ビンデケベーベとは

　看護学校では医学部の教授による解剖学の講義がある。その教授は学生から「Sちゃん」と言われていた。Sちゃんは多分結構年配だった。Sちゃんと言えばビンデケベーベなのだ。ビンデケベーベとはドイツ語であり結合組織の事なのだとか。解剖学の講義は結構興味深く受けさせてもらったが、そのことしか今は思い出せない。
　医学部のある先輩も、「Sちゃんビンデケベーベって言ってたでしょう？」と言い、Sちゃんと言えば「ビンデケベーベなんだよ。☺️」いつもそう言っているのだと教えてくれた。
「Sちゃんには天敵がいてね、（他の教授）二人が同じ講堂にいると対角線上にいつもいるんだよ。お互いに嫌いだからどちらかが動くと、片方も磁石みたいに反発して移動するんだよ。だからいつまで経っても二人は近寄らないんだよ。☺️」想像したらかなり笑ってしまった。そういう医学生ならではの楽しい話をたくさんしてくれた。
　面白かったことしか思い出せないのは私がちゃんと講義を聞いていなかった証拠かもしれない。