哲学と芯のある住まい、そして意思を持って選ばれたピンクの話
先日、本間季里さんのご自宅にお伺いしました。
季里さんは『オフィスEsteem』で個人向けにコーチングやストレングスを使ったセッション、法人向けに産業医、各種研修を手掛けるなど多方面で活躍されています。
季里さんのウェブサイトにアップされているブログには、お仕事の記事のほかに、お庭とご自宅のリフォームのお話、リフォーム後の暮らしについても折々に綴られています。
いつか行ってみたいと思っていたところ、季里さん宅訪問をお誘いくださる方がいらして、憧れのお庭とお家をこの目で見て体験することができました。
心に浮かんだ言葉は『哲学と芯のある住まい』
ブログでご自宅の話は読んでいましたが、実際に季里さんのお庭に足を踏み入れるとそこには想像以上の光景が。心にパッと広がる感動がありました。
お庭は4月という季節もあり、新緑に花にみずみずしい生命力が満ちていました。
花壇には可憐なクリスマスローズ。モッコウバラも花ざかりで生垣が庭の奥行きを感じさせるアクセントに。
家のなかも素晴らしくて、家具やインテリア、ひとつひとつが呼吸しているかのように活き活きとしながら調和しているのです。
無駄なものが何ひとつなく、開放されていて『どこをみていただいても構いません。ご自由にどうぞ』と見せてくださるすごさ。
その潔さの中にもなんともいえない柔らかさがありました。
私はインテリアや建築が大好きです。好きが高じて今まで整った空間をたくさん見てきました。
ただ整った空間と、季里さんのご自宅は何が違うのだろうと考えたときに
『哲学と芯のある住まい』という言葉が頭に浮かびました。
家の中にあるひとつひとつが季里さんによって丁寧に選び抜かれたもの。
余計なものも、妥協したものもない空間は凛としているけれどとても優しい。ご自宅に、庭に、季里さんを感じる訪問でした。
ロゴに込めた思い、そして意思を持って選ばれたピンクの話
TOP画像にも使用したこの写真は、季里さんのご自宅のソファーを撮影したものです。
ここで使われているピンクに、私は並々ならぬ思い入れがあります。
合同会社『オフィスEsteem』のロゴと名刺は、本間季里さんが個人事業主で活動される時に作成をご依頼いただき、私が制作したものです。
ありがたいことに、会社を設立された現在も引き続き使っていただいています。
『オフィスEsteem』の名前は「self-esteem=自己肯定感、自己信頼感」に由来するもの。かたちの無い『Esteem』をデザインする。そのこたえはどこにあるのか。悩み抜いた先で見つけたヒントは季里さんご自身のあり方でした。
ご依頼を受けた当時の私は子育て真っ最中。季里さんと対面で打ち合わせする時も、事前に許可をいただいて抱っこ紐にまだ小さい子どもを抱えて打ち合わせに挑んでいました。
子どもを連れて行っても良いでしょうか、と確認しながらもどこかで子連れで当たり前と開き直りきれずに場に挑んでいる私がそこにいました。
一方、向き合ってくださった季里さんのお姿はナチュラルそのもの。
寄り添い方も本当に自然で、過度に気を使いすぎるということもなく、子どもがいても滞りなく打ち合わせを深めることができました。
その時。ああ、これが季里さんが今までやってきて、これからもっと広げようとしているお仕事での姿なんだなあと。
私は身体感覚で理解したのです。
子連れで打ち合わせにのぞんだ私が季里さんに感じたフラットで対等な安心感をロゴに込められないだろうか。それが『Esteem』をデザインするということなのではないだろうか。季里さんと向き合ううちにそう考えるようになりました。
ロゴの色には、ピンクをご提案しました。
打ち合わせでお会いした時のお洋服のピンクの色が印象的で、理知的なだけでない、季里さんの母のように包み込む大きな優しさ、内面のチャーミングさを表現するにはぴったりだと思ったのです。
季里さんにとって、ピンクは特別意識して着ていた色ではなかったようですが、提案理由を受け入れていただき『Esteem』の色はピンクになりました。
そして、ロゴには季里さんが一番好きな花「ヒルザキツキミソウ」をデザインしました。花言葉は「自由な心」「無言の愛」。
そして、4つある花弁のひとつひとつには、確かな自己信頼感<Self-esteem>、多様性の受容<Respect for each other>、互いの尊重<Diversity>、対等な関係<Equality>という季里さんが大切にしている思いが込められています。
そして、ヒルザキツキミソウの花の色もまたピンク。
ロゴの中にいくつものピンクの要素を取り入れながら、ロゴ単独で見た時の印象も踏まえてピンクのカラーリングを調整。いくつも意味と思いを重ねて、今のロゴが完成しました。
ご訪問した季里さんのお宅のインテリアに使われているピンクを見た時。季里さんと共に模索しながら探りあてたロゴのピンクが、季里さんが何気なく纏っていた服のピンクが。時を重ねながら意味を持ち、意思を持って選ばれ、そこにあるのがわかりました。
「あれからピンクは私のテーマカラーなのよ」と言ってくださって季里さんが微笑まれた時。
ああ、あの時ピンクを見出すことができて本当に良かったと心の底から思ったのです。
ここまで書いてきたように、ピンクはもとから季里さんご自身の中にあった色です。季里さんのお宅にもお庭にも私は何一つ寄与していない。それでも、微力でもなにか貢献できるものがあったのではないかと思うと、胸が熱くなります。
これからもたくさんの方が季里さんのサービスを利用したり、お宅を訪問することでしょう。そしてピンクのソファーもまた、あたたかくお客さまをお迎えすることでしょう。私もまた、ピンクのソファーに座り、あの心地よい空間で季里さんとお話しできるのを楽しみにしています。
季里さん、ありがとうございました。
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