砂の城
画面のひびが指に当たって、ざりざりと、触れたところが、小さく欠けて気づけば手の中にあるものは小さな石になった。
石をなぞれば、固さに親指は耐えかねて、割れたところから砂がこぼれた。
繰り返す日々が石を磨く。
指からは砂がこぼれる。
こぼれた砂で作った砂場に誰か呼べたらよかったのだろうか。一緒に遊ぼうと声をかけることを思い付きもしなかった。
気づけば部屋は夕暮れの公園を模した、私しかいない。
石は失くしてしまったというのに、指からはまだ砂がこぼれている。
ブランコはどこにもいけない人のための乗り物です。