【院試合格体験記】東京科学大学(東工大) 情報理工学院 情報工学系 B日程 外部受験
はじめに
私は、2024年度実施、東京科学大学(東京工業大学)情報理工学院 情報工学系 大学院修士課程 入学試験 B日程に外部受験で合格することができました。
この記事では、私自身が使用していた教材や講義資料、各分野の過去20年分の出題傾向についてもまとめています。また、実際に受験をしたことでわかったことや、反省点などを振り返り、これらの経験を通じて、少しでも参考になる情報を提供できればと思います。
ボリューム満点の内容ですので、受験対策の一助としてご活用いただければ幸いです。
試験概要
東工大の大学院試験には、A日程とB日程があります。学業成績が特に優秀な出願者は、大学でのGPA、TOEICスコア、および志望理由書を基にA日程に選ばれます。ただし、実際に情報工学系においては、A日程に選ばれるのはほとんどが内部生です。(人気のない研究室であれば、外部受験者でもA日程に選ばれる可能性があるかもしれません。)
私自身は、某私立大学に在籍しており、GPAが3.7、TOEICスコアが885点でしたがB日程での試験となりました。
B日程
B日程は筆答試験と口頭試問から成り立っていますが、実際に合否を分けるのは、筆答試験の結果です。
口頭試問は、全員が受けられるわけではなく、筆答試験の結果およびTOEICスコアに基づいて、口頭試問の有資格者として選ばれる必要があります。
また、口頭試問の実際の内容は、研究室配属調査に近いものであり、通常落ちることはないはずです。
倍率
情報工学系の倍率は、例年約3倍前後です。(2024年度は出願者数 361名、合格者数 113名となっており約3.2倍)
これは、A日程とB日程両方を含めた結果であるので、実際にB日程を受ける際はより高い倍率であることに注意してください。
ここでは、2024年度の入試においてB日程の倍率を計算してみます。
以下のデータが東工大の公開している資料から読み取れることです。
出願者数 361名
合格者数 113名
A日程合格者数 64人
B日程口頭試問有資格者数 54名
B日程合格者数 49名
B日程受験者数
361 - 64 = 297 人
B日程合格倍率
297 / 54 = 5.5 倍(筆答試験 倍率)
297 / 49 ≈ 6.0 倍(筆答試験+口頭試問 倍率)
口頭試問で5人落ちてますが、当日欠席、あるいは辞退したのだと考えられます。
筆答試験内容
2023年度入試から、出題範囲が少なくなりました。
数学(線形代数学、微積分学、確率・統計)
数理論理学、オートマトンと形式言語
データ構造とアルゴリズム、プログラミング
各300点+英語100点 の1000点満点です。
ここ数年は、すべての分野が小問で出題されています。
合格最低点
合格最低点は公開されていませんが、例年7割強が目安とされています。しかし、試験の難易度は年によって異なり、2023年度は比較的容易だったのに対し、2024年度は難化していました。そのため、2024年度は7割に満たなくても合格していた受験者がいたと考えられます。過去問を解く際の参考にしてください。
出願
出願前(~6月)までに行うべきことをまとめます。
志望理由書
志望理由書を1500文字程度で作成する必要があります。テーマは以下の通りです。
学部 4 年次の学士論文研究(またはこれに相当する研究等)の概要
第 1 志望の研究室や研究分野を選択した理由
入学後の研究計画,及び修士課程修了までに達成したいこと
修士課程修了後の将来の希望,計画
私自身は、志望理由書の内容が直接合否に影響するとは考えていません。
自分の研究への熱意や計画性を伝える重要な書類ですので、適切に時間をかけて、質の高い志望理由書を作成しましょう。
外部英語テスト
指定されている外部英語テストを受験し、そのスコアシートを提出します。
基本的にはTOEICを用いることが多いです。
出願は6月上旬に行われるため、それまでに外部英語テストを受ける必要があります。受験後にスコアシートが届くまでに時間がかかるため、余裕を持って早めに受験することが大切です。
志望指導教員への連絡(任意)
大学側は、連絡の有無が合否に直接影響しないと明言していますが、第一志望の研究室の教員には、あらかじめ連絡を取っておくことをお勧めします。
4月から5月にかけて大学院説明会が開催され、研究室見学も併せて行うことができるので、この機会に実際に訪れることで、研究環境や教員との相性を確認しましょう。
各分野の出題傾向と勉強方法
過去問を約20年分解いた結果、各分野で出やすい問題の傾向がわかりました。
各分野ごとに、よく出題される内容と稀に出題される内容を分類しました。
ここでは、出題傾向に沿った効果的な学習方法と、おすすめの教材、講義資料について紹介します。
よく出題される内容
今後も出題される可能性が高い問題
稀に出題される内容
過去20年間で1回のみ出題された問題
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