カナダ・アメリカ MTB旅行記 Vol.7
カナダとアメリカでマウンテンバイクのトレイルライドをしてきた記録です。
カナダ Squamish(スコーミッシュ) でトレイルライド。
2018年9月17〜22日
カナダのSquamish(スコーミッシュ)でMTBのトレイルライドをしてきました。
カナダ・アメリカMTB旅行記、7回目にしてようやくカナダに戻ってきました。
スコーミッシュはバンクーバーから車で1時間ほど北、スキーリゾートとして有名なウィスラーとバンクーバーの間にある田舎街です。
ロッククライミングやマウンテンバイクをはじめ、ハイキングにキャンプ、カヌー、カヤック、スキー、スノボなど、年間を通して様々なアウトドア アクティビティが楽しめます。
カナダでMTBに乗ってきた...と言うと、「ウィスラー?!」と聞かれる事が多い。
ダウンヒルバイクでゲレンデダウンヒルがしたいのなら、迷わずウィスラーですが、今回はのんびりトレイルライドを楽しみたかったので、スコーミッシュを拠点に1週間弱滞在する事にしました。
そしてここからはガイドなしのライドトリップになるので、まずはバンクーバーでレンタカーを借ります。
車は事前にネットで予約しておいた、DodgeのGrand Caravanというミニバン。
カナダの100円ショップのような所で、ブルーシートとMTBを固定するロープを買って、MTB2台と荷物を中積みに。
ホテルはスコーミッシュのダウンタウンにある、その名もズバリ「Hotel Squamish」に連泊しました。
ホテルの目の前にStawarmus Chief(スタワマス チーフ)の巨大な岩山が飛び込んで来る、最高のロケーション!
ホテルから歩ける距離にカフェやレストラン、スーパーなんかもあって、とても便利だった。
食事なしだけど1泊1人¥4,600と非常にリーズナブル。
バンクーバー市内とかウィスラーだったら安いところでも1万円はするからなー。
部屋もきれいで、バイクもストレージで預かってくれて、良いホテルだった。
朝食を食べにホテルの近くのカフェへ。
滞在中のお気に入りの店、1軒目は「The Ledge Community Coffee House」
このお店はコーヒーが特に美味しかった。
2軒目は「Zephyr Cafe」
このお店は野菜が多めの体に良さそうなご飯メニューが充実している。
朝6:30から開いているので、ライド前にゆっくり朝食が食べられる。
早朝からクライマーやハイカー、マウンテンバイカーっぽい人で賑わっていた。
トレイルライドへ出発。
まずは車で登り口の駐車場まで移動。
道中、何台も自転車を積んだ車や自走でガシガシと舗装路を走るグループを見かけた。
山の方へ吸い寄せられるように続々とMTBerが集まってくる。
駐車場から、まずは登り。
Wトラックもあるけど、スコーミッシュのトレイルはオーバーユースを避ける為、シャトルアップは禁止です。
***
[追記]
2018年まではこの看板が立っていたのですが、2019年に訪れた際には撤去されていました。
もしや...と思い調べてみると、なんとシャトルアップが解禁されていました!
とにかくたくさん下りたい!とか、私のように時間と体力に限りがある旅行者にとっては、上りの搬送というのはやはりありがたい。。
2019年7月
「The Squamish SHRED Shuttle」という有料シャトルサービスを利用してみました。
この会社は2017年のスキーシーズン、バンクーバー空港〜ウィスラー/スコーミッシュ、ウィスラー〜スコーミッシュ間のシャトルからスタートしたそう。
夏場のマウンテンバイクの搬送は2018年からやっていたが、スコーミッシュのトレイル搬送は2019年からだそう。
搬送してくれるのはスコーミッシュではまだDiamond Headエリアのトレイルのみのようで、今回はPseudo Tsugaの出口から、Meadow of the Grizzly/ 19th Holeのトレイルヘッドまでシャトルアップしてもらいました。
金額はC$10(¥800ほど)でWトラックもしくはトレイルで10kmの距離を登ると思えば...安い!
予約はネットからで、時間とピックアップ場所を指定してメールを送ればOK。
私が利用した区間は10:00、11:00、13:00、14:00、16:00の1日5回ありました。
クレジットで事前決済だったし、少人数でも来てくれるのか不安でしたが、時間通りにちゃんと来てくれました。
BC州でトレイルライドはしてみたいけど登りがな〜...と、ウィスラーのバイクパークばかり走っていたそこのあなた!
ぜひこのシャトルサービスを利用して、トレイルライドも楽しんでみては?!
