トランスの保険などについて
はじめに
日々のホルモンや、いろんな手術…。
私達って本当にいろんなお金が掛かりますよね。
そんなあなたに朗報です!
「貰えるお金」「戻ってくるお金」について、少し知ってみませんか?
過去にさかのぼって請求できるものも存在しますので、「何も知らずに過ごしてきちゃったよ…💦」って方も、ぜひ見直しを推奨します。
還付金(確定申告/医療費控除)
これを行うと、その年の自分の年収から、費やした医療費分だけ引かれる事になる為、翌年の住民税/市民税といった、前年の年収をベースに算定される税額等が減額されるメリットがあります。
還付される条件 / 気を付けるべきこと
その年の医療費が10万を超えた
(※ここでいう10万とは、病院代だけではありません。詳細は下記に記載しているので必読です。)その治療に対して、給付金や保険金を受給した場合には、その金額分は、医療費に含まれない
日々、通院する際は、領収書を保管、エクセル等で集計しておくと楽ちん(※申告の際、領収書の添付は、原則不要)
マイナンバーカードを保有している方は、もっと楽ちん
過去5年まで遡って申告できる
ここで掲げた医療費についてですが、毎週/毎月のホルモン治療費(お薬代も含む)、通院費(交通費)、車通院の方であればガソリン代や駐車場代も、医療費の対象となる場合がある事を覚えておいてください。
入院や術後のホテル療養、あるいは病院に行くにあたって前泊が絡むのであれば、その入院費やベット代、ホテル代などすべてが対象となる事が多いですから、申請する際はとにかく書いて申請する事を推奨します。大きな手術(高額な手術)をした年はもちろんですが、そうでない年でも常に気に掛けておき、諸経費を管理しておくと楽です。
この集計表は、国税庁のHPに掲載されているので、下記リンクより。
※この集計表は、年度に関係なく利用できます。
また、トランスに絡む医療費だけでなく、風邪をひいたり、インフル/コロナ、持病のための医療費なども含みますので、日頃から医療費関係は、集計を取っておく癖をつけておくと、とても申請が楽になります。
費やした医療費に比べると、還付金として税務署から戻ってくるお金は大した金額ではありません。しかし、何よりその年の年収額が書類上減るので、翌年支払う関連税が安くなりますので、実感している以上にお得になっている場合があります。
申告方法等
こちらのサイトで書類作成が可能です。
国税庁の手順案内サイト
また、少し古いですがアテンド会社「ソフィア・バンコク」さんの記事が参考になりますので、併せて紹介させて頂きます。
見舞金
会社から貰える可能性のあるお金です。
受給できる条件 / 気を付けるべきこと
会社に籍を置いた状態で手術をする(した)
会社に直接申請する以上、どうしても会社(あるいはその担当者/担当部署)へのカミングアウトが不可避
その他、社内規定 / 会則等 に基づく条件を満たしている
会社によっては、見舞金制度が導入されているケースがあります。
多くの場合、入院日数に対して…という規定になってる会社が多いので、入院が絡まない手術(精巣/卵巣摘出・胸オペ)については、可能性が薄いと考えられますが、念のため、社内規定や、関連する会則等を確認されることを推奨します。具体的な手続き方法については、会社等の担当者に要確認です。
傷病手当
健康保険関係です。各個人が任意で加入している、医療保険等とは別ですので、混同しないように注意してください。
受給できる条件 / 気を付けるべきこと
入社して1年以上経ってる
(厳密には、社会保険に加入した期間が、連続して1年以上)会社に籍を置いた状態で手術した
会社を4日以上休んだ
(この4日というのは、有休休暇や、会社の休みも含みます)期間中、会社から一切の給与支給がないこと
(有給休暇・見舞金は除く)会社へのカミングアウト不可避かも…?(※詳細後述)
渡航前に、書類等を準備しておいた方がスムーズである
医師記入欄があるので、特に海外で手術をした方は、アテンド会社等のサポートが無いと、書類作成が難しい場合がある。(海外の場合)
この手当は、会社の基本給と、4日以降休んだ日数をもとに算出されるものです。つまり、一般的に考えれば入院が絡む手術が主に対象です。
この4日というのは、入院日数だけでなく、療養していた日(退院して以降、まだ働ける状態になく家/ホテルで療養していた日数等)も含まれますので、会社に籍を置いた状態で、SRSを受けた人のほとんどが該当することになります。
こちらは時効がありますので、手術後、会社に復帰した日から起算して、2年を経過していない方については、間に合う可能性があります。
また、すでに退職されている方についても、上記の条件さえ満たしていれば受給できます。当時の会社に連絡するのが苦でなければ、申請してみてください。(例えば、4日以上休んだものの、術後、その会社に復帰せず退職した場合や、復帰して間もなく退職した場合などが考えられます)
受給額はケースバイケースですが、一般的には、4日以降働けなかった日数分の給与をベースに、その3分の2が支給されます。
