赤霊破か紅蓮破か
どーも、シーエフです。
EDH(統率者戦)で《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》を使用しており、普段は、そのデッキのカード紹介などをしています。
ただ、今回は、いつもとちょっと違うお題で少しお話ししてみようと思います。
お題は、「EDHのデッキに1枚だけ入れるなら《赤霊破》か《紅蓮破》か」です。
まぁ、他にもっと詳しく書いた記事とかありそうですけど、なんとなく書いてみたいと思ったので、気になった方は是非おつきあいください。
テキスト確認
まずは、改めて《赤霊破》と《紅蓮破》のテキストを確認してみましょう。
「青の呪文を打ち消す」モードと「青のパーマネントを破壊する」モードのどちらかを選ぶことができるカードです。
青限定とは言え、1マナのインスタントで対応できる範囲が広いので、赤が入っているEDHのデッキではよく使われています。
次に、《紅蓮破》の効果を見てみましょう。
こちらの効果は、「青の呪文を打ち消す」モードと「青のパーマネントを破壊する」モードのどちらかを選ぶことができるというものです。
あれ?さっきも同じことを聞いたような…。そうです。2枚は同じ効果なんです!
…なんてね。ぱっと見、同じようなことは書いてありますが、よく見てみると少し違うんです。このちょっとした違いが結構影響するのがMTGの面白いところです。
それでは、何が違うのかを見ていきましょう。
2枚の違い
違いがわかりやすいように、2つのテキストを並べて見比べてみましょう。
まずは、打ち消しのモード。
赤霊破: 青の呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
紅蓮破: 呪文1つを対象とする。それが青なら、それを打ち消す。
対象に取れる呪文が異なります。《赤霊破》は青の呪文しか対象に取れないのに対し、《紅蓮破》はどんな呪文でも対象に取ることができ、それが青の場合のみ打ち消します。
赤霊破: 青のパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
紅蓮破: パーマネント1つを対象とする。それが青なら、それを破壊する。
破壊するモードも同様ですね。《赤霊破》が青のパーマネントを対象に取っているのに対し、《紅蓮破》は青くないパーマネントも対象に取れます。
この違いがどのような変化を生むのでしょうか?次は、具体的な状況を例に違いを見ていきましょう。
対象変更
この違いが最もよく出るのは、「呪文の対象を変更する」効果です。
おそらく赤が入っているほとんどのデッキに入っていると思われる《偏向はたき》。呪文や能力の対象を変更することができます。
例えば、戦場にある《リスティックの研究》を対象にした場合、《赤霊破》は、青いパーマネントを対象にするため、《偏向はたき》で《赤霊破》の対象を変更するときも青いパーマネントを対象にしなければいけません。他に青いパーマネントがなければ、対象を変更することができないことになります。
一方、《紅蓮破》で破壊しようとした場合は、《偏向はたき》で好きな対象に変更できるので、青のパーマネントがなくても適当なパーマネントに対象を変更して《紅蓮破》に対応することができます。
《赤霊破》の場合は、自分が青くないのであれば、対象を変更されたとしても、何かしら対戦相手がコントロールするパーマネントを破壊できるので、一応、1対1交換です。
一方、《紅蓮破》の場合は、対象を変更されて何も破壊できないこともあり、カードを1枚失っただけになります。
EDHでは、《偏向はたき》の他にも《稲妻曲げ》もちょくちょく見ますね。
「サンダー・ジャンクションの無法者」でもそれなりに優秀なカードが出てましたね。
3マナとちょっと重いですが、1マナ追加するとコピーもできますし、ハマるとすごく気持ちいいことになりそうです。
今度出る「ダスクモーン:戦慄の館」でも優秀なカードが公開されていました。アーティファクトを割るカードとして採用しつつ、たまに対象も変更するという感じでしょうか。
という感じに、対象を変更するカードはそれなりにあります。《偏向はたき》以外は、よく見るということはないかもしれませんが、《偏向はたき》の影響だけ考えても、《赤霊破》の方が良いと言えるでしょう。それだけ採用率が高いカードです。
プレイ誘発
一般的には、対象変更を考慮して《赤霊破》が採用されることが多いと思いますが、デッキによっては《紅蓮破》の方が合っていることもあると考えています。
