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令和の有明マンション相場の進化

先日リリースした三井不動産リアルティの「東京ベイエリアオーナーズ倶楽部」によると、「有明・台場エリア」今年Q2成約単価はわずかながら「豊洲エリア」と「港南エリア」も上回りました。
今までほとんど発生しなかったことで、有明エリアの相場変化について少し気になったので簡単に調べました。

出典:「東京ベイエリアオーナーズ倶楽部」


令和以来有明エリアの相場推移

2024Q3現在、中古マンションのパフォーマンスでは有明エリアが多くの湾岸エリアを上回っています。その原因が2点あります。
1、「有明ガーデン」の開業はエリア相場の起爆剤
2、シティタワーズ東京ベイ新築販売の牽引が強力

有明エリア中古坪単価推移(四半期単位)

令和時代のエリア中古マンション取引データを四半期毎で並べると(極端な値を4件ほど除く)、エリアの相場推移はほぼ干渉のない三つのグループに分かれます。
グループ1:シティタワーズ東京ベイ(CTTB)
グループ2:ブリリア四兄弟+シティタワー有明+プレミスト有明ガーデンズ
グループ3:オリゾンマーレ、ガレリアグランデ

データソース:REINS
サンプル数:約770件
データ:令和元年からの有明エリアの中古成約
「ファミリータイプ50㎡〜、オーナーチェンジを除く」

エリア相場が大きく動いたのは2020年後半と2024年前半二つの時期があり、それぞれ有明ガーデンの開業とシティタワーズ東京ベイ新築の大幅値上げの時期と重なります。
この二つの時期において、上記グループ半年から一年のスパンでそれぞれ大きく値上がりました。成約件数もこれらの時期がピーク。
      有明ガーデン開業   CTTB新築値上げ
グループ1:    20%       30%
グループ2:    25%       20%
グループ3:    25%       15%
それ以外も、2022年後半の超円安から日経平均4万円超えまでにグループ2のマンション達は約15%も上がりました。

同データを月単位にプロットすると、Brillia 有明 City Tower(2014年 赤)とシティタワー有明(2009年 水色)成約のボラティリティが一番大きかったのもわかります。

有明エリア中古坪単価推移


2024年Q4現在、エリアの相場坪単価は
グループ1:600万円台前半
グループ2:400万円台後半
グループ3:300万円台後半

有明エリアQ4相場

そして、有明エリアだけではありませんが、2024年6-7月をピークに相場に落ち着きが見え始めています。


大型商業施設について

東京ベイエリアの大型商業施設

大型商業施設の有明ガーデンの開業が当時のエリア相場を大きく押し上げる形となりました。同じ湾岸エリアのららぽーと豊洲も同じ実績を残してありました。
来年開業控えているニュウマン高輪も有明ガーデンと似たような規模で、地域不動産相場も大きく影響すると予想出来ます。

有明エリアのマンション達

有明エリアのマンション
有明エリアマンションの位置

有明エリアの開発は、教科書的な湾岸マンションの歴史でした。
2004年竣工のオリゾンマーレと2006年竣工のガレリアグランデは、400戸前後で湾岸でこそ中規模ですが、長い間有明エリアマンション開発のベンチマークでした。プール付き、ジム標準装備、最上階にバーという特徴で、それまで倉庫街だった有明に拘った仕様と高級素材で仕上げたマンションでした。
「マンションで一番高く売れる最上階を共有施設に全振り」という開発コンセプトが有明エリアで十年以上続きました。ブリリアシリーズのBrillia Mare 有明 TOWER&GARDEN(2008年)、Brillia 有明 Sky Tower(2010年)、Brillia 有明 City Tower(2014年)、Brillia Tower 有明 MID CROSS(2021年)はバージョンアップしながらそのコンセプトを採用し続けました。その努力で有明は居住エリアとしても人気になり、街が成熟してきました。同時にシティタワー有明やプレミスト有明ガーデンズなど個性の溢れるマンションも作られました。
そして、シティタワーズ東京ベイというエリアナンバーワンマンションが2019年に竣工し、街も新たなステージに入りました。

シティタワーズ東京ベイ

  • 地上33階建てタワーマンション(高さは113.87m)

  • CENTRAL棟、EAST棟、WEST棟(WEST棟は32階)

  • 内廊下免震タワー

  • 総戸数1,539戸

  • 有明ガーデンとペデストリアンデッキで接続

  • 敷地内に認定こども園

  • りんかい線「国際展示場」駅徒歩4分/ゆりかもめ「有明」駅から徒歩3分(WEST棟)

マンションは大型商業施設の有明ガーデンとデッキで直結して共有施設感覚で利用できるのが大きな特徴です。
そのため、今までの有明のマンションと一線を画す仕様で、標準だったゲストルーム、スパ、プール、バーを設けず、棟内の共有施設を数点に絞ります:
 コンシェルジュカウンター CENTRAL棟
 パーティラウンジ  CENTRAL棟20F
 ライブラリーラウンジ  CENTRAL棟20F
 キッズルーム&ペアレンツサロン  CENTRAL棟2F
 パーティルーム WEST棟2F
代わりに直結商業施設内のホテル・温泉・シアター・劇場を便利に使うことができます。

マンションその他の特徴
ー ガラスウォールを多用するスタイリッシュな、経年しても古さ感じさせない外観
ー ロビーとエントランスなど共用部空間に力を入れ、石など高級素材で色褪せにくく、来訪者にインパクトを与える
ー ワイドスパンの部屋をたくさん作る最高峰レベルの占有部間取り
ー 首都高速道路湾岸線に隣接する(デメリット)

エリアの今後について

ー シティタワーズ東京ベイが2019年竣工でありながら、新築販売は今も続いており、今後もエリア相場をリード。
ー 隣町にある海の森公園(江東区海の森)は、東京最大面積の公園で、2025年3月に全面開園。
ー 隣町台場にある2025年度完成予定の世界最大級の噴水「ODAIBAファウンテン(仮称)」は新たな観光スポットで、有明エリアから徒歩10分前後。
ー 「有明親水海浜公園砂浜工事(西入江)」2025年着工、2026年完成予定。
ー 有明1丁目住友不動産が保有する敷地の(マンション?)開発
ー 2031年前後羽田空港アクセス線東ルートの開通で、「国際展示場」駅から羽田空港に直通。
ー 2040年開通予定の東京駅と結ぶ臨海地下鉄の有明駅で、エリアの都心アクセス一層向上。

ODAIBAファウンテン(仮称)


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