申請書類・問い合わせ先
会社に記載してもらう箇所があります。このケースでは少ないとは思いますが、もし、カミングアウトをせずに会社を休んでSRSを受けた!という方は、バレたくないと思いますので、会社記入欄は、先に会社に記載してもらう等の措置を取れば、自分が記載する内容を見られずに申請できるので知られない可能性が高いです。
これから紹介する申請書類や、問い合わせ先(管轄先)等は、各自の健康保険の種類によって異なりますので、まずはご自身の加入先を確認してください。お手持ちの保険証の色を確認し、下図を参照すると分かりやすいです。
協会けんぽ
【申請書類(手書き用)】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/kenkouhokenkyuufu/k_shoute2304.pdf
【申請書類(PC入力用)】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/kenkouhokenkyuufu/k_shutte_n2212.pdf
【記入例】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/kenkouhokenkyuufu/k_shoute_guide2406.pdf
【その他注意事項・添付書類等】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r125/共済組合
各都道府県 及び 所属により異なります。詳細は、保険証に記載の管轄所に問い合わせされることを推奨します。組合保険
こちらも同様に、所属により異なりますので、詳細は、保険証に記載の管轄所に問い合わせされることを推奨します。
手術給付金
各自が任意で加入している医療保険などから出る給付金です。
主に入院日数をベースに、日額〇〇〇円…となってるプランが多いです。
どこまでの手術が対象か…というのは、各個人の契約状況によりますので、保険会社に問い合わせしてみてください。
ただ、トランスジェンダーである私たちが受ける手術は、保険会社にとってはマイナーな例である為、保険会社が調べるのに時間を要す可能性がありますので、渡航前に余裕をもって、保険会社に問い合わせされる事を推奨します。
保険会社によりますが、一般的には時効が3年ほどありますので、後からでも申請できる場合があります。
この給付金の特徴は、病院への交通費や、ホテル代等まで考慮される点です。(保険会社・契約プランによるが)
受給できる条件 / 気を付けるべきこと
契約プランによって、対象となる手術が異なる点
※対象の手術でなくとも、十数万、給付される例があるので、一般には申請して損ありません。(後述の ”私の例” を参照)医師記入書類がある為、アテンド会社等のサポートがあると、よりスムーズである点(海外の場合)
渡航前に、書類等を準備しておいた方がスムーズである
※海外での手術の場合は特に!申請に先立ち、交通費、ホテル代等、掛かった諸費用は、事前にこまめにまとめておくと便利
私の例
参考に、私の例を掲載しておきます。
私は、保険会社2社に契約していたので、それぞれ申請しました。
確定申告
その年は睾丸摘出があったのもあり、年間かかった医療費が諸々含めて、250,000円弱になりました。そこで、確定申告(医療費控除)を行った所、還付金が約6,000円ちょっと返ってきました。(翌年の減税額については、仕事柄、年収に変動があるので、一概に比較が出来ず。。すみません。)
睾丸摘出
睾丸摘出は入院・療養が必要ないので、医療保険の手術給付金のみ、申請可能でした。申請書類は、保険会社ごとに必要でしたが、医師に記入してもらう手術証明書については、流用できたので1通で済んだので良かったです。
以下に詳細を記載します。
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<病院>フローブクリニック
手術費:165,000円
私は紹介状があったので、6~7万ほど安くしてもらえました。他院は、全身麻酔がオプションとなっていて、+10万…!とかが多いんですが、ここはデフォルトが全身麻酔で、しかも元値も安いので、本当に良い病院です。)
※紹介状が欲しい方は、コメントください(案件ではありませんのでご安心ください)
手術証明書作成費用:12100円
手術給付金(A社):約50,000円
手術給付金(B社):約20,000円
SRS(性別適合手術)
Comming soon…(2026年秋頃、更新予定)
さいごに
私たちは、税金や、保険料を月々納めて義務を果たしていますから、受給する権利があります。ですが、誰も通知はしてくれません。自発的に見つけていくしかない日本だからこそ、当事者同士で共有していきましょう!
受給した経験がある方や、他にお気づきのことがありましたら、ぜひコメントください。
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