その理由についても、説明していきましょう。
呪文を唱えるたびに誘発する能力を持ったカードがあります。その能力を誘発させたいと思っても、呪文は対象を取ることができないと唱えることができないのです。
《赤霊破》は青いパーマネントが戦場にあるときか、スタック上に青い呪文があるときしか唱えることができません。通常は、そのタイミングしか唱えないので問題ないのですが、とにかく唱えたい状況は起こり得ます。
そんなとき、《紅蓮破》であれば、いつでも唱えることができます。
対象を取る
皆さんご存じのこのカード。
ナドゥ自体は青いため、《赤霊破》でも《紅蓮破》でも対象に取れて、破壊されますが、この効果は他のクリーチャーを対象に取っても誘発します。
ナドゥが統率者の場合は《紅蓮破》を入れることはできませんが、赤も入った統率者のデッキにナドゥのように対象に取ったときに誘発するカードが入ることはあるでしょう。
その場合、《紅蓮破》であれば、自分のパーマネントを破壊することなく対象に取って能力を誘発させることができます。
対戦相手がコントロールする何かのコピーとなっている《幻影の像》を対象に取って対処することもできます。そう、《紅蓮破》ならね。
《幻影の像》は青いカードですが、当然、コピー先が緑のカードであれば緑になります。そうなると、《赤霊破》では対象に取ることはできません。
墓地に落とす
カードを墓地に落としておくことで、色々と活用できるようになります。
手札から墓地に落としておく理由はあまりありませんが、赤では追放して期間限定でプレイできる効果も多いので、そういった効果で追放したときに、空打ちでも唱えることができれば、墓地に落としておき、活用することができます。
追放領域にあるカードを活用するカードはほとんどないと思いますが、墓地に落としておけば、今後活用できる可能性があります。
探査や脱出など、墓地の枚数が多いに越したことはありません。
EDHにおける青
そもそも、色対策のカードで、他の色には全く使えないようなカードが何故メインから入ってくるのでしょうか。
その理由の1つに、EDHにはサイドがないというのもありますが、やっぱり、青が強いからでしょうね。
青が強い
→ 青い統率者を使う人が多い
→ 青いデッキと対戦することが多い
→ 赤霊破・紅蓮破が強い
ということです。
なぜ青が強いのかというと、やはり、カウンターですね。
得意不得意はあるものの、クリーチャー、エンチャント、アーティファクトなどのパーマネントは、ほとんどの色で一応触れるようになっています。
一方、ソーサリーやインスタントなどの呪文に触れるのは、青だけの特権と言えなくもないくらい他の色には数えるほどしかありません。
EDHでは、この呪文を通したら終わるというカードがいくつかあり、それを止められるのは打ち消しだけということもあります。
有名なデモコンタッサは、クリーチャーのコンボではあるものの除去では止まらず、基本的な対処法は打ち消しのみとなりますね。
また、赤はエンチャントに触ることができないため、青ければ入っている《リスティックの研究》に対処することができません。
そのため、青の呪文やエンチャントなどに触ることができる《赤霊破》や《紅蓮破》が重要になってきます。
まぁ、赤単でなくても、1マナの呪文としてかなり優秀なので、赤が入っていれば、《赤霊破》や《紅蓮破》は採用されるくらいです。
常に卓にどの色もいるわけではないため、当然、卓に青が一人もいないということもあるでしょう。ただ、他の色と比べて、そういう可能性が一番低いのが青だと思います。
また、cEDHでは、共闘の統率者が人気で、使用する色が多い傾向にあるため、全員青いなんてことも珍しくないのかもしれません。
最後に
一般的には、EDHでは《赤霊破》の方が採用率が高いみたいです。やはり、《偏向はたき》の影響が大きいですね。
デッキとして、今回紹介したような空打ちの活用方法が多かったり、そのような動きが重要になってきたりする場合は、《紅蓮破》でも良いと思います。
ちなみに、レガシーなどは、対象変更のカードは少ないので、断然《紅蓮破》の方が多いみたいですね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
何か参考になることはあったでしょうか?
少しでも新たな発見や気づきがあれば、良いなと思います。
それでは、また。
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