女性ホルモン「3年が経ちました」
~ 歩み出せないあなたへ ~
先日10/29で、ちょうど3年が経過しました。
noteを初めて2カ月ですがたくさんの方にビュー頂いており、1,000ビューを超えました。いつもありがとうございます。
< 今までのトランス人生を振り返る >
2017/6/27 フラホル
絶対ダメですよ!!!(説得力ゼロ)
診断前にホルモン剤に手を出すことを「フライングホルモン」とトランス界隈では言います。日本では基本的に処方箋がないと薬が手に入りませんが、なんと通販を使えば簡単に購入できてしまうのです…。
まだその頃は時代が時代だったのもあり、何も知らぬまま海外輸入しちゃった時がありました。当時21歳で診断はおろか、クリニックにすら行った事がありませんでしたが、何の気の迷いがあったのか海外輸入に手を出してしまいました。
※この右に写っているCitolesはホルモン剤ではなく、当時私が社交不安障害やADHDみたいなものに悩まされていたので、それを和らげるための抗うつ剤・精神安定剤の類です。
特にこの黄色い方!有名なんですが結構これがヤバくて、私には合いませんでした。吐き気に襲われたりしました💦まぁ本当…、そうでなくとも辞めてくださいね。(結局これらの薬はすべて飲み切らず、数日で辞めました)
後々知ったのですが、この黄色い方は厚労省から健康被害の報告もあがっていたとは…。(しかもシス女性)
海外輸入を始める前は、これまたトランス界隈でも有名なプエラリア・ミリフィカも飲んでいた時がありました。このパッケージ・商品名以外にもいくつかの会社が同種のものを販売しています。これらは医薬品ではなくサプリメントなので先ほどの海外輸入とはまた違っていて、入手自体はなんの問題ないのですがシス女性の美容目的利用が横行した末、健康被害が報告されていますので本当に辞めましょう!
2021/10/4 診断書GET
ホルモンを始めるにも、まずは診断書が必要です。
私はトランスとして生きていく事に迷いが無かった為、すぐに診断書がGETできると有名な「早稲田通り心のクリニック」にお世話になりました。
初診の予約は電話のみなので、緊張しながら電話したのを覚えています。よくある「自分史を持ってきて。」という指示を受け、これが噂の…!!とテンションが上がりました。大半のトランスジェンダーが一番最初に経験することだから、”これで私も歩みだすんだな~…”とワクワクしたものです。
診断書をもらうまでの流れ
自分史は当日持参ということになっていたので、それを片手にクリニックへ。その後、自分史についてはかる~く触れる感じでサラッと流され、その後はGIDのガイドラインについて説明を一番濃くされました。
「WHOが定めてるICT-10っていうのがあってね、GIDはこの精神科ってのに分類されてて…」等々です。内容は真面目なものだけど、別に堅苦しい空気間ではなく、体感的にはあっさりと終わって、ラフに優しい語り口で話してくれる先生でした。
最終的に面談自体は15分そこらで終わり、その後、会計と一緒に封筒を渡され、噂通り、即当日に診断書が手渡しで貰えました。
初診+診察料が2,320円と、診断書発行代が5,500円でした。
※私は「即日診断書発行」そのものを推奨しているわけではありません。まだ少しでも迷いがある人は、継続的な診察を通してしっかり診てもらってくださいね✨
自分史の書き方
基本的にどこのクリニックでも、指定の様式は存在しない事が多いです。参考までに私が提出した自分史を掲載しておきますので、参考にしてみてください。(恥ずかしいケド…)
自分史を書く上では、次のような事項を含んだ内容とするのが好ましいでしょう。
(診断の面談時には自分史をもとに質問されたりする事もあります。本人の意思に反して、無理に根掘り葉掘り聞かれる事はありませんが、可能な範囲で記載しましょう)
家族構成 & 家庭環境
もっともこの項で重要なのは、幼少期から誰と過ごし、誰からどのように育てられたのかです。できるだけ詳細に記載するようにしましょう。幼少期、学生時代の過ごし方
幼少期どのような遊びをしていたか?
