【IT業界】資格取得は不要なのか?
はじめに
X(旧Twitter)や個人ブログ、その他SNSや知り合いとの会話と、場所は問いませんが「資格取得は必要ない」「資格を持ってなくてもスキルがあればいい」といった声を結構聞きます。
そんな話題が出ると「そうかもしれないけど資格を持っていたほうがいいに決まってるじゃん」と思います。しかし、「資格は必要ない」的な話題のスレッドには結論が無く、個人の意見がただ適当に散らばっているだけの様に思います。そして、「資格は必要ない」と言っている人のプロフィールを見ると資格をたくさん取っていたりします。。
かくいう自分も結構取得はしているような状態?のようです。。(一応プロフィール載せときます。)
本記事では「資格取得」は必要/不必要に対する自分なりの考えを勝手ながらここにまとめて思考整理をしようと思います。
これからIT業界を目指す方やIT業界に携わっているけど「資格取得って意味あるの?」と思っている方々に参考になればと思います。
~注意~
本記事は大いに私見を含む内容となります。
本記事の内容は一個人の考えであり、私の経験や考えで記載されています。参考程度にとどめていただけますと幸いです。
また、筆者の考えについては以下の「資格は取得したほうがいいのか?」の章で記載しているため、前置きなんて知るか!という方は「IT業界の資格について」をスキップしていただいて構いません。
IT業界の資格について
「資格は必要なのか?」というテーマを考えるうえでまずは前提となるIT業界の資格体系を理解する必要があります。
IT業界の資格は様々あり、種類によって問題の趣旨や問いの内容が全く異なります。大まかに分類すると以下の4種類かと思います。
【IT業界】_資格の種類(実施団体別)
1.ベンダー系資格
2.国内民間資格(民間企業主催)
3.国内国家資格(IPA主催)
4.国際資格(国際団体など主催)
具体的な資格名で記載すると以下になります。
1.ベンダー系資格:
CCNA, Oracle Master, Microsoft認定資格, AWS認定資格系、Google認定資格など各メーカー製品に関するメーカー主催の資格。
自社製品に関する問題のため、自社製品に関する専門的で実践的な内容を問う問題が多いイメージ。
2.国内民間資格(民間企業主催):
LinuC、P検、C言語プログラミング能力認定試験などメーカーではない第三者組織・団体が独自に行っている資格。
特定の製品ではなく一般的に通用するような知識の確認を目的とするものが多いイメージ。知名度が低い資格だとあまり評価されていない気がする。。
3.国内国家資格(IPA主催)
ITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士などIPA主催の認定資格試験。
基本/一般知識から高度な知識までと幅広く実施されていて、日本国内の企業であれば多くが有名。レベル4に該当するスペシャリスト認定を受ければ評価も高い認識です。
4.国際資格(国際団体など主催)
PMP、EXIN、ITIL、CompTIA認定資格などの海外企業が主体で実施している認定試験で国際標準規格(ISO、IEEEなど)に準拠する形で問われることが多い。
日本国内では知名度が低いが国際企業ならそれなりに知っている人も多いイメージ。マネジメント関連が多い?
具体的な資格にもよりますが、ざっくりと以下の様な範囲で問われるイメージです。
資格認定をしている組織・団体ごとの主な種類が上記の分類になりますが、上記すべてについて、さらに業界のポジションなどで以下の分類もあります。
【IT業界】_資格の種類(分野別)
上記「【IT業界】_資格の種類(実施団体別)」で述べた4つすべてに言えることですが、開発側、インフラ側、さらにマネジメント系、最近ではMachine Learning(ML)系などもあり、実施団体が同じでも資格の種類によっては内容が全く異なるものも多いです。
具体的に資格名で分類すると以下のイメージです。
※筆者のプロフィールを見ていただけるとわかりますが、筆者自身はネットワークエンジニアの経験しかありません。一部は自己学習や趣味の一環で名称を記載しておりますが、間違っている場合もあります。
資格は取得したほうがいいのか?