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とはいえ、登りのトレイルも自転車で楽しく登れるように整備されているのでそんなにしんどくない。
「BCバイクレース参戦記 Vol.5」の所でも書いたが、シングルトラックの登りなので退屈しないし、斜度も急過ぎないので、スルスルと登れてしまう。
こんな感じでスイッチバックのようにジグザグと登り道が造られている。
カーブもタイト過ぎず、絶妙。。
もちろんWトラックを登ってもいい。
退屈だけど楽なのはWトラックかな。
他にも、木漏れ日が気持ちいい所や、
ちょっと緊張するラダー区間があったり、
鏡のような水面が綺麗な湖の横を走る所があったり、
ほどよい登りで体もほぐれて、とても気持ちが良い。
スコーミッシュのトレイルはリフトもゴンドラも搬送もない。
登りも全て自走。
では「登り」というトレイルライド初心者にとっての最初の壁をどうするか...。
それがこの楽しく、しんど過ぎない登りトレイルにする事なんだと感じた。
そして登りきった先には極上の下りが待っている。
今回走った主なトレイルは、
Full Nelson
Half Nelson
Meadow of the Grizzly
Pseudo Tsuga
Fred
Tinder
Your Mom
Leave of Absence
Rupert
Rollercoaster
Another Man’s Gold
STP
Hoods in the Woods
Poop Alley
一部を動画にまとめてみました↓
スコーミッシュのトレイルはボランティアの団体である『SORCA』
(The Squamish Off-Road Cycling Association)や、『Dream Wizards』といったトレイルビルドの民間企業によって造られ、維持管理されている。
その総距離200kmにも及ぶシングルトラックのMTBのトレイルが、スコーミッシュの立派な観光資源となっているそうだ。
MTBトレイルがある事によって、旅行に来たり、移住してきたり…といった事で毎年12億円程の経済効果があるらしい!
SORCAは、スコーミッシュの自治体からトレイルの強化と維持管理費用として、毎年CAN$75,000(約700万円)の助成金を受け取っているそう。
MTBによる経済効果に対して、助成金が少ないように感じる。。
だからかは解らないが、2017年に新設された、Meadow of the Grizzlyというトレイルは、クラウドファウンディングによって集めた資金で造られたそうだ。
この新しい道も、バームに縦うねりに…と波打つようなノリノリなトレイルでめちゃくちゃ楽しかった!
そして下の写真はそのMeadow of the Grizzlyにアクセスする為にこれまた新設された5kmの登りトレイルの一部。
この登りも非常にスムーズで程よい斜度で走りやすかったなぁ。
しかし、写真の右側、山の斜面には岩盤のような岩肌が見える。。
マシーンビルドとはいえ、ここを削るのは相当大変だったのでは…。
恐らくこんな感じ↓で斜面を削って道を造ったと思われる。
トレイルの下に雨水を逃す為のパイプが通っていたので、①のようにただ斜面を削っただけではなく、②のように、一旦削ってからパイプを埋めてトレイル部分を一段高く盛る事で、トレイルの横を雨水の通り道にしている。
下りのトレイルを造るだけでも大変だろうに、そこに行く為の登りのトレイルも合わせてしっかりと造り込まれている。
その労力と時間、お金、情熱をひしひしと感じながら、噛みしめるように走った。
山の中でランチ休憩。
そして午後からもたっぷりと走ります。
このラダーの走り方がわからん。。
それから雨の日も普通に走れるのも嬉しい。
水はけの良い土質と、トレイル上は腐葉土が除かれ、水の流れを考慮して造られているからか、雨が降ってもぐちゃぐちゃにならないのでトレイルが荒れる事がない。
雨が降ろうが、続々とMTBerがやって来る。
中にはレインウェアすら着ていない強者もいた!
霧が出て、トレイルは幻想的な雰囲気に。
arc'teryxの元CEOが立ち上げた自転車ウェアのブランド、7meshはここスコーミッシュが拠点。
ちなみに7meshというブランド名は、先住民の言葉でスコーミッシュを表す「Skwxwu7mesh」からとったそう。
ライドの後は夕食を食べに行く。
滞在中のお気に入りは、まずホテルの近くの「Howe Sound Brewing」というレストラン。
この写真手前のフライドポテトにハマった。
ジャガイモではなく、ヤム芋を揚げたもの。
ヤム芋って日本で食べた事ないけど、サツマイモに近くて甘みがあって、マスタードが入ったソースで食べるとさらに美味しい!
マクドのポテトも全部ヤム芋にして欲しい位。
もう一つは7meshのオフィスの向かいにある「Backcountry Brewing」。
ここのクラフトビールは本当に美味しかった!
しかも1パイントが600円ほどで安い。
店内もおしゃれで、人気店らしく、地元の若者で賑わっていた。
MTB乗りにとって天国のような街、スコーミッシュ。
貯金か仕事があったら、すぐにでも移住したいくらい。。
(つづく)