電車の座席における、隣客の上着巻き込みによる、攻防戦について
冬場の電車によくあるある。
空席を見つけるが、隣席に座ってる人の上着の裾がちょろんと、その空席に侵食している件。
私はその空席に座るまでに、身なりを整えたり、リュックや荷物を前に持ってきたり、お尻のポジションを見極めたり、と猶予を持たせている。
はず、なのに、はみ出した上着の裾を、回収してくれない人がいる。
十中八九、携帯に夢中になっている。
そちらがそういう態度なら、と仕方なく、空席に座る。
ちなみに反対側の席にも先客がいる。
だから、その上着の裾を避けて座るにも限界がある。
あまりにも避けて座ったら、逆に、反対側の人に、「えぇー、そんな距離感で座ってくるぅ?!」という不快感を与えかねないからだ。
私は、「この人は上着のことを忘れてるんだな」と開き直って座るのだ。
だが、しかし、but,
先日遭遇した隣客は、ちょろんと出した自分の上着の裾を、踏まれていることに気づき、くいくいっと時々引っ張る人だった。
いや、私も踏み続けたくはないので、片シリを上げて、上着の回収を促す。
でも、その、くいくいっがあまりにも力不足で、上着の裾は、私のシリ下から回収されない。
くいくいっ
片シリ上げっ
くいくいっ
片シリ上げっ
くいくいっ
って、攻防戦が止まらない。
思いっきり、引っ張ってくれよ、もう。
え、私のシリが重すぎるの?
嘘でしょ?
片シリ上げでも、なお、上着の裾を取りきることが叶わないほどに、私のシリが重いの?
想いの?重さなの?
こういうアトラクションなのかな?と思えてくるほどに、くいくいっ、がとめどなく襲いかかる。
そんなこんなしてたら、隣客は諦めた。
私のシリ下に、自分の上着の裾を委ねきったのだ。
私は勝った、、、とは思えなかった。
なんとも言えない、自分のシリの重さに対する疑念と、自分のシリ下にある上着の違和感を抱えたまま、終点を迎えた。
隣客は、私より先に席を立った。
上着の裾は、何の存在感もないままに、私のシリ下から、するんと抜けていった。
それくらいちょびっとしか踏んでない、あなたの上着の裾、さっさと抜きとってよ!!!
てか、最初から、自分のシリ下にしまっといてよ!!!
ちなみに、「座る時に、上着の裾を手で避ければ?」と思われる方もいるかもしれない。
私もできる時はそうしている。
先方に気づかれない程度に、さりげなく、あたかも自分の服を整えるかごとく、手で避けてから座る。
先日の攻防戦では、両手に荷物を抱え、それが叶わなかったことを追記しておこう。
また、私の巻き込み力について披露してしまうことになった。