1.筆者の考え(結論)
前段の資格についての内容が長くなってしまいました。。
タイトルにある「資格は取得したほうがいいのか?」についてですが、筆者の考えでは「資格取得をした方が良い」と考えてます。
しかし、これには前提があるという点が肝心だと考えてます。それは、「あなたにはスキルを証明できる具体的な経験があるか?」です。簡単に言えば、職務経歴書に記載する案件の実績とその案件での役割です。
経歴で相応にスキルがあることを証明できる。または近しい経験をしていることが証明できるのであれば「資格取得は必要ではない」と思います。
2.なぜ取得した方が良いのか?(たとえ話を交えて)
例えば、あなたはIT未経験者としてIT企業にエンジニアとして採用され、ネットワーク構築の案件に参画したい!」という思いがあるとします。
上司や営業はネットワーク構築の案件を受注できたとして、案件内で必要となる作業や必要な工数などを見積りを出します。そして、この見積りに対して適切なメンバーをアサインします。
このアサインの際、担当するメンバーのスキルが低すぎても案件はこなせませんし、スキルが高すぎるメンバーをアサインすると工数的に無駄が生じます(エンジニアの単価が高いので)。そのため、この案件で適切なスキルを持ったメンバーをアサインする必要があるのです。
案件のお客様としても、担当者のスキルが高いのか低いのかは重要です。なぜなら、大金を払ってシステム構築を依頼したのに「納期までにできませんでした。」となれば大変です。
つまり、お客様は「担当者のスキルが案件(の見積もり)に見合っているのか?」を気にするわけです。
では、仮にあなたが案件のメンバーをアサインする立場にあるとします。
あなたは何を基準にメンバーをアサインしますか?
そして、メンバーをアサインした際の理由を、お客様に納得いただけるように説明できますか?
これが重要になります。
仮にメンバーにアサインする候補として以下の2名が出ているとします。
・Aさん: IT業界未経験、案件実績なし、関連する資格取得なし。
・Bさん: IT業界未経験、案件実績なし、CCNA取得済み。
上記2名でどちらをアサインするかは簡単ですよね。Bさんです。お客様に理由を問われたら、「資格取得はしているため知識面では問題ないが、案件実績はないため別途リーダーを付けることで問題ないと思います。」といった理由が作れます。
(※納得いただけるかは案件やお客様状況によります。あくまで単純な仮で作ってます。)
案件の見積もりと担当者スキルを提示したとして「それは妥当なのか?」を説明できる理由を作りたいのです。
3.企業は「営利組織」であることを認識する
筆者自身も日本生まれ日本育ちの日本人ですが、正社員として雇われるとクビにされにくいと考える人が多いと思います。法律的にも正社員をクビにすることはかなり難しい手順が必要だと思います。(筆者は法律に詳しいわけではありません)
そのような状況で一社員として働いていると、仕事のアサインされていなくても会社で給料をもらって在籍し続けることが可能です。
お金をもらう側の社員としてそのような状況はかなり美味しい状況です。しかし、会社としてはどうでしょうか?
会社としては仕事をしていない社員の給料分まで案件をこなし、給料を賄わなければなりません。
つまり、仕事にアサインされていない社員はコストでしかないのです。
利益を生まない社員に対して考えうる手段はクビか減給です。なぜなら、無価値なものに大金を払わないといけない状況は会社の成長を阻害する要因になるためです。
家の中に壊れた扇風機があったとして必要ないなら捨てますよね?と同じ考えだと思ってます。
4.「将来性」を作りだせ!
さて、新入社員や未経験採用で「自分はまだ役に立ててない。。」と感じる方にはかなり厳しい話をしました。しかし、社会で労働をし対価を受け取っているなら上記認識をしておいて損はないと思います。
ここで少し方向は変わりますが、企業側が採用活動をする中で、経験も資格もないけれど、将来性や気概から見える期待から採用し、一定期間の自己学習や研修を受講してもらうことで将来的には利益を生み出せる社員にするために採用するケースがあります。新卒採用や未経験採用、ポテンシャル採用というやつですね。
ここで重要なのは今は無価値でも将来的に価値が出る(上がる)という考え方です。
会社の中で活躍したい!稼ぎたい!役に立ちたい!と思うのであれば、今、会社にとってあなたの将来価値が上がるように動くほかありません。そのように行動することで、案件にアサインされていない上、利益を出せていない立場であってもクビや減給といったような対処をされなくなります。
5.まとめ
私の考えでは未経験や新卒の立場で経験が浅く、スキルレベルを証明できるものが無い場合は「資格取得をした方がいい」と思います。
お客様に担当者のレベルで不信感を持たれず、アサイン時の理由作りのためにも、また「将来性」を作り出すためにも「資格」でアピールするという手段は未経験や新卒の立場ほど有効に働くと思います。
さいごに
あ~~~勉強しないとな~~~~~。自分のペースでいいんですよ~自分のペースで一日1分でも勉強すれば~。。
おわり!
参考
・AWS認定資格
・Microsoft認定資格
・Cisco認定資格
・Oracle認定資格
https://www.oracle.com/jp/education/certification/allcertification-172551-ja.html
・IPA資格試験
・EXIN認定資格
・ITIL
・G検定