HOLIDAY
【歌詞】
誰一人として味方なんて居ないんだって
子供の頃からそうです
軽蔑 侮蔑の視線 痛い 怖いから
先ずは自分から遠ざけてた
どうしようもない ガラクタの出来上がりです
きっといつか報われる日が来るとか
それでも本気で思えちゃうのは
あなたに出会えたから
日々の彼是 すべてが糧になるから
初めての感覚に めちゃ戸惑いますが
要は君に夢中 Only you !
どうしようもない ガラクタの日々は続く
きっといつか報われる朝を目掛け
あなたと共に笑い明かしたいのです
出逢えた歓び 如何表しましょう
ずっとあなたが好き
邂逅の記念に祝日を設けましょう
お偉いさんに頼み込んできます
いっそ もう毎日 HOLIDAY
これはとある女性に向けたラブソング。ただ当初は一切そんなつもりはなく、俺のことを認めてくれないバンドマンに向けて書き始めた嫉妬の曲だった。
「俺は好きなのに何で好きになってくれないの!」という歌舞伎町のホス狂みたいな超理論。自分に全く興味がないことが目線や仕草で伝わってくるのが心底嫌すぎて「有心論」のAメロみたいな『嫌われる前に嫌う』状態だった。しばらく前からBメロまで書き上げていたけど、その続きが全く思い付かなくてずっと放置していた。
数ヶ月経って、ある人(先述した女性)と出会った。その人は俺の好きな音楽、服装、話し方、何から何まで掬い取って肯定してくれる、まるで奇跡みたいな存在だった。今綴った文章をそのままアルバム収録曲の「話したいことがあります」の歌詞に書いている。この2曲は同一人物に宛てた(またそれは後日)。
そんな彼女に出会ってから、勝手にかなり支えられまくっていた。それを歌詞に反映させまくった。なので最初はストレートな妬みでしかなかったこの曲は、サビから急にラブソングになる変化球に。流石にちょっと変かなと思ったことはあるけど、この急な歌詞の変わり様が彼女に出会う「前」と「後」のタイムラインを明確に表している。明らかに人との出会いによって視界が変わったんだなと思って、あまり書き換えなかった。彼女の言葉があったから明るい唄を歌おうと思えたし、彼女の表情があったからもう少し頑張ろうと思えた。「キャッチボール」の『消える魔球のような優しさ』ってこれなのかな... 多分違うよな... 何にせよそんな胸温まる感覚だったと伝えたい。コレ読んでるといいな。
だから上手いことは言えないけれど、恥ずかしさを紛らわす為に少し変な言い回しをしながら「あなたが居てくれて本当に良かったんだよ」をひたすら歌っている。名前の付くような関係には微塵もならなかったけど、彼女に対する感謝の気持ちは今も健在です。
歌詞をコミカルな言い回しにしてるので、ドラムのビートも相まって「おもちゃ箱」みたいなイメージを共有したいと思った。その辺り竜之介さんはピッタリのフレーズ(特にソロ)を考えてくれたと思ってるし、すぎさんのウォーキングベースは気持ち良すぎる。Bメロのサビ直前にドラムの手数が多くなるフレーズは、元々シンプルなエイトビートだったのをうさみさんが「おもちゃ箱感」を強めて持ってきてくれた。
時速36km の「動物的な暮らし」を初めて聴いたとき、BUMP OF CHICKEN の「HAPPY」に似たギターフレーズを他でやってる人がいると思わず、こんな入れ方があるのか!と感動したのをずっと覚えていた。これは「HOLIDAY」の落ちサビのリードギターの四分で鳴る「チャッチャッチャッ」のフレーズになる。すごくシンプルなフレーズだからこそ、中々入れづらいモンだよなあと思っていた。
公開ラブレターみたいになっちゃったから、流石に恥ずかしい気持ちもあるので音楽的な話もしてみた。ここまで読んでくれた君には、少し先に公開予定の「話したいことがあります」のライナーノーツでもう少しだけこの話を掘り下げるので、興味を持ったり持たなかったりしてほしい。