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1300年間の人口推移からみた今とこれから
国土交通省のウェブサイトでは、西暦700年から2100年まで、過去から将来の推計までを含んだ日本の人口の推移を示したデータを公表している。
下図は、そのデータを用いて、作成したグラフである。
![](https://assets.st-note.com/img/1713666744860-GvNMrt7XgU.jpg?width=1200)
この長い時間軸で見た場合でも、最も目を引くのは、現在の局面である。
明治維新1865年以後の急激な増加の後、2008年の1億2,808万人をピークとして、人口は減少に転じた。
そして、今後は明治維新以後の増加とほぼ同じ速度で、減少し続けると推計されている。
明治維新以後の急激な人口増加も歴史上未曾有の事象であったが、今後始まると推計される急激な人口減少は、それ以上の転換を余儀なくされるのではないだろうか。
なにしろ、このグラフで示されている通り、過去1000年を遡っても、これ程急激な人口減少を経験した事がない。
少なくとも西暦700年からは概ね人口は増加してきた。急激な人口増加は、自然環境の破壊などの問題を引き起こしながらも、子孫の繁栄や経済的な発展をもたらすものとして、概ね肯定的に捉えられてきた。
グラフをみれば、急激な右肩上がりの線形は、21世紀の初頭と境に、同じ角度でこれまで辿った経路を同じペースで遡ることになる。
人間の経験的な感覚では、認識できないものの、このグラフの通り、1300年のタイムスパンで見た場合、今起こっている現象は、この未だかつて経験したことのないものである。
急上昇の後の急下降は、まさにジェットコースターのようである。
この人口増減のジェットコースターの中でどの様な事態が発生するのか。
拡大してきた人口に合わせて整備されてきた制度やインフラはどの様に維持され、或いは改められるのか。
今のところほとんど想像出来ない。
あくまで経済成長を目指す戦略など、人口増加局面に定着し今や形骸化しつつある仕組みの中で、ただ足掻いている姿しかない。