【5月9日ワールドミッションレポート:🇨🇳中国「足のなえた者も獲物をかすめる(6)」】
困難に耐えながらもストットは、中国の温州に腰を据え、33年間に渡り熱心に福音を伝え続けた。
彼は、とりわけ孤児や貧しい子供たちのために尽くし、温州で孤児院を開設し、彼らを世話し、教育の機会を与えることで福音を伝えた。
当時の中国では、貧困や迷信から多くの子供が捨てられる状況があった。これらの孤児たちは、ストットの目には「高価で尊い宝物」以外の何者でもなかった。ストットは、孤児たちを励ますために義足を外して自分を見せ「私も不具な者だが、主はこんなにも私を愛してくださっている。片足の者をさえ愛してくださる神が、なおのことお前たちを愛してくださらないことなどあるものか」と説き、孤児たちに希望を与えた。孤児たちはストットを「片足のお父さん」と呼び、彼に深い信頼と愛情を寄せていたという。この孤児救済の活動を通じ、多くの子供たちに福音が伝えられたのだ。最初は小さな規模だったが、徐々にストットの働きは広がり、温州に教会が設立されるようになった。
1888年、ストット夫婦はイギリスに休暇で戻った。この時ジョージの健康状態が悪化し、彼は癌と診断された。1年以上の闘病生活を送ったが、神は、ストットをご自分のみそばに引き寄せ、彼は33年の宣教の生涯を終え、主イエス・キリストの栄光に入れられた。ストットの最期を見とった医師は次のように語っている。
「痛みから解放された瞬間、ジョージは弱々しくも静かにはっきりとこう語りました。『主が近くにおられるので、いっさいの疑いや恐れがありません。苦しんでいるのはこの身体だけで、私の霊は今、喜びと感謝に満ち溢れています。』『30年前、主がご自身の尊い血潮で私の罪を洗い落としてくださって以来、私には神への愛と感謝しかありません。今は雲ひとつない太陽が輝いています』 片足の宣教師ジョージ・ストットは、このように揺るがぬ信仰とたゆまぬ希望を抱きながら、谷を下りて行ったのです」
「足のなえた者も獲物をかすめる(7)」に続く
(プロテスタント6.4%,カトリック1.6%,無宗教44.4%,儒教28.5%,仏教12.5%,イスラム1.9%,他)
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