ミラージュと共に輝く個性! 「幻影異聞録♯FE」レビュー キャラクター編
2019/9/5に放送されたニンテンドーダイレクト内にて、「幻影異聞録♯FE Encore!」がニンテンドースイッチソフトとして発売されることが発表されました。「幻影異聞録♯FE」はとても魅力的なゲームですが、特徴的な点は「様々な要素が全て高い完成度であり、ゲームとしての総合力が強い」という点だと思います。そこで今回はその要素の一つ「キャラクター」に注目してゆきます。キャラクター説明の前に、ゲームの世界を簡単に説明します。
芸能事務所「フォルトナエンタテイメント」
物語の主人公蒼井樹は東京都内の学校に通う高校生です。ひょんなことから同級生の織部つばさと共に、芸能事務所「フォルトナエンタテイメント」に所属することになります。表向きは芸能事務所だが、その正体は「イドラスフィア」という異世界からの侵略者と戦っている「ミラージュマスター」が集まった集団です。樹たちは事務所に所属する仲間たちと一緒に、芸能活動を通してスターダムにのし上がりながらも、運命に導かれるままにミラージュマスターとなり世界を救う戦いに身を投じることになります。
ミラージュ
本作の登場人物にはこちらの世界で過ごす人間たちと、異世界の存在「ミラージュ」がいます。ミラージュとは、異世界で活躍していた英雄たちの姿がこの世界に顕現した姿であり、本作ではファイアーエムブレムシリーズの登場人物たちがミラージュとして登場します。幻影異聞録♯FEでは、彼らミラージュとタッグを組んで戦うものを「ミラージュマスター」と呼んでいます。ゲーム内では、登場キャラクターとミラージュがコンビとして描かれることが多く、マスターとミラージュのやり取りや絆も魅力のひとつです。
キャラクター紹介
ここからは順にキャラクター紹介をしてゆきます。筆者の好みが反映されたものになるのでご了承ください。気になるキャラがいたらぜひプレイして確かめよう!
蒼井樹(あおいいつき)
蒼井樹編本作の主人公。東京都内に通う高校生。性格は穏やかで皆のツッコミ役になってます。愛称は「イツキ」「イツキくん」ですが、ファンからは敬意をこめて「イツキくんさん」とも呼ばれたりします。さん付けされる理由、それは彼の人望の厚さにあります。もしこのゲームの人間関係図を描いたら、全ての人の行為がイツキくんに向いた図になります。
イツキくんは割と今時の主人公っぽい感じで、自己主張も控えめで「ごく普通の高校生」と形容されるタイプの人物なのですが、イツキくんの周りにいる人たちは皆彼のことをとても慕っています。その理由は何か、筆者は「悩んでいる相手のことを第一に考える姿勢」がイツキくんにあるからだと思います。自身の意見を押し付けるでもなく、相手の話を受け流すわけでもなく、どんな相手でも分け隔てなく公平に接し、なおかつ悩んでいる相手のことを考え、そして寄り添いその背中を押してあげるその姿。そんな彼に勇気づけられて、自らの足で前へと足を進めることが出来た人たちは、皆イツキくんのことを慕い、そして彼と共に頑張って行こうと思うのです。「縁の下の力持ち」としばしば表現されますが、時に下から支え、そして皆に推されるように前へと進んでいく、そんなイツキくんさんがとても素敵なのです。
そうやって同級生のつばさちゃんをはじめ周りの人からたくさん好意を向けられつつも、本人はそのことを自覚せずに周りの皆が笑顔になっていることを喜んでいる。聖人と朴念仁との合間を歩き続けるイツキくんは他人の喜ぶ顔がとても好きな人なのでしょう。
相棒となるミラージュはクロム。イツキくんのことを「相棒!」と呼ぶシーンもあるなど、イツキくんの剣となり盾となり共に戦ってゆく頼れる存在です。この二人はお互いがお互いを信頼しあっていることがよくわかるので、見ていてとても胸が熱くなりますね。
織部つばさ(おりべつばさ)
イツキくんの同級生。愛称は「つばさ」「つばさちゃん」。物語は彼女がアイドルのオーディションを受けにお台場へ向かうシーンから始まります。ルックス・スタイル共に文句なしの美少女ですが、その中身は大事なところで台詞を噛むあがり症だったり、Kiriaという劇中のスーパーアイドルに夢中なオタクだったりと、何かと明るく忙しい彼女です。
物語が進むとイツキくんたちと一緒にフォルトナエンタテイメント所属のアイドルとして活動をはじめます。アイドルシーンを一気に駆け上がってゆくつばさちゃんは先述した色んな魅力がある女の子ですが、筆者が注目したいのはその直向きさとやると決めたら頑張るその度胸です。様々な困難や課題にぶつかっても、真正面から考え、悩み、時にイツキくんに背中を押してもらいながらスターダムを駆け上がってゆくつばさちゃんの姿は実にカッコいい。自身を過剰に飾ることなくまさに体当たりで進んでゆくつばさちゃんの姿をぜひ見届けてください。
ミラージュはペガサスナイトのシーダ。つばさちゃんを優しく見守りながら、色んなお話をしてくれるお淑やかな女性です。
赤城斗馬(あかぎとうま)
イツキ・つばさの同級生。愛称は「トウマ」。二人よりも先にフォルトナエンタテイメントに所属しており、戦隊ヒーローに憧れるアクション俳優の卵。同級生である為、つばさちゃんがイツキくんに思いを寄せていてなおかつ当のイツキくんがそれに全く気付いていない、というところもよくよく知っている。「つばさちゃん、ガンバ!」と応援するシーンもある。
大好きな戦隊ヒーローの姿に似たのか、性格は真っすぐで明るく行動的。裏表のない姿はとても親しみが持てる。イツキくんとも気の置けない仲でありお互い何でもフェアに話し合う姿もよく見かけます。
ゲーム内では物語を進めると各仲間の芸能活動等に関するイベントが発生しますが、トウマのイベントは特撮ヒーローの夢を掴んでゆく物語。特撮ファンも納得の熱さや特撮あるあるなども楽しめるイベントになってます。大人から子どもまで皆のヒーローにふさわしい男です、赤城斗馬は。
またバトル中では長槍を武器として扱い、立ちはだかる敵に我先に立ち向かってくれます。戦闘開始時のキャラクター紹介ムービー時に歌舞伎役者のように大見得をきり、背後の大爆発をも絵にしてしまうド派手なところも、実にいい。余談ですがゲーム中には着せ替え要素があり、芸能人の美男美女が様々な衣装で活躍する姿を見るのはとても楽しいです。
ミラージュはカイン。真面目で熱くトウマを支える頼れる相棒。ただ真面目すぎるので他の個性的なミラージュに比べると若干影が薄いかな……と筆者は思ってしまいます。がんばれカイン!
