九月さんのお笑いライブ「第197回単独公演 門戸公演 vol.2」を見た

前回のレポート
https://note.com/mtmt8aaa/n/nd7bce669121f

前回、兵庫を甘く見ており開始に間に合わなかった教訓を活かして、今回は開場の一時間前に家を出た。
夫に見送られ、駅に向かっている途中でスマホを家に置き忘れたことに気が付いた。間一髪。乗る電車も会場までの地図も何もチェックしていなかった。予習という言葉に縁のない人生である。

さて、普段は大阪・京都を拠点としている私にとって、阪急沿線の兵庫は難しい。
前回は宝塚線に乗らないといけないのに発車間近の神戸線に飛び乗って焦ったので、今回はしっかりナビタイムで乗る時間と電車をチェックしてから乗車した。

しかし、乗り換えの西宮北口でまた間違えた。
6・7番ホームに行かないといけなかったところ、5番ホームだと勘違いしてしまった。だって、今津行きって書いてたんだもの。
ナビタイムを見ていて、発車時刻が合わないぞ、なんか変だと気付けたことが勝敗を分けた。

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九月さんがXに乗せていた禍々しいエネルギーを放つ遊具を見付け、会場である門戸寄席J:SPACEに到着した。
商店街にあるお肉屋さんみたいなガラスの引き戸を開けて入るともうお客さんがいて、私も落ち着く席を確保した。

関西での公演場所難民である九月さんが、やっと定期で使えるようになったとても素晴らしい会場。でも、来春からは建て替え工事で一年ほど使えなくなるらしい。悲しいね。

近況の話では、宇都宮に行ったときに入った喫茶店の嫌なおばちゃんが宇都宮を凝縮したような人ですごかったという話が印象に残った。
なんというか、私もその人がどうやって今の状態になっているのか、頭の中でじっくり考えたりできる余裕というか余白?好奇心?を身に着けて行きたいと思った。

さて、印象に残ったコントを書いていく。

孫に毒を食べさせようとするおじいちゃんの話。
こらっ!若い子をからかって遊ぶんじゃありません!っておばあちゃんに怒られてほしい。でもおじいちゃんってああいうところあるよな~、多かれ少なかれ。
ちょっとだけお茶目で可愛い。

塩ラーメンしか出さない高圧的なラーメン屋の店主が自信とプライドを失ってどんな身の振り方をすればいいのか見失う話。
なんだか身に覚えのある感覚で、妙に照れくさい感じを味わった。自分への評価で保っていた自意識を揺るがされた時、なんだか「あ、まだまだだ。謙虚にいなきゃ」って思い出させられる。
そしてめんちょ!
https://youtu.be/uHotxWWfsIg?feature=shared

屋上にたむろしている生徒に工事するから危ないよ、と声をかけたところ憧れの「ヤンキー」で、過去ぐれることができなかった時の気持ちを昇華させるフェンス屋さんの話。
この人は本当に好きで、見終わってから心からよかったなぁと思った。我慢していた衝動って必ずどこかで発散していかないといけないと思っていて、この人はここだったんだろうな。ありがとうヤンキーたち。
https://youtu.be/KyFxMuBBvnk?feature=shared

学習塾の勧誘をねちっこく追い返すおばさんの話。
ねちっこくてめんどくさいんだけど、「全身グレー(の服)」をグレーな商売とかけて相手にぶつけるのは面白すぎるし気持ちよかった。
そんなおばさんは、夫のことが好きで「そういうところがある、そういうところが好きで結婚した」と何度も夫の好きなところを教えてくれる。可愛いところがある。

テレビが好きなおじいさんの話は、はっとさせられたなー。衝撃映像系のテレビって、本当におじいさんの言う通りテレビ制作の敗北を見させられてるな。ちゃんと真摯に作られた面白いものを見なきゃ!と思った。小説しかり。

巨人ビッグ・ビッグのネタで、痒いところから異物をつまみ上げる時の「ぬちぃ」って効果音がめちゃくちゃ好き笑

前回見た、彼氏が話を聞いてくれなくて「ふにゅー」っていう女の子や、地元のレゲエ系幼馴染とサーフィンに行くことを隠したい女の子、三途の川の岸がくさくて参っているおじいちゃん、屋根裏部屋で出会ったウロボロスの話などを見られたのも嬉しかった。
中でもウロボロスは、二回目で落ちをわかっているので彼の話をじっくり聞いてあげることができたと思う。
(お笑いの楽しみ方あってる????)

即興コントでやっていた、「ドーナッツ」と「ショートカット」も好きだった。あと何センチだったかな、197センチ?高身長のお題もよかった。
「ドーナッツ」は家庭を持ちたい男の人ができるところから頑張っていく話。「ショートカット」は彼について本当に心から諦めちゃった女の人の話。高身長のコントは要らないギフトをもらって生まれた人の話。

九月さんは世の中の面白がり方を舞台で教えてくれてる感がある。素直に受け取って私も面白く世の中を見て生きていきたいものですな。人生見方で変わると思うし。

九月さんが演じる女の子大好きだから、九月さんが髪の毛を耳にかけるとテンション上がる。待ってましたー!ってなる。
次回の門戸公演まで少しあくから、youtubeで九月さんの女の子いっぱい見ようっと。

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公演後、ゲリラ豪雨に足止めされて九月さんが雨宿り公演をしてくれた。暖かい人すぎる。

会場を出てから、無性に肉が食べたくなってファミからを食べた。笑うのってエネルギーを使うんかな。そういえば前回もからあげくん食べたし。
それぞれがしっかり面白い25作くらいの短編が収録された小説を読んだ気分になる九月さんの公演、今回も楽しかった。

帰りの電車を待つホームとか、乗り換えの駅であの人会場にいた人だな~っていう緩い繋がりをひと時だけ得られるのもいいよな。ライブって楽しいな。

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