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陸上記録会のこと。恩師の思い出

 小5の思い出話。たまたま短距離走が得意で記録会の練習に招集されてしまった。(運動が嫌いなのに)

 練習には参加したくない気持ちがどうしてもあり、担任の先生にも不参加の旨を伝えた。ある時放課後の教室でなぜ嫌なのかと、お説教をされた。「苦しい練習が嫌です、やりたくない、競技が嫌い」先生は穏やかにでも厳しい顔で聞いていた。そしてマンガ エースを狙えを貸してくれた。「苦しいことでも逃げずにやってみなさい。」という先生の意図が伝わり、漫画も渋々読んだ。熱血スポ根のマンガで読むだけで胃が痛くなる思いだった。

 嫌々記録会に出る事になった。といっても市内の大会だが、「ここで速く走ると県大会に行かなくちゃならない、嫌だな」そう思った自分はわざと途中からゆっくり走って何食わぬ顔でレースを終えて(100m)戻ってきた。すぐに指導の先生につかまった。
 「途中から遅く走っただろう‼︎ 」図星の指摘に何も返す言葉がなかった。

 先生は誤魔化すことはできない、弱い心も見透かされ、なんとも情けない気持ちになった。

 小6でやっぱり練習に招集された。去年の情けない気持ちにが思い出された。「今年で最後だし、やってやるか!」と気持ちを奮い立たせてみた。なぜだかわからないが今度は全力で練習もやり記録会でも全力で走り、県大会に出られる事になった。初めて全力でやって良かったと思えた。県大会では38位だったけど自分では全力を出せた事が嬉しかった。

 小学校はいじめられた経験が思い出のほとんどを占めており、思い出したい記憶も少ないが、全力で陸上に取り組めた経験は一番の誇らしい思い出になった。

 厳しいが本気で私と向き合ってくれたY先生には本当にありがとうの気持ちでいっぱいです。いまだについ手を抜いてしまうところは改善されていませんが。

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