黒乃霧亜(くろのきりあ)
ゲーム内のトップアイドル Kiria として活躍。ゲーム開始時には既にフォルトナに所属しており、ミラージュマスターとしての活動も長い。つばさの憧れのアイドル。
クールなトップアイドル「Kiria」として活躍する一方、キリアさんの心の扉は固く閉ざされていてとても辛い状況でした。幻影異聞録♯FEはavexより登場キャラクターが劇中で歌う曲を集めたアルバムが発売されていますが、キリアさんはトップアイドルということもあり劇中でも多くの楽曲を披露しています。
キリアさんのサブイベントでは、トップアイドルとしての姿を見せつつ隠していた本当の心が、イツキくんたちと出会って少しずつ開かれてゆき、「本当の自分」と向き合う姿が描かれてゆきます。またその様子が劇中の歌で歌詞として描かれており、劇中で披露されるミュージックビデオと共にキリアさんの心情の変化が感じ取れます。舞台上の姿と本当の姿のギャップを垣間見れるのがキリアさんの良いところだと思います。
キリアさんだけでなく様々なキャラクターのMVもゲーム内に収録されているので、その目でぜひ確かめてください。
ミラージュはサーリャ。キリアの持つダークな部分を体現しているような、毒舌で過保護なところがあるミステリアスなミラージュ。また衣装はかなりセクシー寄りです。
弓弦エレオノーラ(ゆみづるえれおのーら)
フォルトナ所属の女優の卵。芸能活動はそこそこ続いており、目指す先はハリウッドの勝気な性格。愛称は「エリー」。物語途中でドサ周り遠征の仕事先から戻ってきてチームに加わってくれます。口癖は「ハリウッド的に行くわよ!」
普段から強気な発言の多いエリーですが、それは彼女の持つ芯の強さの裏返しとも言えます。ハリウッドの大女優を目指すと公言しているだけあって、日々の稽古を欠かさず努力し、どんな小さな仕事でも全力で取り組んでゆきます。また彼女はハーフなのですが、ハーフならではの苦悩や生い立ちなどを知ると、筆者は誰よりも彼女の頑張りを応援したくなります。なぜエリーはハリウッドを目指すようになったのか、そしてそこで彼女は何を気づいたのか……
ミラージュはヴィオール。「貴族的に」が口癖で、エリーを貴族的な嗜みを覚えたレディに育てようと腐心するも、それを跳ねのけるエリーに手を焼く世話役といった感じです。二人の掛け合いは漫才のようで面白い。
源まもり(みなもとまもり)
フォルトナ最年少。しかしメンバーの中では落ち着いた常識人。愛称は「まもりん」。
子役として活躍しつつも、本心は歌手として活動したいと願い続けていたまもりん。大人ばかりに囲まれた生活の為、本当の気持ちがあってもなかなか言い出せないことが多いことが、彼女にとってとても辛いことだったと思います。自分の思いをはっきりと口に出すこと、そしてその思いや夢を実現させるために精一杯頑張ること。そしてその時に関わった人たちに感謝の気持ちを忘れないこと。まもりんがみせる丁寧で相手を思いやる姿からは色んなことを学ぶことが出来ます。
とあるイベント後には、バトル衣装でコックさんが解禁。他の大人にも負けず変幻自在に華やかな姿を見せてくれます。ほのぼのとしたイベントが多いのも彼女ならではでしょう。
ミラージュはドーガ。まもりんの最大の特徴は、パーティを守る盾役であること。真面目で主人に仕えるドーガとのほのぼのしたやりとりも、魅力的。
剣弥代(つるぎやしろ)
この世界で絶大な人気を誇る俳優。演技力、歌唱力ともにトップレベルでマルチな活動で人気を博す。彼もまたミラージュマスターであるが、フォルトナには所属せず独自にイドラスフィアの謎を探る。
ヤシロは完璧主義者。演技も歌唱も、求められるものはすべて完ぺきにこなし、それが当然だと言い放つプロ意識の高い役者です。プロ意識の高さは同時に他者への厳しさにもつながっており、事務所のメンバー全員で頑張るフォルトナの面々に対して「集まらないと何もできない奴ら」と言い放つほど、己の力のみを追求する存在です。
ミラージュはナバール。言葉のやり取りは少ないが、見えないところにお互いを信頼した様子を窺うことができます。
駆け足になりましたが、メインキャラクターはこんな感じ。この他にも個性豊かな面々が揃っています。最後になりましたが、
幻影異聞録♯FEは諸星すみれ声で「お兄ちゃん」と呼んでもらえるゲームです。
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たくさんのゲーム音楽演奏会に参加して、たくさんレポートを書いてゆく予定です。