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音楽経験なし30年来のテクノ好きが40代後半でDTMにはまるまでの記録


はまったきっかけ/この記事について

まずは自己紹介から。
自分は現在、40代後半の会社員で既婚、子持ち。
まだ中学生だった頃に深夜テレビから流れてきた電気グルーヴにはまり(それ以前に打ち込みにはまったきっかけはソフトバレエだが)そこから宝島やテレビブロス、オールナイトニッポンなどに触れ、ズブズブとテクノと所謂サブカルにはまっていった少年〜青年時代。その頃にも打ち込みにチャレンジしたものの長続きはせず、たまに遊びでやるDJを別とすれば、もっぱらパーティに遊びに行く側に。
時は流れて、30代から40代にかけては仕事が忙しくなり、子供も生まれ、ここ数年はコロナ禍もあったりで殆どパーティに遊びに行くこともなくなっていた。それでもテクノやハウスを中心に音楽は聴き続けており、サブスクが主流になってからも毎月、CDやレコードを買いながら、ちょっとした隙間時間を見つけては自宅でDJをして遊ぶようなことを続けてきた。
そういった中で周囲の友人たちの中には子育てが一段落し、また、少しずつ遊び始める者が出て来た。子供がまだ幼い自分はその段階に至るまであと5年から10年はかかる。それならば改めてテクノでも作ってみようかと思い立ち、周辺情報を集め始めたのが24年の5月。そこから半年とちょっとが経過し、見よう見まねレベルではあるが、なんとなく楽曲らしきものを作れるところまで来た。
そこで(主に将来の自分の為に)ここまでの記録を残しておこうと思い、この記事を書き始めた。

DTM開始前の状態

  • 楽器経験なし、つい最近まで楽譜も読めなかった(今でもすらすら読めるレベルではない。そもそも読む機会もないけど)

  • 学生時代からずっとMacを使っており、DTMはM1 Mac miniを使って行っている

  • オーディオインターフェースはDJプレイを録音するために定番のSteinbergのUR22Cを持っていた為、これを使っている

  • 電子音楽であれば、ディープハウスやアンビエント、ミニマルからトランスまでなんでも聴く

この半年間でやってきたこと

  1. 初歩的な知識の獲得とGarageBandでの打ち込み
    テクノを作るにしても少しは音楽的な知識も身につけておきたいと、わからないところは深追いせず、何冊か音楽理論の入門書を読んでみた。並行して、Macに入っていたGarageBandを使って電気グルーヴの「N.O.」を楽譜通りに入力する作業に挑戦。家族が寝静まった後、眠気と戦いながら老眼でしょぼつく目をこすりつつ打ち込みを終えたときには何かをやり遂げた実感があった(笑)

  2. 本格的なDAWの探索と環境整備
    楽譜そのままではあるが「N.O.」が形になったことで、次に音色も含めたアレンジがしてみたくなり、GarageBandと互換性のあるLogic Proをインストール。YouTubeに上げられた様々なチュートリアルを見ながら理解を深め、DTMを続けられそうな気がしてきたので、ここで25鍵のMIDIキーボードとYAMAHAのモニタースピーカーを購入した。さらに他のDAWも試してみようとテクノ制作の定番とされるLiveのLite版をインストールし、Logicと使い勝手を比べてみた。最終的にはより直感的に操作ができたLiveを選択し、MIDIキーボードのユーザー登録で入手したディスカウントチケットでSuiteを購入。これで一通りのDTM環境が整った。

  3. プラグイン迷子になりかけるも我に返る
    後日、プラグインのセールは1年中行われていることを知ったが(笑)この頃はDTM業界のセール事情を知らず、夏のセールということで慌ててNative InstrumentsのソフトシンセMassiveとFM8を購入。ただ、初心者には使い勝手が悪く、使いこなすまでには至らず。Synthesizer Vに手を出して「N.O.」にボーカルを乗せてみたりもしたが、ボーカルの調整を繰り返しているうちに「これがやりたかったことか?」と嫌になってしまい、完全にテクノ制作にシフトした。稚拙ながらも自分の好きなように音を出せることが嬉しくて、日々適当なフレーズを作って楽しむようになった。

  4. ArturiaのPigments〜V Collectionの購入
    やはり、今どきのシンセプラグインも欲しいという思いが募り、その時にセールをしていたArturiaのPigmentsを購入。プリセットに好きな音色が多く、使い勝手やデザインも良かった為、一気にArturiaのファンになり、流れでテクノ好き憧れのTB-303クローン音源であるACID Vを含むV Collectionシリーズも購入。これでいじりきれないほど膨大な音源が手に入った為、以降、キック専用音源のKick3など特殊なものを除き、新たな音源は殆ど購入していない。Live付属のシンセ群(OperatorやWavetable)をいじり始めたこともあり当面、新しいものはいらないかも。

  5. ミックスとマスタリングにチャレンジ
    見よう見まねではあるが、関連書籍を何冊か読みつつ、アナライザーを見ながらの調整にチャレンジ。音を重ねていくことで中音域がこもるという定番の問題に直面し「高音域ってどうやって足せばいいの?」とChatGPT(4o)に質問したところ、それなりに的を射た回答が得られた為、これをきっかけにChatGPTを相談相手として活用するようになった。

