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#先生

いつもモテていた先生

いつもモテていた先生

 その先生はいつもモテていた。いつ見てもそばに誰かしら女子が質問しにきていた。(女子校なので)電車通学の私達の話の種は大概O先生についてだった。「O先生がさぁー」「O先生がこう言ってたね」そんなことばかりを友人のKさんと話しながら通学した。その友達も先生のファンだったはずだ。先生のファン層はとても厚く当時から大変な人気者であった。

 とある一学期の教卓に、O先生が来る前に誰かが生理用品を置いてお

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助産師時代のこと

助産師時代のこと

 病院勤務時代に、先生に認められて嬉しかったことが一つある。(自分は承認欲求が強いのだ)
 準夜勤で手術患者さんのオペ後の管理をしていた時、「痛み止めの効果が薄い」「痛がり方がおかしい」「何となく変だ」ことを理由にすぐに先生に報告でき、患者さんに対して早期に対応出来たのだ。状態としては、腹腔内での血腫だったと思うが経過を見る程度で良い程度のものだった。

 「どうしてわかったんですか?」
「これは

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バスケ部の顧問の先生

バスケ部の顧問の先生

 その先生は、長男の部活(バスケ)の顧問で、その時50代半ばの方。ある時一人の部員の生徒を、周囲の大人(部活の保護者たち)が問題視して辞めさせようとしたことがある。
 その問題視された生徒さんは、ハーフの子であった。何かと手が先に出てしまいやんちゃでもあったのだろう。でも長男から言えば、ちゃんと良い所もあるし、深刻に受け止めておらずむしろ遠征などの車(親が車を出す時)はその子を連れてくることが多か

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納得のいかない通知表

納得のいかない通知表

 高2の理科は生物を取っていた。生物は一年の時0点を取ったことがあるが、担任の先生はわかりやすく得意科目にもなった。「遺伝」の授業中に、手塚治虫の漫画の中に詳しく記載があった為、学校に持ち込み授業中に開いて見てしまった。調子に乗ってバカだったとは思うが先生に見つかり、大変なお叱りを受けた。「おい、◯◯!しまえ‼️」凄い怖かった。先生の顔には青スジが走り顔面蒼白であった。周りの友達もハラハラ見ていた

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言葉

言葉

 生きていると時々とてつもなく凄い人に出くわす。というか既に出くわしていた。
 その人は英語の先生だった。高一の最後の授業で英語に関係ない言葉をみんなにかけてくれた。
「みんなは何にでもなれるんだから、なんでもやってみるんだよ。大丈夫だから」
 一言一句合っているかと言ったら違うのでしょうが、そういう意味のことを確かに仰った。
 「僕よりも皆の方が凄いんだからね」
 これは確かにこう仰った。俯きな

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