フランス小旅行 Honfleur(オンフルール)
オンフルールは、カラフルな建物が小さな港を囲み、海岸にはお花が溢れ、裏路地はいかにもヨーロッパの観光地、という感じの可愛いお店達が並びます!
今回絶対に食べたかったのは、海の幸のプレート!海岸沿いの人気店、le bistro du port
港に沿って色とりどりのお花が植えられていて、空は真っ青で、すごくいいロケーションです。
人気店なので窓際は予約で満席。この後間も無く奥の席まで満席に。
ノルマンディの海沿いのレストランには、fruits de mer(海の実り達)というメニューがあって、牡蠣とエビ、貝類を盛り合わせて出してくれるのです!
一番小さい20€のものでこのボリューム!
牡蠣と二枚貝は生で、エビとバイ貝?とタニシっぽいものは茹でてあります。
牡蠣はとても新鮮だし、茹でてあるエビや、ごく軽く火を通した感じの貝も、ほんのりちょうど良い塩味が効いていて、臭みなんて全くなく、ほんとに美味しい!
レモンのほかに、奥のお皿に赤ワインヴィネガーとエシャロットのソースと、酸味のないマヨネーズっぽいソースがつけ合わせてあります。
日本でも生牡蠣も茹で海老も食べるけれども、味付けを変えるだけで随分と印象が変わります。エビや貝類も、こちらの方が塩加減が強めで(味がつけてあるような気もするけど、流石に塩茹でだけかな?)、濃く旨みを感じます。マヨネーズのようなソースは塩加減も酸味もかなり抑えてあって、特に手前のエビと合わせるとエビのコクをうまく引き立てていました。さすがソース文化の国!食材を引き立てるソースのセンスが素晴らしい!
最初の写真にあるシードルは、少しスモーキーな香りを感じます。ルアーブルで飲んだシードルはもっとスモーキーでした。調べてもあまりわからなかったのですが、スモークしているわけではなく、原材料のりんごからこういう香りが生まれるようです。
もう一つの観光のメインは、ブーダンミュージアム。高台の路地裏にひっそりと佇みます。
ブーダンは、オンフルールで生まれ、のちに家族の仕事の都合でルアーブルに引っ越します。
ブーダンの美しい空、のんびりした牛達もまたみれて幸せでした^ ^
この美術館は、ブーダンの名前が付いているけれどもコレクションの数はそれほど多くなく、ほかの作家が7割以上、という印象です。
昨日のオンフルールのアンドレ・マルローと比較して感じるのは、絵のしょんぼりした暗さ。
アンドレ・マルローはモダンな建物で、自然光が入る状態で作品を展示していました。強い自然の光を浴びたブーダンの空は眩い輝きを放っていたように思います。一方、オンフルールのブーダンミュージアムは昔ながらの重厚な建物の中で展示していて、自然光ほど明るい光が当たりません。少し作品が暗く感じて、写真は照度を上げて撮影しています。
印象派絵画は、屋外で製作されるものが多く、同じように、強い太陽のもとで見た時に真価を発揮するのかな?と感じました。オルセーがあれほど明るいのは、印象派絵画を満喫するため、というのもあるんだろうか?🤔
この時は企画展もやっていて、その中に面白い一枚がありました。
ムーアの宮殿とはグラナダのアルハンブラ宮殿?その時代のスペインなら天正遣欧少年使節団かと思ったけど、彼らが謁見したのはフェリペ2世。カルロス5世は使節団が派遣された年に亡くなっていて、無理がある。ではこの侍は誰だろう?
よく見ると、裃や草履までよくかけていますが、頭が上がってうさぎみたいな姿勢になっていて、ちょっと奇妙な感じになっていました。
書いたのはこの人。マックス・トゥーレ
初めて聞く名前で調べてみたら、ベルサイユ生まれ、アメリカとフランス育ち、元エンジニアの絵描きさん。後にオンフルール近くの街に別荘を持ち、フランスで本格的に画家として活動したものの、1941年にノルマンディがドイツに占領された時、この家も接収され、置いてあった作品の多くが盗まれたとのこと。2010年代に遺族が作品群を発見して展示会が開かれるようになり、2018年に初めてカタログが発行されたそうです。
昨日の美術館といい、ここといい、テーマを持った良い展覧会が企画されていて、とても見応えがあります。アートを眺める視点が充実している。
オンフルールのもう一つの見どころは、サン・カトリーヌ教会。珍しい木製の教会です。イギリスとの戦争で教会が破壊されて、その後、15世紀に財政難から木材で協会を作ったそう。隣に別の建物として鐘楼があるのは、木造建築では鐘楼を支えることができなかったからだそうです。
この後、小さなお土産屋さんで買った生キャラメルを食べながら木陰でのんびり港を眺めて、ゆっくり帰路につきました。
もう一度、誰かと一緒に来てみたいな、と思う、素敵な街並みでした♪
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