  6. 音響周りをアップグレード
    外出時に自作曲をプレビューしたくなり、外出用のイヤフォンをソニーのドンシャリ系からゼンハイザーのフラットな音質のものに置き換えた。さらにここは思い切ったが、買ったばかりのスピーカーも買い替え。選んだのはADAM AUDIOのA4Vだが、低音域の出力に優れ、気持ちよくモニターが出来、本当に買ってよかった。ここまでの初期投資でそれなりに散在してしまった為、当面、追加購入は控える予定。なお、それまで使っていたYAMAHAのスピーカーはリモートワーク用のスピーカーとして使うことにした。

  7. Sound Cloudにアカウントを作成(今ここ)
    完成した楽曲を残しておくためにSound Cloudにアカウントを開設してみた。まだ、自分が作りたいものがどういったものなのか、探り探りやっているというのが正直なところだが、テクノらしきものを作るのが楽しいという思いで日々曲作りを続けている。アップしているもの以外にも断片的なループや短い曲が多数ある。

半年間の試行錯誤を通じての気づき

最初に行った「N.O.」の打ち込みが基礎作りに役立った
様々なバージョンも聞き比べながら、何パターンかアレンジもしてみて、ポップスのおおまかな楽曲構成を理解することが出来た。好きな曲を打ち込むことでソフトの操作を覚える苦労より好きな曲が出来上がっていくうれしさが勝った点もよかった。「N.O.」はシンプルなメロディ(白鍵中心)で構成されており、決して複雑な構成の音楽が素晴らしいわけではないという真っ当な気づきを得ることも出来た。

テクノを作るなら音楽理論よりもミックスやマスタリングが重要
いろいろと試してみて、結果的にこれはいいなと思う曲をミックスやマスタリングの参考にすることやテクノを構成するうえで要となるシンセサイザーの音作りを学ぶことの優先度が高かったように思う。(とはいえ、これは素人の考えなので、テクノを作る場合であっても、音楽理論はきちんと理解しておいたほうがよいのだろうと思う。自分はいずれの知識も中途半端なのでこれからさらに理解を深めていきたい)

テクノ制作にバスレフが後ろに着いたスピーカーは向かない
最初に買ったYAMAHAのMSP3Aはテクノ制作で重要な低音を出すためのバスレフが後ろに着いており、物足りない感じがしてしまった。(深夜早朝の作業が多く、大きな音を出せないことも多い為、そういった場合にはさらに低音不足が深刻であった)対して、買い換えしたADAM AUDIOのA4Vはある程度、ボリュームを抑えた状態でも自作曲から参考として聴く曲まですべてが気持ち良くモニターすることが出来ている。(ChatGPTにもMSP3Aはテクノには向かないと言われてしまった…)

プラグイン購入はほどほどに
少なくとも自分のような初心者であれば、そもそも、Liveにも色々と揃っているし、あれこれと手を出すよりひとつのものに習熟したほうがよさそうである。例えば、自分はこれまでメインのイコライザーとしてLive付属のEQ Eightを使っており、ブラックフライデーで定番のPro Q3を購入してみたが、今の自分にはEQ Eightで充分だし、何よりもEQ Eightが手に馴染んでいるという気がしてしまった。

アナライザーは必須
これは様々なところで散々、言われていることだが、リファレンスとの比較を含め、アナライザーがあると便利。というか必須。そもそも中年になって高音域が聞こえていないのでは?という不安もある(笑)今はADPTR AUDIO Metric ABを利用中。

DTM入門者にもChatGPTは有用
「テクノを展開させていくときにフレーズ間の繋がりを自然に聴かせたいんだけど…」とか「ボーカルが途切れ途切れに聞こえるエフェクトって、あれはなに?」(答えはスタッター)といったしょうもない質問をしてもきちんと答えてくれる。初心者には心強い味方。

リットーミュージック+Kindle Unlimitedは神
我が家ではKindle Unlimitedを契約しており、そこでリットーミュージックの書籍がほぼすべて読めた。これだけで元がとれる。バックナンバーを含むサンレコに加え様々な分野の本を手当たり次第に雑に読めたのはこれのおかげ。スグに使えるシリーズなど手元に置いておきたい本は何冊か実際の書籍も購入した。

ここまでに参考にしたもの(抜粋)

前述の通り、流し読みを含め、Kindle Unlimitedを使って多くの書籍を読んだが、ここに挙げたものは実際に紙の本を購入したもの。

書籍

完全に理解できているわけでもないが、これから繰り返し読んでいきたい。

入門書として広く浅くだが、これを読んだこともLiveを選択した大きなきっかけだったかもしれない。

こちらもまだまだ勉強中。これから繰り返し読んでいきたい。

動画

技術的な話題も勿論だが、考え方や進め方の参考になったものをいくつか挙げておきたい。

I CAN FEEL IT (Single mix) パラデータ解説
音の重ね方や加工の方法、展開の付け方など。この域には遠く及ばないが、プロはこうやって音楽を作っているだなと。

THREE THE HARDWARE 5-10 これ超でっかくしよ | Stones Taro
このシリーズはすべて必見だが、中でもアーティストとして好きなStones Taro氏の制作風景を見ることが出来たことがよかった。作っている最中からとにかく気持ちよい。

Tech Talk: Polygonia - Enviroment, Limitations and Acoustic Instruments (Electronic Beats TV)
こちらも好きなアーティストとしてよく聴いていたPolygonia氏の動画。極力シンプルな環境で楽曲制作をしよう、音のバランスがなによりも大事というシンプルだが重要なメッセージ。(とりあえずプラグイン買おうというのはよくないよね…と)

ということで、これからも自分なりのペースでDTM、テクノ制作を続けていきたい。で、たまにその記録をここに残していきたい。

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