起点と終点にまつわる
花粉でぐちゃぐちゃでも、おわりや始まりが苦手でも、どうしようもなく春が好きだから、寒いなと思いながら着こんだ春用のコートに温い日差しを浴びながら大丈夫、大丈夫と何度も唱える。
いつかの自動販売機から転がりでてきたのは私がぶつけた好意への返答で、自分が選んでいるにも関わらず求めたものがでてくることに安心していた。
ここはホーム
春は私のことが好きなのだろうか?
(私はもう随分春を起点にに生活をしているというのに)
「私もいつか、風呂とトイレが別の部屋に住みたいな」
ホームで語る生活の夢は膨らみを増していく。
「本当は神様になりたかった」
キンモクセイのにおいがするのはどの季節なのか答えられない。