制服への嫌悪感、ランドセルへの嫌悪感が無かったか?男女どちらと接する事が多かったか。交友・恋愛などについて。現在の就学 or 就業状況
自分の性自認や恋愛対象について
カミングアウト状況
等といったところでしょう。
ちなみにですが、こういったクリニックに行く際は、できるだけプライベートで自分がしている(もっとも自分らしい)格好で行くようにしましょう。どうしても恥ずかしいならば無理する事はありませんが、お医者さんは、その人の身なりも診断の参考としています。
2021/10/29 ホルモンデビュー
さて、いよいよホルモンデビューです。病院はすぐ選べたものの、いきなり行ってすぐに受け付けてくれるか不安だったので、まずは電話してみる事に。すると、「診断書を持ってきてください~」と言われたので、それだけ持って病院へ行きました。
診察に呼ばれると、家族や会社へのカミングアウト状況を確認された後、注射をされました。私が通う病院では、抗男性ホルモンの位置づけとして黄体ホルモン(※プロゲストンデポー125mg)、そして卵胞ホルモン(※ペラニンデポー10mg)を1アンプルずつ、計2アンプルを注射する所からスタートしているとの事でした。最初の頃は「女になれる魔法の薬剤~♪」という感じで、テンション上げ上げで通っていたのを覚えています(笑)
まぁ筋肉注射ですから、どうしてもチクっとした痛みや重みはありましたけど💦
現在、私は色んな観点から注射は辞めて、別の手段にしています。ホルモン療法の詳細については、ぜひこちらの記事もご参考頂ければと思います。
病院選びについて
どこで打とうか…っていう病院選びが大事ですよね。地域によっては数多くありますが、一生ついてまわるものだし、往復考えれば交通費もバカになりませんし、診察・処方代も実は病院によってピンからキリまでありますので慎重に決めないといけません。まったく同じホルモン治療をしているのに知人と全然値段が違う!な~んて事は、トランス界隈では割とよくある話なのです。一番違いが出てくるのは、保険適用でやってくれるかどうか…でしょうか。分からない場合は、事前に電話で聞いてみるのが良いかも。
なぜここまで言うか。それは引越しだとか、お薬が処方できないとか、やむを得ない事でない限り、病院の変更ができない(しにくい)からです。(変更するには、その病院から紹介状を一筆貰わないといけません💦)その担当の先生とは一生の付き合いになるんだというつもりで選ぶくらいがちょうど良いです。
病院HPにしっかり性同一性障害(GID)の項目が掲載されている事はもちろんですが、歴史があるかどうかも見るようにしましょう。「別の診療科でホルモン薬出してるし、とりあえず最近話題のGIDも載っけとくか~!」みたいな感じで、GIDをちょっとした稼ぎの足しにしか考えていない美容クリニックもあるかもしれませんので、特に美容クリニックは注意しましょう。
私は偶然、早稲田クリニックの先生からホルモン治療をしているメジャーなクリニックを3つ候補で教えて頂いていたので、その3つを軸に調査した結果、スカイビルさんにお世話になる事に。
私が通うクリニックについて
ここ横浜駅から直結で行けるし、医療費安いしで便利なんですよね。ここは保険適用では無いのですが、注射は1,300円前後、テープ・ジェルは約1,900円(院外処方)という感じです。しいて言うなら予約制がなく、受付順ベースなので並ぶのが難点ですが。(まぁこれが40分~1時間は待つし、混んでると椅子もないので立ちっぱなしです)ただ、幸いにも通勤定期圏内だったので、交通費は気にせず行けますし、会社帰りに行けちゃいます(これめっちゃデカい笑)
はたまた私の感想になりますが、主治医の大塚先生は、患者さんの前ではいつも笑顔を絶やさない素敵な方で、診察の時はいつも「この1カ月、調子はいかがでしたか?((ニコッ」の優しいひと言からスタートします。そしてどんな提案・相談にもしっかり耳を傾けて下さり、その要望に応えようと必死に動いて下さいます。自分の考えや不安ごとを自発的に言える方であれば、とても相性の良い先生だと思います。
2022/5/19 家族へカミングアウト
転機となったのは、睾丸摘出の手術を申し込んだ事でした。大した手術ではないにしても、「麻酔をして体にメスを入れる」という事に変わりはないので、万が一何かあったら…と考えると居ても立っても居られなくなり、遠方に住んでいるので電話越しではありましたがカミングアウトをしました。
「何を今さら!わかっていたよ~!あなたがどうなろうと、俺の子であることに変わりは無いし、悔いの無いように生きなさい。」と、すんなり受け入れて貰うことが出来ました。
体罰・虐待まみれだった過去からすれば考えられない言葉ですが、今の私があるのは親のおかげ。とても感謝しています。
2022/8/11 睾丸摘出へ
