く顔をかくしけり 霞草天と地星が揺れており 霞草ひかりに…

Tomo俳句、春夕。

春夕や紅変えコート裾軽し 春夕魚の目の奥はまだ青 フラミンゴ空燃やしたり春夕や 春夕やバス手すり我染まりけり 春夕やオリーブのごと沈みゆき