ホルモンデビューしてからおよそ10カ月。クリニックの先生に「睾丸摘出術の日程が決まりました。」と報告し、事前に提出が求められていた血液検査を実施しました。
この一番下の遊離テストステロンっていうのが男性ホルモン値なんですが、ホルモン開始から半年経過後の4月時点は6.6ありましたが、睾丸摘出前の7月には0.7に。ほぼシス女性と同じくらいのレベルまで落とせていました。
これで私は睾丸摘出をしても男性ホルモン急降下のショックは無いなと安心し、睾丸摘出に至りました。(まぁそれがリスクなのかどうかは分かりませんが、一応体に良くないだろうと思い)
全身麻酔による手術は…というか、手術自体、人生初でした。まさか初体験が自分の股間とは…。
ん~これは勝手な私の主観ですが、MTFの場合は、意外と手術のときまで玉残ってる人も多いんじゃないかな…という印象ですよね。なので、MtFにしては早い決断をした方かなと勝手に思っています。
MtFの場合、手術に向けてお金貯める為!とか、どうせ手術で取っちゃうし!とかとかで、玉だけ先に取っちゃおう!なんてあんまり思わないんでしょうかね。まぁ正直、早めに玉とお別れする事自体は手術の観点でいえばちょ~っぴり不利に働く場合もあるし、一方の女性化の観点でいえば早めにバイバイしちゃった方が有利だし…と、ここは賛否分かれる所だろうと思います。
私が早めに決断した理由は、注射の負担を和らげたかったのが一番のメイン(私は注射苦手だったので…)。あとはニューハーフ界隈では早期に玉抜くと胸の成長早くなる~!って巷のYouTuberが言っていたので、それを信じて決断しました。
睾丸摘出する際の病院の選び方や、
メリット・リスクについて記事にしています。
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2022/12 女性社員にバレる
きっかけは会社の健康診断でした。うちの会社では、健康診断結果が会社に届いた後、記録の為に事務員さんが最初に開封してチェックするんですが、それをまったく知らなくて…。備考欄に睾丸摘出の件と、女性ホルモン治療中…みたいな記載をされてしまったもので、それで知られてしまいました(笑)
事務員さんの配慮のおかげで、会社の記録上では消していただけることになり会社中に知られずに事なきを得ています。また、今では病院側も事情を分かってくれ、備考欄には何も書かないようにして下さっています。
2023/06頃~ 女性と間違われる事が多くなる
2年近く髪を伸ばし続けて、やっと口元あたりまで伸びてきた頃でした。ちょうどこの辺りから、職場やトイレなど周囲から女性と間違われる機会が極端に増えてきました。
2023/10頃 社長にカミングアウト
この頃は、女性に間違われるのが嬉しくなってしまい、つい会社にネイルを残してきてしまったり等々の素行があった為、会社から指摘をされたのをキッカケに「実は…」と事情を話すことにしました。
他の社員には内緒で…という条件のもと話を終え、女性らしさを出すのを控えめにして仕事をしています。(たぶん)
私が感じた変化 まとめ
性欲
めちゃくちゃ減衰しました。特に睾丸摘出後。自慰頻度が、毎日から月1程度になりました。心や性格の変化
自分では変わらないように思います。ただ雰囲気はずいぶん変わったなと自分でも感じます。まぁ顔立ちの変化ですよね。(どんなに変わっても、iPhoneのFace IDだけは裏切りませんが笑)
ただホルモン開始初期のころは、黄体ホルモンを入れていた影響もあってちょっと精神面が荒っぽくなった時期がありました。個人差はありますが気にしてみてください。
よく趣味とか恋愛対象とか変わらないの?と聞かれますが特に変化ありません。身体について
特に私は痩せ型で、肉も脂肪も付きにくいタイプだったので、筋力低下が半端じゃないです。これは冗談抜きですが、新品ペットボトルの蓋を開けれない時があるほどです。筋トレするとかジム行くとか運動は不可欠です。痩せ体質で肉が付きにくい人は気を付けてください。そして何より、そういう人は本当におっぱいも大きくなりませんわホントに…。こればかりは祈れ!!!笑(切実)
それから痩せ体質の人は大概、胃腸が弱いケースが多いです。女性ホルモンは便秘になりやすい性質もありますので胃腸の管理はより一層、気を遣う必要があります。「なんか急に便秘になったな…?」と思ったときは、直近のホルモン投与日との関連性も気にしてみてください。不安であればお医者さんに相談しましょう。
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日々、感謝を忘れずに👍
あなたのトランスライフも
幸せでありますように🙏
よかったら
あなたの変化も教えてください❣
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